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▲スワンナプーム国際空港駅。普通列車を利用する出国予定者も多い。
タイ国鉄(SRT)傘下の鉄道組織SRTET(=SRT Electrified Train)によって運営されるエアポート・レール・リンク(=Airport Rail Link= ARL) は、サムットプラカーン県の新バンコク国際空港(=スワンナプーム国際空港)〜バンコク都のパヤタイ駅間の28.6km中の一部区間に地下鉄部分を含む。
一部区間とは新バンコク国際空港駅(=スワンナプーム国際空港駅)〜ラートクラッバン駅間のほぼ2割ほどにあたる僅かな区間である。ただし地下鉄区間の端から地上区間への出口が見えるわけではないので、そこそこの長さはある。
しかし、ALRの鉄道車両は現営業区間全線を地下としているMRTと異なり、車両前面に乗客避難用の昇降通路扉が装備されていない。その理由は・・・おそらくだが法律上は同区間を「トンネル扱い」としているからではないかと推測している。
地下鉄区間の「トンネル扱い」に関しては日本のJRでも前例があるので、発展途上国でありがちないい加減さに由来する決定とも言い切れないようだ。
スワンナプーム国際空港駅はスワンナプーム国際空港の地下一階に位置する。つまり、空港ビルの地下に作られている。これはギリギリまで空港まで駅を近づける努力の結果である。タイを初めて訪れる観光客であっても極めて自然にアクセスできることは間違いない。
しかし、注意点が1つだけある。それはARLの提供する2種類のサービスである「急行(EXPRESS)」と「普通(CITY LINE)」との乗り間違いである。いずれに乗車してもバンコク中心地に到着するのは間違いないが、乗り間違えてしまうと停車駅の数や乗車運賃などが異なるなどの問題がある。
スワンナプーム国際空港駅には2つの専用改札口がある。1つは「急行(EXPRESS)」専用改札口で、空港を背後にして左側の奥。もう1つは「普通(CITY LINE)」専用改札口で逆側の手前。空港到着ロビーからエレベーターでアクセスすると、つい急行専用改札口へ行ってしまうのだ。
「急行」は普通と異なり、始発の空港駅を出発すると終点のマッカッサン駅に到着するまでどこにも停車しない(途中駅はすべて通過で客扱いはない)。割高かな急行料金の支払いが求められる。さらに、マッカッサン駅から先、例えばBTSへのアクセス駅であるパーヤタイ駅まで行く場合は「普通」へ列車の乗り換えが必要となる。
困ったことに、「急行」であっても「普通」と比較して圧倒的短い時間でバンコクに到着するわけではない。また、「急行」は発車時刻の間隔が長いので、空港駅での待ち時間も合わせると折角の高速運転のアドバンテージは失われる点が痛い。さらに、「普通」であれば下車駅を自由に選択できるので、バンコクに慣れた旅行者には利用価値がより高いと言える。
ARL鉄道車両は中央集中制御するATOの管理コンピューター、さらにそれに従う1人の運転手によって運転されている。最高時速160キロというタイでは前例のない高速で走るためか、テロリストの目標となる可能性のある国際空港へつながる唯一鉄道であることを考慮してか、列車編成最前方=客室内から運転室へ通じる扉前は、常に警備員が配置されている。

▲CITY LINEの車内。通勤、通学などを目的とした利用者が多い

▲列車編成最前部にある運転室扉。左側の男性は警備員。
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