野球の神様は「代逆満サH」がお好き

2001 年 9月

キン!満塁アーチスト藤井が力強くボールをとらえた瞬間、ライトスタンドではあちこちで傘が宙に舞い、すっころがって飛んで行く。降りしきる雨を弾き飛ばしながら、シュイーンとこちらに舞い上がる”藤井の放物線”!!「ウソやろこれ?」何日か前に同じセリフを叫んだことを思い出しながら、スタンドにボールが当たる「ゴツン」という音を確かめる。なんだか笑いが止まらない。まわりでは、さすがに雨で常連も少ないBW殉教者たちが、ただただ笑い呆けていた!はい、皆さんご一緒にぃー。「代打っ逆転っ満塁っサヨナラっホームラーンっ」。ほんまかいなー。

■ぞぞぞ、とはしたけれど

なんせ朝から雨。予報では、「あめーあめーふるーふるーもっとふるー」。。
前みたいに「行ったけど中止」はやだなー、と思いながらも。
結局GS神戸に吸い寄せられる、私。

私のコラムを知ってか知らずか、駐車場の係員は大きな声で
「中止でも料金はお返しできませんからっ」。
こういう罠なのか?

しかし延々雨に降られながらも、試合は無事に消化(文字通り)され。。
6−3で負けたまま、9回裏2アウト、ランナーなし、まで来たわけだ。

3点のビハインド。
ビティエロの平凡なライトフライが上がったときは、実はほっとした。
雨だし寒いし、早くトイレに行って帰りたかったんだよー、僕ってものはー。

しかし。
なぜかマリーンズのセカンドとライトが譲り合って、ボールがぽとり。
おまけに勇敢に尿意と戦う私を尻目に、大島と葛城が右へ左へヒット!
満塁。まんるいー?

その瞬間、私の体を下から上へ走った、”ぞぞぞ” は「尿意」か「お告げ」か?
帰り支度を始めていたライトスタンドが、騒然としてくる。

代打藤井のコールで、スタンドは「お”ぉ”ーっ」。。
期待と「まさかねー」の入り混じった、濁音付きのどよめき。
気づけば、みんな立ち上がってる。雨合羽着てね。

「康雄さーん」コールを受けて、なんだか自信たっぷりの藤井が打席に入る。
(なぜかひっそり1塁には代走、田口)
そして。

起こっちゃったんだよねー、それが。

この日はドイツで「オバケのQ太郎」が飛ばずに走って世界新を出したり、
アメリカではうちの卒業生が「靴も買えないジョー」の記録を破ったり、
東京では「集団号泣大会」があったり。。

とても藤井の「代逆満サH」が話題になる余地は、なかった。

でも、こういうのがたまらない。
雨が降りしきるスタジアムで、数千人だけがひそやかに目撃するドラマ。
マイナー指向というなかれ。
これがスポーツのリアリティってもんだろ。

この日の寒さと温かいラーメンの味と、康雄さんのヒーローインタビュー。
「選手は最後の試合が終わるまで一生懸命です!」
私の深ーい部分に刻み込まれた、一日であった。

いまだに別格の人気を保ちつづける「康雄さん」!
また男を上げたな。グッズ買っておこうかな?
来年も。。?

さて、家に帰ってビデオで確認したのだが、
監督は、本塁前で藤井を出迎えたときに、たった一言
「満塁。」
と言って、く、く、く、と笑っていた。

■嘆きのマリーンズファン

いやー、藤井のインタビューが終わっても、”ぞぞぞ”が抜けないや。
じゃなくて。
トイレに行きたいんだったー。

駆け込んだトイレで私は「ぎゃっ」!

人間大のゴキブリが、ぶつぶついいながら一斉に用を足しているのだ!
な。な。な。

そのときトイレには、肩を落としたマリーンズファンが”ずらーっ”。
黒ジャージ軍団が、いっせいに力なく便器にもたれかかるように並んでいる。
口々に、
「9回2アウト。。」「あぁー」「小林が。。」「あぁー」。。

中には用を足しながら、壁に額を押し付けて”うめいている”人も。。

びっくりするっちうねん。

しかし思えば、今日は「Bクラス頂上決戦」!
雨でもBW以上に集合している応援団には、ちと気の毒ではあった。

おまけに、7回の「さぁ、マリーンズファンの方は応援してください」で流れたのが、
「ライオンズの応援歌!」
これには、マリーンズファンまでもが爆笑であったが、失礼な話。(すぐ止まったけど)

こんな日でも、反省会、するんですか?

■リョータの驚き、パナ久保の心配

9/29の試合での2ホーマーの活躍に続いて、この日も逆転タイムリー。
相川リョータの最終コーナー・アピールには、みんなが「びっくり」「どうしたん?」。
右だし長打力あるし、来年が楽しみだわー。

このアピール、新監督に届いているのかな?
メジャーばっかり見てないで、うちの若いのも見てやってくださいね。

ちょっとショックなのがパナソニック大久保。
この日はオグちゃんの久しぶりの勝ち星を消すどころか、”琴光喜”初芝に手痛い一発。
例の北川ショックを払拭しようという、この日の登板も裏目であった。。

悪いイメージでシーズンを終えるのは、ちょっとかわいそう。
やっぱり疲れだろうな。あれだけフル回転するとなー。

ちょっと平井がカブって見えちゃって、心配なのだ。

■ここから先、”徳光さん”は読まないように

さて、家に帰るとテレビですごいものが。。
久しぶりに巨人の中継見たんですがね。。
最終回、わざと三振する横浜の選手(小川のヘタクソ!)を見て愕然としましたな。

試合後のほうが皆さんお目当てだったようで。。
なんだーこのライティングは、音楽は!
あのまま長嶋監督が空に吸い上げられて、「巨人の星」に帰るんじゃないの?

だからドームは嫌なんだよーっていうか、
あれはもう、野球にまつわるイベントとは思いたくないです。
長嶋の偉大さは認めますが、ああいうメンタリティはもう時代と「ずれまくり」。

はっきり言って「辞めさす監督」のセレモニーなんだろ?これ。
試合中から、総動員のタイコ持ち解説者は泣くは、懐かしのシーンは流れるは。。
これじゃぁ、「新長嶋教」の誕生式典じゃん。

また原がなー。。
長嶋を引き立てる役者みたいなパフォーマンスやなぁ、あれ。
ふっるーい健全なドラマ見てるみたい。。

「永遠に、監督は長島さんです!」って、怖い発言やと思うけどな。
しかし「チャンスにファールフライ」の原が、監督ぅ?

大巨人軍って、「野球チーム」なんて生易しいものじゃないんだね。
野球を超えちゃってるよ、あれ。秋の特番だわ。
スタンドの号泣者たちの統率もお見事で。。
怖いッす。

ところで。
原が、引退する3選手を「あだ名」で呼びかけるところで。
斉藤のことを、「清六」って言いましたよね。

あれ聞いて私は、「泣いて」笑いました。

斉藤清六もどこかで、「泣いて」笑ってるでしょうなぁ。

 

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