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親友の死


 
萩の花が満開となり 葉っぱより花が自己主張しているようだ
 
道路にはたくさんのピンク色の花が 散っている
 
9月ももうお彼岸に近づき 朝夕はめっきり涼しくなり
 
雨戸をしめると、虫たちが 大合唱をしている

 一人暮らしの友人に電話をかけた。親友の「のり」だ。
 
高校3年のクラスメートが連絡がつかないので 明日訪れると言っていた
 
その後 報告がない 「のり」元気だった?と聞いた
 
受話器のむこうの彼女は 心なしか寂しい声で言った
 
「死んじゃったの」 言葉がでなかった
 
自宅の玄関で倒れたという
 
すでに、警察がはいっており、中にははいれなかった
 
友人は片足だけ ロープ越しに 片足だけ見れたという
 
解剖の結果 死亡原因は不詳、死亡推定日時は9月3日
 
2日に友人が電話したときは 元気だったと言う
 
友人は合鍵をもっており 14日に訪ねた
 
3日から14日まで誰にも発見されずに
 
苦しんで外へ助けを求めに外へでようとしていたのか
 
今となっては悔やんでも 悲しんでも
 
どうにもならないことはわかっている
 
涙がとまらなかった

 
「のり」との思いでは3年前偶然、病院に入院中
 
ばったりと出会った 彼女は車椅子にのって
 
足を捻挫していた。17年ぶりの再会であった
 
それから、合鍵をもっている友人がお見舞いにきてくれた
 
3人で、ケーキを食べミニ同窓会を開いた
 
退院後、「のり」の家にいって、ビールを飲んだ。
 
おいしくて安いお寿司屋さんにも行った
 
「となりのととろ」からはじまって「千と千尋の神隠し」
 
までの立体模形図をみて、たのしかった 携帯の
 
ととろのストラップを買った。

 
9月にまた美術展へボーイフレンドを紹介しようと
 
電話に留守電を入れたり メールを送ったが
 
返事がなかった。おかしいなとは思ったが
 
自宅に訪ねるまでできなかった
 
まさか こんなことになってしまうなんて
 
苦しんだのか あっという間になくなったのか
 
寂しく あの世へ行ったしまった「のり」
 
今日 荼毘にふされる 立ち会う親戚もなく
 
私と主人が 焼香をした
 
棺は 純白で緑のガムテープで封がしてあった
 
上に 純白の白い花がたむけてあった
 
まるで、結婚式の花嫁のようだった
 
棺が焼却炉へ運ばれる時、叫んだ
 
「のり、のり、聞こえる?あの世で、
 
お父さん、お母さん、お兄さんが待ってるよ
 
幸せに天国へ行くんだよ」と
 
焼却炉にうつされ、扉がしまった
 
1400度の熱で焼かれると言う

 
日蓮宗だったので、南無妙法蓮華径
 
と唱えた
 
3年10組のクラス会の写真をひきのばして
 
好きだったタバコとお菓子 父の書いた般若心経
 
を棺の上に置いた 
 

待っている間、同級生の経営している牧場へ

「のり」と10人くらいで、遊びに行って、バーベキュウ
 
をした写真をながめていた
 
葬儀場は広く 喪服を着たたくさんの人であふれていた
 
皆、遺影と位牌をもっていた
「のり」にはそれがない
 
魂が49日までこの世にいるというのは 本当だろうか
 
「のり」が私の家に遊びに来ているかもしれない
 
私は いつでも待っているよ
 
私の夢枕にたっておいで 26日にクラスの皆でお墓参り
 
をするからね みんなのお家へ行くんだよ
 
お墓には大好きだったビールも もっていくからね
 
安らかいに眠りにつくんだよ
 
祈ってるからね

 斎場をあとにし、地下鉄に乗った
 
世の中は「のり」の死と関係なく
 
乗客の人も私の悲しみはしらない
 
坦々と時が流れて行く
 

もう、私は泣かない 「のり」の分の寿命をもらって
 
80歳になっても、油絵を描きつずけるのだ
 
めそめそしない 「のり」も悲しむだろう
 
私は萩の花でなく、雑草だ、刈り取っても、すぐ
 
次の芽をだすのだ 私が立ち直らなければいけないのだ
 
「のり」私もしばらくしたら、天国へいくよ
 
それまで、待っててね しばらく会えないけれど
 
きっと、あの世でも親友になってね。
 
グッバイ・・・


 
byエリカ(2004/09/17