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日本>成田新幹線計画跡

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▲二代目AE形特急電車。京成上野と成田空港を結ぶエアポート特急『スカイライナー』での運用を目的として開発された最新型だ。

 

 東京近郊〜成田空港間の高速鉄道網の歴史は1978年、京成電鉄の特急スカイライナーによって始まった。約10年の間、同社は東京〜成田空港間の鉄道輸送を独占することに成功していた。

 しかし、JR東日本がやや閉鎖的だった市場に風穴を開けることに成功する。1991年に喉から手が出るほどに欲しかった空港乗り入れ新線を開通させた。さらに、そこに特急成田エクスプレスを新たに投入することで、スカイライナーが独占していた市場の切り崩しに姿成功した。

 京成電鉄とJR東日本の間で繰り広げられる仁義なき戦いの勝負はまだ付いていない。乗客獲得競争は長期化し、先に手を抜いた方が負けるというチキンレースの様相を呈している。

 都市〜空港間の高速旅客サービスは『エアポート特急(=空港アクセス列車)』と呼ばれ、特にスカイライナーはエアポート特急史の先駆けとなった。都市〜空港間の速やかな移動は国の発展には不可欠な要素であるためか、その後、海外でも普及していくこととなる。例えば、東南アジアの発展途上国タイでも2010年に開業を果たした。

 2社の共通点はいずれも専用特急電車を投入し続けることだ。京成電鉄のスカイライナーはAE形、AE100形に続いて三世代目となる二代目AEを投入。そして、JR東日本の成田エクスプレスも253系に続いてE259系を投入している。


      ▲最新型の特急列車『E259系』を投入する二代目成田エクスプレス。神奈川県、埼玉県、千葉県、東京都の代表的な都市と成田空港を乗り換えなしで結ぶエアポート特急。

 興味深いのはスカイライナーと成田エクスプレスの軌間サイズが異なる点だ。前車が標準軌であるのに対して、後車は狭軌となっているのだ。つまり、スカイライナーは在来線でありながら新幹線と同じサイズの軌間を採用しているのだ。

 この軌間の差は車両設計上のアドバンテージとなる。スカイライナーは成田エクスプレスに比べて、モーターなど機材の配置を自由に組めるのだ。つまり、より理想に近い重量配分を採れるわけだ。

 それらの具体的な効果は、乗り心地を悪くする要素である横揺れ耐性の向上や、カーブでの高速運転時の安定性の確保、などである。

 二代目AE形が走行する成田スカイアクセスは。在来線では二例目となる時速160KM走行を可能とする『G-G信号区間』を擁する。しかし、AE形の実力はその程度ではないらしい。リミッターさえ外せば時速200KM走行も余裕という高い出力を誇るという(ただし、良好な軌道状態が必須条件となるが)。


      ▲JR東日本のE217系電車と京成AE形電車の併走シーン。京成スカイアクセス線とJR東日本成田空港支線は成田空港付近では併走する。

 そんなエアポート特急のライバル同士が併走する区間が存在する。それは成田空港手前にある高架線区間やトンネル区間だ。本来は成田新幹線計画の為に作られた高規格鉄道インフラとして建設されたものだが、成田空港を巡る大人の問題のせいで計画半ばで放棄されていた遺跡である。

 JR東日本は成田線から分岐する成田空港支線を開通させる際、基本計画が失効して放置状態にあった成田新幹線計画線を流用した。そしてそれから20年後、京成電鉄も同計画線をさらに幅広く流用することとなる。独自の空港乗り入れ線を保有していたにもかかわらず、さらなる高速輸送をさらに追求するために旧成田新幹線予定地なども利用して、乗車時間を10分程度短縮できる成田スカイアクセスを開通させた。。

 京成電鉄とJR東日本が同じ計画線にめをつけた結果、成田スカイアクセス(=京成成田空港線)とJR東日本成田空港支線は成田空港手前で併走する区間が誕生した。その区間では、運が良ければスカイライナーと成田エクスプレスの併走シーンを眺めることもできるという。


      ▲JR東日本のE259系電車と京成3050形電車の併走シーン。JR東日本成田空港支線と京成スカイアクセスは成田空港付近では併走する。




▲二代目AE形特急電車の運転台を真上から。

 



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