気になる鳥越
(2001 年 4 月)

押しも押されぬパ・リーグ優勝候補、ホークスがGS神戸にやってきた。優勝を争う(つもりの)相手をチェックせずにはおれないだろう、というわけで4/13-15の3連戦に注目してみた。最初の2試合はちゃんとこの目で確認してきた私である。連日、NFLのスコアみたいになっちゃったにぎやかな3連戦であったが、以下にレポートをお届けする。                                                           

■13(金)

・いきなり鳥越

 この日はエグゼクティブ・シート(ネット裏)での観戦。もちろん、エグゼじゃない私、チケットはいただきものである。選手が近い近い。さっそくネットにへばりつく。そして、ちょうどこちら向きにトスバッティングをしているホークス鳥越が、いきなり私の心をとらえたのである。

 帽子をかぶっていない鳥越ってちょっと野球選手には見えない。茶髪やスポーツ刈りの選手が多い中、彼はどこぞの坊ちゃん風の七三分けで、お公家さん風のルックスとすらりとした体が、なんかすごーく野球選手らしくないっ。そして、彼のしゃべることしゃべることー。隣で鋭くトスバッティングをする林に向かって、「うわー。いい音っすねー。そういう音さしたいっすよねー。パワーの違いかなー。すごいっすよねー。」と”よいしょ”しまくるのだ。確かに彼のトスバッティングはあんまりいい音がしない。それでも彼は「だっめだなー。ま、いいっかー」とか言いながら、ひらひらとどこかに行ってしまい、またそこで誰かを相手におどけている。

 選手年鑑によると「ムードメーカー」とあるが、なんかそれより「タイコ持ち」といったほうがぴったりのようなそのキャラに打ちのめされる私であった。ホークス恐るべし。しかし鳥越の名前はスタメンにはなかった。。

・血の気多いぞ城島

  ブルーウェーブの先発は、いつも小気味いい戸叶。ポケットにボールを2、3個隠しているんじゃないか?と思わせる、キャッチャーからボールが戻される前にもう投げてるってテンポの「前のめりマルチボール投法」により、序盤はホークスも沈黙。

 しかし、その後のホークス大噴火の前触れが、城島への死球であったのだ。はっきり言って「ふんわり」した変化球だし、頭の高さでもなかったのに、火の出るように怒った城島。くーっ血の気多いぞ。。その怒りはセカンドへの滑り込みに込められ(アウト)、BWのセカンド大島が昏倒。大島は昏倒ばかりしているが、ファンからの「小ちゃん(ちいちゃん)がんばれー」の声で起き上がる。誰がつけたが知らないが、放送コードぎりぎりのニックネームといえよう。両軍選手が「え?まじでー?」ととまどいながらだらだらグラウンドに出てくる、日本一だらしない「乱闘もどき」を見ることができた。

 それにしてもこの城島の気の荒さ。。ブルーウェーブにも少し分けてほしい気がしたのだ。まぁ城島さん、5回終了後の季節はずれの花火でも見て機嫌を直してくださいよー。(直らなかったようだが)

・あぁ野ざらし木村

 結果的に18点!も取られたBW投手陣であるが、きっかけはちょっとした守備の乱れであったことが残念だ。いずれにせよホールドできるリリーフがいない弱点をさらけ出してしまった。中でも木村はひどすぎ。いつものようにフォークがワンバウンドしないのでいやな予感がしたのだが、何を投げても”打ち頃でーす”、という投球で、球場の縮尺がおかしくなったのではないの?と思わせるくらい、いとも簡単にホームランを打たれること打たれることー(どんどーん)。。

 そのたびに気の毒なくらい打ちひしがれる木村。。でも代えてもらえないのだ。アリアスも守りながら欠伸すんなよなー。

 結果的にこの試合の見出しになった「怒れる城島の3連発」であるが、いずれもほとんど試合が壊れた後のホームランだったので、「うっひょー」と気持ちよく見れた。それにしても木村は、明日からサーパス神戸だろうか?

 さて、3本目の城島のホームランのときに塁上にいたのは、やっと代走で出場した鳥越であったのだが、ホームで城島を迎えた彼が、ありったけのおべんちゃらを浴びせ掛けていたのは言うまでもない。私にとっては今日の試合のハイライト・シーンであった。

・ラジオに沈黙?!

 変な名前である。「BW打線、ラジオに沈黙」って、事情を知らない人はなんと思うだろう?ラジオで沈黙されたら、聞いている人はどうすればいいのだ?

 とにかくブルーウェーブ「半端じゃない」大敗、としか言いようがないこの試合、「今日はこれぐらいにしといたろ」とお約束の捨て台詞を残し、引き上げることにする。

 やっぱしホークスの打線ってすんごいわ。

■14(土)

・またいきなり鳥越

 今日はデーゲーム。身分相応の外野「二等席」での観戦である。

 球場につくなり私を待っていたのは、またまた鳥越ワールド!外野でダッシュなどをしていた彼は、相変わらずチームメートになにやら「っすよねー」風のおべんちゃらを「口の渇く間もない」というかんじで垂れ流していたが、ある選手が反射的に打撃練習の打球を好捕したのを見て、ここぞとばかり大げさにバチバチ拍手。「ナイスキャーッチ、ナイスキャーッチ。うまいうまーいっ」という彼の嬌声が外野席にむなしくこだまし、またまた私を感服させる鳥越であった。

 試合では出番なし。レギュラーの背番号(6)が泣いてるよん。

・進藤先生、お願いします

 この試合はこの男の一振りに尽きるであろう。ブルーウェーブの勝利を決めた先制3ランは、「昨日と今日は、違う日でござんす」とホークスに思わせるに充分なものであった。

 進藤って、試合前にベンチから出てくるときからトレードマークのガムをくっちゃらくっちゃら噛んでて、まぶしそうな顔でスタンドを見回す顔が、なんか「大人」だ。相変わらず変なたとえだが、「仕方なく社員旅行についてきた、一匹狼営業マン」みたいなのだ。谷と田口がいまだに学生みたいに「きゃっきゃ」とキャッチボールをしている横で、「さて。仕事でもすっかー」みたいにひとりで体をほぐす進藤はかっこいい。時代劇で「先生っ」と呼ばれて出てくる剣客みたいだ。

・時代劇トリオ

 ぶんぶら振り回すホークス打線を翻弄した、加藤のピッチングが痛快だった。なんと言っても投手で背番号1である。戦国武将のようなヒゲが凛々しいぞ。今年はやってくれる。

 そして貴重な追加点のタイムリーを放った、藤立。この「昔の近鉄」という鎧をかぶったような体形の、不屈の戦士。彼がかもし出す存在感は、アジアのグラディエーターだ。ラッセル・苦労(人)だー。

 このふたりに進藤を加えた、経験豊かな3人組からは、今までのブルーウェーブにはない、足が地に付いたしたたかさを感じさせる。「時代劇トリオ」と勝手に呼ばせてもらう。

 とにかく1勝はできたブルーウェーブ。安心して引き上げるとしよう。誰もが見過ごしたであろう、代走田中のわけわかんないホームスチールはなんだったの?という疑問は忘れて。アウトにした城島はボールをグラウンドに叩きつけていた。また怒ってるー。

■15(日)

・まいどまいど鳥越

 この日はテレビ観戦。テレビをつけた途端、けん制死する鳥越が目に飛び込んできた。せっかくスタメンなのにー。あ、コーチになんか言ってる。きっと「もうしわけないっす、もうしわけないっす」とか言ってるに違いない。しかし、次打席では見事にタイムリーヒットを打った。こういうときにベンチに帰ってきてどんなことを言ってるのかが、聞きたい。くーっ。聞きたいー。

・これが平井?

 ゲームは一方的なホークスの勝利。昨日もそうだったが、敵地なのにブルーウェーブファンより多くつめかけたホークスファンが大騒ぎー、な日であった。試合後も駅前の噴水で暴れるであろうホークスファン。その熱気がうらやましくないことはないが、君ら着てるもんが黒いから、なんか怖いぞ。

 リードされたときのリリーフ陣が、ちょっとさびしいBWである。これが課題だ。僅差であれば嘉勢→山口→ク・デソンでなんとか期待も持てるのだが、今の現状では他の投手が出てくると、顔を覆った手の指の隙間から試合を見るしかない。

 それにしても平井の投げ方はどうなっちゃったのか?スリークォーターといえば聞こえはいいが、なにやら女の子投げみたいに見えるぞ。これはセクハラ表現なのか?鮮烈なデビュー時の印象が誰の頭からも消えないので気の毒ではあるが、なんか山口高志の晩年を思わせるのが痛々しい。どうでもいいことだが、その昔、西宮球場で山口高志の結果的には最後の登板に居合わせた私だ。そのとき滅多打ちされた彼に、「もう引退じゃー」と叫んだことをいまだに後悔している。次の日の新聞に「引退を決意」って出ていたんだもん。平井頑張れ。


 破壊的な打線に血の気の多い城島、そして「しゃべり続ける鳥越」。。。ホークスの強さの秘密を見た3連戦であった。あの打線を抑えるのは大変だから、とりあえず鳥越を黙らせたいのだが、

 彼のファンになりかけている私がここにいる。

 

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