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タイ>保線車両

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▲Plasser & Theurer製保線車両。

 

保線作業、それは縁の下の力持ちである。これがなければ鉄道の高速化、安全化、信頼性の向上は絶対に果たせない。

一般的な鉄道保線用車両は主にマルタイとバラスト・レギュレーターの二種だ。そして、高速鉄道保線用車両となるとスペノやスラブ・トラックライナーにまで拡大する。

タイ国鉄の話なので、超高速検測車両のドクターイエロー、イーストアイ、EM120などはパスだ。それと確認車、架線・信号・車両限界関係も。

マルタイはレールの微調整を行なって軌道面を整える機械。特殊な振動爪で砂利を突いて、というか振動爪を振動させながら地中に突っ込んで、一時的にバラスト地盤の液状化現象みたいな状態を作り出すことができる。そして、その状態を作り出している間にレールの位置を三次元全方向で調整するのだ。

通常のレール部分しか作業できないマルタイと、ポイントなどのデリケートな部分も作業できるスイッチ・マルタイの2種が存在する。昔は人間がタイタンパーを一つずつ持って作業を行うのが一般的だったが、振動が身体に与える影響が大きいため問題となっていた。さらに。鉄道の高速化による精度の向上、作業時間の短縮などを理由にじょじょに機械化されいる。

バラスト・レギュレーターは、レールや枕木を支えるバラスト(砂利)の入れ替え作業などで活躍する。列車の車輪から伝わる衝撃の吸収の際に砕けて小さくなった砂利を掻き出し、新鮮な砂利を供給している。

 


▲Plasser & Theurer製。

 

スペノやスラブ・トラックライナーは、マルタイはバラスト・レギュレーターで行う作業の仕上げを担当する。または、それらの車両が必要ない程度の小さな歪みの修正を担当する。

タイ国鉄には関係ないけれど一応。スペノはレールを削正して車輪との摩擦を減らして車両の揺れを低減させる。名前の由来は車両の主な製造メーカーのスペノ社の社名。すでに固有名詞となっているのでJRが使用する、非スペノ社製の6頭式無動力車も「スペノ」と呼ばれている。

作業は主に深夜に行う。削正作業は烈しく飛び散る火花が綺麗というイメージがあるが、そういう場合は深刻な歪みが発生していることを意味する。なお、スペノの乗り心地は悪くない。

スラブ・トラックライナーはスラブ軌道専用の保線車両。新幹線などの超高速運転に対応したコンクリートに枕木が埋め込まれたレールを力業で調整する。当然、砂利道床の東海道新幹線では無用の長物だ。

長くなったが、タイ国鉄にも保線車両は存在する。日本と同レベルのPlasser & Theurer製の車両達だ。これらは日本からの援助で購入したもので、最初はタイ国鉄南本線の複線化、複々線化などに使用されていた。しかし、最近では東本線へと移動が続いている。

これはスワンナプゥーム国際空港の開港に伴い本格化した、鉄道コンテナ・ヤード〜レームチャバン深海港間の輸送の強化を主眼としている。実際、チャチュンサーヲ分岐点〜鉄道コンテナ・ヤード間はすでに複線化、複々線化がかなり進んでいる。

上り線に限るが、同区間には貨物専用線が用意されているのには驚かされる。また、カンボジア方面向けの東本線にはウボン・ラチャターニー方面への貨物専用バイパス路線もある。考えようによっては、今後は東本線こそ保線車両たちに相応しい活躍の場となるのかも知れない。


▲マルチプル・タイタンパー。

 


▲タイタンパー部。

 


▲人力によるタイタンパー作業。

 


▲バラスト・レギュレーター。

 


▲バラスト部。

 


 

 

 

 







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