<前書き>
この後のお話で描写もありますが・・・。
うちのカカシ先生は四代目を手伝ってナルトを赤ん坊の頃から彼女がアカデミーに入るくらいまでは保護者みたいなことをしていました。
そのためとても大切にしています。
本当はサスケの修行になんてつきあいたくなかったけれど(ヲイ)、教育者の立場としてがんばってました。
という設定を加味して読んでいただけると読みやすいかも・・・。
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葉よ盛れ2
「……っ…!!」
全身を熱い痛みが駆け抜け、頭の奥が痺れた。
同時に口から粘りを持った血が泡となって溢れ、嘔吐に似た感覚に眩暈が起こる。
刀を中心に、装束に染みる紅は恐ろしい速さで広がっていく。
「自来也に似て甘いわね。それでよく火影が務まるものだわ」
がくりと膝をついた金の髪を見下ろして、大蛇丸は艶やかに笑む。
そして刺した太刀を引き抜こうとして手に力を込めた。
その離れていく刃身を、華奢な手が掴んだ。
俯いていた頭が上がり、金糸の間からのぞく青玉が不敵に笑む。
「…甘いのは…っあなたですよ…」
「どこか抜けているとは思っていたけど、ほんとうにおかしいようね。早くその手をはな…!」
(抜けない!?)
ギシ…ギシ…と刃身が音を立てるほどひっぱるが、微塵も抜ける気配がない。
それどころか刀から手を離すこともできない。
口元を己の血で汚した彼の笑みが濃くなる。
大蛇丸は声を荒がせた。
「貴様……何をした!」
「さあ?…ただ…の…青二才じゃないって…っ…事ですよ…」
途端、刃身を白炎が走った。
それは柄を離れない大蛇丸の手まで達し、瞬く間に彼の全身を白く覆った。
「これは…」
肉の焦げる嫌な音と、独特のにおいがした。
白炎の登場と共に柄から離れた己の手を唖然と見つめる。
白炎は今までに感じた事のないほど冷たいもので、じんわりと、だが確実に身体を燃やしていく。
「おも…しろいでしょ、それ。……よっと」
四代目はふらふらと立ち上がると、両手を柄にかけ太刀を引き抜いた。
異物が無くなったために今までそれに塞き止められていた血が一気に噴き出した。
「っ…けほっ……」
咳が何度も喉を小突くが、四代目は大蛇丸から視線を外さない。
大蛇丸は燃えるのとは違う、皮膚が泡立つぞくぞくとした感覚に目を細めた。
その様子に四代目は目を大きく開けた。
「とりあえず…術使われると厄介ですから…手、消しましょうか…」
四代目の言葉に呼応して腕の部分の炎が白さを増し、見ている目まで焼けそうなほど眩しく発光した。
「…っっ!!」
火の粉は皮膚を焼き、筋を焼き、露わになった血管に潜り、血を凍らせながらすべてを壊しーーー封じていく。
激しい痛みに思わず声が漏れる。
しだいに腕は赤黒く爛れ、力を失ってだらりと垂れた。
「手が使えなければ、印は結べない。チャクラが流れなければ術は成り立たない」
掠れた声が響いている間にすうっと太刀が消えていった。
ほらね、と白い顔で微笑むと四代目に眉宇を顰めて、自分を睨む青い目を大蛇丸は忌々しげにこちらも睨む。
「勝った…つもり…?」
再生不能なまでに燃やされた腕の炎は役目を果たしてすでに消えているが、今だ全身に飛び火したそれは苦痛を与え続けている。
手が動かない今、水遁は使えない。
この炎を消すことは出来ない。
(まずいことになったわ…)
形勢逆転だ。
「…あなたを拘束するまでは、勝ったとはいえません」
途端、白光が強くなった。
ぎりりと大蛇丸は歯を食いしばった。
「本当なら…あなたなど今すぐに殺してしまいたいですけどね」
「………」
「俺は里長ですから」
どくどくと流れる血を、ただ傷口を手で押さえつけるだけで気にも止めず射抜く眼光は異常なほどの威厳を含み、目に見えない圧力を与えてくる。
精悍な顔立ちの凄味は息をつめるほどに目映い。
自分の捨てた里を、この男は己のすべてをもって守ろうとしている。
なんと美しい出で立ちか。
(……この力といい、本当に惜しい子……)
白炎を一度ちらりと見て、大蛇丸が忌々しく息を吐き出した時、ドオン! という凄まじい地響きと、バキバキと何十本という木が薙ぎ倒される音が響き渡っ
た。
「何だ…?………!!??」
音の中心に目を向けた四代目は言葉を失った。
(あれは……)
里の領内の北部の森に白みを帯びた黄に、黒で鱗のような模様を全身に配した巨大な何かが出現していた。
それはかつて自分が対峙した九尾によく酷似していた。
確かあれは……。
そう思考することに意識が沈んだとき、ずぶりと嫌な音がして、右肩に激痛が走った。
「っ!?」
「…全く、」
慌てて振り返ると大蛇丸と自分の間に見たことのある者が立っていた。
「…薬師カブト…」
「さすが火影様。下っ端下忍なんかの僕の名前をご存じとは」
眼鏡の奥で黒い瞳が妖しく笑んだ。
「里の住民の顔と名前ぐらいちゃんと記憶してるよ」
四代目は空いてる方の手で肩に刺さったクナイを抜き取ると構えた。
すでに大蛇丸に絡みついた炎は消されてはいないが幾分か勢いが弱めらている。
自分が目を離している少しの間に、気力が欠けているとはいえ自分に気づかれずここまで来て、そして炎を抑え、自分にクナイを放った。
(音隠れのスパイって事かー。だまされっぱなしだなー)
思わず苦笑したら、喉がひきつき血の混じった咳が出た。
気力で痛みは麻痺しているので大して傷は気にならなかったが、肉体的には限界のようだ。
(ちょっと身体を張りすぎたかな)
そう反省したとき、自分を呼ぶ声が聞こえた。
「火影様!!」
屋根の上に飛んできた影が四代目を庇う位置に来て、斜けた額あてに手をかける。
四代目は妙にはしゃいだ声で話しかけた。
「やっぱ日頃の行いがいいといざって時に強いよね」
「んな事言うんなら出血多量で死なないでくださいよ。…全くどんな戦い方したらそうなるんだか」
「あっなにその言い方!! それが先生に対する物の言い方!? 俺は君をそんな子に育てた覚えはないんだけどなあ」
「火影ともあろう者が捨て身で戦ってどうすんですか! 生徒として情けないですよ」
(ある意味この人たちタフだよな)
ぎゃあぎゃあと騒ぎ合う四代目とカカシにカブトは肩をすくめると主君を振り返る。
大蛇丸は青白い顔をさらに紙のように白くしていた。
「肩を貸しなさい。…退くわ」
ふらりと立ち上がった大蛇丸を担ぐように腕をまわすと、カブトは印を結んだ。
次の瞬間ボン!という音と白い煙に、口論していた2人がそちらを振り返った頃にはすでにカブトと大蛇丸の影はなかった。
「逃がさないよ」
「おおっと、カカシストップ!」
気配を辿り、印を結び始めたカカシを四代目は止めた。
「どうせしばらく動けないだろうからほっといていい。今は里の復興が最優先だ」
ゲホゲホと咳き込み、その場にうずくまってしまいながらも里を心配する相手にカカシは眉を下げた。
「ここに来る前に医療班に声かけてきましたからもうしばらく辛抱してください」
「そう。…ちょっと無茶ししたかな。…ところで、あれ」
そう言って四代目が目で差したのは、ここからは離れているとはいえとてつもない大きさだとわかる尾獣化した我愛羅だ。
「風影君の次男坊の…確か我愛羅くんだよね?」
「おそらくは…。九尾以外の尾獣をみたことがないのでなんともいえないですが…」
「俺も一尾をみるのは初めてだけど、間違いない。尾獣化は…うーん、どうも完璧ではないようだけど、それでも相応のリスクがあるはずだ。早くなんとかしな
いと…っうわ!!」
突然響いた地響きに四代目は口を閉ざさすにはおれなかった。
地響きの規模はさきほどと同じぐらい。
反射的に森を見たカカシと四代目は驚いた声を上げた。
「ちょっ…!?」
「ブン太さん!?」
びっくりして四代目はかすむ目に力を込めた。
(頭の上に誰か居る。…先生?…いや)
蝦蟇仙人と異名をとる自分の師が、今里帰りをしている。
けれどその彼はイタチの斬った蛇の上に蝦蟇を喚び、敵を防いでるところのようだった。
そうするとーーー。
誰かわかった四代目の横で、左目を凝らしていたカカシが目を見開いた。
あの子を、見間違えるわけがない。
風にたなびく金の髪は幾千の絹糸のような、黄色と青の忍者服を纏った彼女は自分の好意を一心に集める少女に違いなかった。
「ナルト!!??」
「ここだ」
カカシが叫んだのと同時にカンカンと瓦を踏む音がして白い衣服を着た数人がわらわらと四代目を囲んだ。
「ん、イタチ、ありがとう」
「!! 火影様……無茶をなさいましたね」
白い顔でひらひら手を振る四代目をイタチは何ともいえない目をしつつ頭を下げて、放心しているカカシに訝しげに声をかけた。
「…カカシさん?」
「何で…何でナルトがあんなところにいるんだ…」
「あのねえカカシい・・」
「ちょっと火影様! 話さないでください!! 血が止まらないでしょう!」
そう医療班の人間から声が飛んだので四代目は「ああ、ごめん」とおとなしく口を閉じた。
「全く…よくこんな傷でお話ができるものです…とにかく出血がひどいですからもう動かないでください」
四代目の傷口に手をかざしていた彼はそう諫めると手の光を強くした。
その間に他が手分けして、ほぼ全身に治癒を施している。
話すな、動くな、と言われてもねえ、と四代目はカカシを見た。
「君がサスケに浮気してる間、ナルトは自来也先生に弟子入りしてたんだ。蝦蟇を口寄せしたっておかしくないよ」
「俺は浮気なんかしてません!!」
「カカシさん、論点はそこではないでしょう」
イタチのつっこみが空しく響く中、守鶴とガマブン太は、腹太鼓を叩くわ、飛ぶわと実に大規模な戦闘を始めていた。
それをしばらく見つめていた四代目は眉を顰めた。
(ナルトかなりバテてるな。呪印つけたままなのか?)
ガマブン太の頭にへばりつくようにしているナルトはかなりいっぱいいっぱいだ。
けれど、彼女としては何がなんでも一尾を止めるつもりだろう。
呪印があったとしても、きっと関係なく向かっていくはず。
だから心配なのだが。
(ブン太さん、ナルトの事気に入ってるみたいだからちゃんと守ってくれるだろうけど…)
念のため、と四代目はイタチを振り返った。
「イタチ、悪いけどナルトの援護に行ってやって。ナルトのことだからきっと大丈夫だけど…」
「はい」
頼んだよ、と笑んだ四代目にイタチは頷くと、どーん、ずどーん、ばしゃあーん!と凄まじい現場へと向かっていった。
さして疲れも見せず木の上を飛んでいく後ろ姿に、「若いっていーなー」とぼやきつつ四代目はいささか不服そうだが命令には従いそうなカカシを見上げた。
「さて、俺たちも動こうか。まず…そうだね」
すっと笑みを消し目元を引き締めた火影にカカシも気を引き締め言葉を待った。
闘技場のみならず、里の全土でいくつも戦火が上がっている。
「木の葉は最強の里だと証明してやろうじゃない」
四代目は高らかに言った。
「複雑な命令は必要ないね。…敵意の見られる忍を手加減無しにすべて片付けてくれ。俺はここにいるから何かあったら報告よろしく」
「了解」
***********
身体が鉛のように重くて、とっさに頭突きしかできなかった。
視界が割れる中、しだいに小さく見える我愛羅から砂のチャクラが消えていくのが感じられた。
(…なんとかなったってば…)
そう安堵してゆるく瞼を落とした。
守鶴の消失と同時に親分も消えて、自分がとても高いところから地面に落下しているのはわかったが、もう全身くたくたで、着地をとる気力などなかった。
だんだんと近づいてくる地面を他人事のように見つめる。
………あ…ぶつかる…っ……
そう思った瞬間、はたして全身を打ってであろう痛みは永遠に襲ってこなかった。
あれ、と閉じていた瞳を開けてナルトは驚いた。
「…イタ…チ…さん?」
自分を抱き留めている相手を見上げて出た声はとても掠れていた。
イタチは眉を顰めて、今にも再び閉じてしまいそうな青い瞳を静かに怒る。
「……無理を…しすぎだ」
抱きしめたまま自分に寄りかかれるように肩を抱くと、イタチはナルトの左手首に巻かれた布を解いた。
そこには呪印がくっきりと紋様を見せている。
呪印が解かれていない証しだ。
ナルトに施された呪印は、ただ漠然と彼女のチャクラを塞き止める。
術は両手で印を結ぶことで初めて形になるもの。
左右の手から放出されるチャクラのバランスが悪ければ術の発動スピードも遅くなるし、正確性にも欠ける。
ナルトの場合、左手からのチャクラの流れが呪印で異常に少なくなるためにそれを補おうと右手に力が集中、チャクラも必要以上に消費という効率の悪い事態が
起こる。
そのためいくらナルトのチャクラスタミナが常人の数十倍だといってもとてもバテやすいのだ。
故に、呪印をつけた状態でチャクラの限界を迎えるのは非常に危険だというのに、彼女は呪印を解除せずに守鶴と戦った。
それは自殺行為に等しい。
よくよく見ると、彼女は身体能力を抑えるための負荷装備もつけたままだ。
今解いた布にはずしりとイタチでも重く感じるシート状の砂重りがはさまっているし、きっと彼女の右手、両足にも似たような負荷装備を付けているだろう。
暗部での任務を終えた時、彼女が着替えたついでに装備を付けている場面は何度も見ているのでそれに違いはないのだが…。
これでは彼女の俊敏さの真価の数分の一も発揮できはしない。
イタチは唇を噛みしめた。
「……お前は…どうして…」
自分を省みずに他人のために命を懸けるのだ。
そう見つめるイタチに、ナルトはゆっくりと微笑んだ。
「…守りた…いからに…」
仲間だけでなく里の人みんなを守りたい。
「私は…火影に…なるんだから…」
にししと笑うナルトにイタチは苦笑した。
「…全く敵わないな…」
でも、もう少し心配するこっちのことも考えてくれ、と汗と血で額に張り付いた髪をどけてやりながらつぶやいて、イタチはふと数メートル離れた所に倒れてい
る少年を見やった。
先ほど暴れていた狂気が嘘のように静まっている。
イタチにつられてナルトも目だけを動かして様子を見た。
彼は落下しながらも砂が周りを取り巻いていたので地面に直撃はしていないはずだ。
我愛羅は仰向けに倒れ、うすく目を開いてただ空を見ている。
その空は、戦いとは無縁にどこまでも青く澄んでいる。
それと同じ色彩の目を一瞬歪めると、ナルトはイタチを呼んだ。
「あいつのとこに…つれてってほしいってば…」
「ナルト?」
訝しげに細められる漆黒の双眸をナルトは無言でじっと見返した。
何秒か後、イタチはため息をこぼした。
「…わかった」
ナルトを抱き上げると戦意の欠片も残っていないような我愛羅のそばにナルトを降ろした。
ちょこんと座ったナルトの気配に気づいて、けれどじろりと我愛羅は彼女を睨んだ。
「…なんだ…」
「…………」
ナルトは答えない。
無表情に我愛羅を見つめるばかりだ。
「おい…」
ナルトの不可解な行動に声を荒がせると、ナルトの表情が動いた。
花が綻ぶようにやわらかい笑みを我愛羅に向ける。
「また、私と戦ってほしいってばよ。敵としてとかじゃなくて修行の一環っつーか…お前強いから組み手の相手とかしてくれるだけでいいからさ!」
我愛羅の双眸が微かに見開かれる。
「何だ…それは…」
「とにかくまた会おうってば。サクラちゃんとサスケにも会ってほしい。木の葉と砂がぐちゃぐちゃしてんだなってよくわかったけど…このままごたごたで済ま
せるのはよくないってばよ」
な?と大きな瞳が輝く。
ツキン、と胸の奥が痛んだ気がして、我愛羅は押し黙ってしまった。
面食らったというほうが正しいかもしれない。
「お前は…何を言っている?」
こんなのは嘘だと今までの経験が告げるが彼女の青い瞳の真剣さがそれを揺るがせる。
「このままお前と会えなくなるのは駄目だと思うんだってばよ。だから、ちゃんと話せる時間がほしいというか…その…」
ナルトの寂しそうな弱々しい声にまた胸が痛んだ。
期待している自分がいる。
これは…受け入れていいのだろうか…?
何年も忘れて…考えないようにしていた感情だった。
けれど、
(…受け入れたい…)
彼女のみせてくれた、あの笑みに、偽りなど感じなかったから。
知らず自分の唇が動くのを感じたが嫌じゃなかった。
「…わかった…」
「えっほんとだってば!?」
「…ああ」
反射的かもしれなかったが、我愛羅は不思議と心が落ち着いているのに気づいた。
この痛みは不快じゃない。
そう我愛羅が胸を押さえて瞳を閉じた時だった。
「我愛羅!!?」
がさりと音をさせて木々の間からテマリとカンクロウが現れた。
二人は一瞬ナルトとイタチの存在に息を呑んだようだったが、イタチがナルトを抱き上げて我愛羅から離れたまま動きがないのを感じ取ると、我愛羅をつれて再
び木々の中に消えてしまった。
「ナルト」
完全にテマリたちの気配がなくなってからイタチが声をかけると、彼女は「降りて良い?」とふらふらと身体に力を入れた。
「もう動けるのか?」
「しばらくじっとしてたから」
そうか、と降ろせば、ナルトはちゃんと自分の足で歩けるほどになっていた。
そして「さて!」と仲間がいるであろう方へと顔を向けた。
「サクラちゃんとサスケとパックンを迎えに行くってばよ!」
さすがに疲れは隠しきれていないが、それでもまばゆい笑顔に、イタチは苦笑した。
(敵わないな…)
イタチはその小さい背中の後を追った。
***********
枝を離れた葉は風に乗って、遠くどこまでも飛んでいく。
ときにひらりとまわってはどんどん飛んでいく。
火の意志は生きている。
そうして育っていく。
四代目は空の眩しさに目を細めながらも、遙か続く天を見た。
「木の葉はそう簡単になくならないよ」
火の粉となって。
火花となって。
そうしてすべてを大きく包む炎となって。
それに、もし火の意志はもし消えたとしても、すぐに誰かがつけてくれる。
自分が育った里、受け継いだものは、そういう誇りだ。
(ねえ、あの子は自分の力で里を守ったよ…)
どれだけ里の者に蔑まれても、彼女は自分を信じて、がんばってーーーー。
今日、彼女は間違いなく英雄になった。
きっとそれは里に伝わる。
伝わってほしい。
少しでも、何かが変わってほしい。
いや、変わるよね。
四代目は、晴れ渡る空に、そっと微笑んだ。
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