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とまどいの声もある。谷外野手はこう言う。
「5回終了後に使いましたけど、ちょっと落ち着きませんねぇ。
もう少し個室の数も増やしてもらわないと。。」
マスコミからの相次ぐ同じ質問にはうんざりした様子で、
「名前とか、言えるわけないじゃないですか。
こっちはマジで命がかかってるんですからねぇ」。。
政府は個人のプライバシーは守られると明言しているが、やはり旧来のモラルに引きずられる選手もいる。
たとえば妻帯者の大島内野手に言わせれば、
「やっぱり女房のことは気になりますよ。おもしろくないでしょう。
でも我々プロですから、そういうことでは選びませんし。
一番自分の力が出る形で。。ええ。あんまり背が高い人は。。」
若い独身代表として、大久保投手にも聞いてみよう。
「うーん。それはお互い詮索はしませんし、嗜好もありますから。
でも正直言って、生活の匂いはもちこまないでほしいですね」
暗に配偶者を選んだ選手もいたことを、示唆してくれた。
絶対に秘密と教えてもらったその選手の成績は、ノーヒット。
この結果だけでどうこうはいえないが、疑問の残る点ではある。
今後の運用において、教訓になろう。
それでも大久保のような、高給取りの独身はいい。
たとえ金銭が介在したとしても、常に最高の環境を構築できるからだ。
その点、駆け出しのルーキーはどう思っているのか、
いやがる後藤内野手に無理を言って、コメントをもらった。
「え?僕は使いませんでしたよ。そんな身分じゃないです。
制度はあっても、別にチームがあてがうわけじゃないですからねぇ。
なんか安価で国が派遣してくれるサービスもあるそうなんですけど、 ちょっと。。ねぇ。やっぱ、ステイタスってところもありますから」
しかしプロ野球選手という職場では、運用しにくい面もあるようだ。
目的が果たせず、裏目に出たケースもある。嘉勢投手はこう語る。
「まいったでー。時間足らんっちうねん。
さぁこれからが、ちうときに、コーチに呼ばれて。
そんな、まさか先発が4回もたへんとは思ってへんがな。
景気付けのつもりが寸止めでなー。そら、むしろ悪影響やで」
細かい問題はこれからの課題としても、選手は一様に「いい制度」だという印象では一致しているようだ。今後は、それぞれ個人が有効活用方法を模索していくしかない、ということだけは我々一般社会にも共通したテーマであろう。
表向きは全面解禁でも、旧態依然とした一般企業の中には暗黙の禁止を社員に促しているケースもあると聞く。各労働組合も話が話だけに及び腰、という現状があるようだが、個人の権利として正当に主張していく姿勢が求められよう。
いずれにせよ、日本が先進国として生き残るための「最後の改革」と言われるこの解禁により、「各分野での一段の生産性向上が望めないなら、この社会に未来はない」と言い切る専門家もいる。
解禁の効果が現われるのは、数ヵ月後だろうか。
この解禁が遅きに失した、という声もある。
石毛監督の、この叫びでレポートを締めくくりたい。
「いいねー。絶対にいいよ。俺は毎日、変えるよ。毎日な。
なんにせよ、俺の選手時代に解禁されてれば、と痛切に思うよ。
昔はなー、その結果が結婚だからなー。そのたんびになー。
毎日嫁さん代えた結果がこれだよ。財布、からっぽなんだよ」