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東京を中心とした首都圏は、今日も継続的に拡大している。 しかし一方で、山手線の駅から一時間以上の圏内への拡大は緩やかで、 近年では都心部の再開発・旧住宅街の高層化を中心とした再編成が進んでいる。 山手線で囲まれる地域を都心部と暫定的に定義すると、 都心部から特別料金なし・乗り換えなしで 電車の本数もそこそこに移動できる範囲は、 東方には千葉・成田、南方には小田原、西方には八王子・青梅、 北西方には高崎、北方には宇都宮、北東方には土浦である。 しかし前述の一時間圏から考える場合、 東京からして関東平野は北に広がっているので、 北関東への通勤圏の拡大には現在のところ限界がある。 首都圏の中心は都心部であり、 政治・経済・文化など生活のあらゆる分野について 高度な有形・無形の蓄積がある。 しかし都心部から一時間以上の北関東においては、 都心部への往来について不利であることは否めない。 逆に言えば、都心部から一時間以上の範囲においては、 東京と同じような構造を有する魅力的な都市圏を形成する可能性が 残されている、ということになる。 先ごろ道州制の計画案が示されたが、 その案の中には北関東をひとつの州とするものが存在する。 これは政治的な区画の案であるが、 政治的な事象が経済や文化などの他分野と 強い相互影響関係にあることは言うまでもない。 大きな可能性を秘めた都市圏の飛躍的かつ健全な成長のために、 事前に大きな計画をよく練っておくことは大変有意義なはずである。 以下の計画は、専門家でない素人ではあるが、 北関東経済圏について考えついたことを書き溜めたものである。 |
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北関東を見た場合、 高崎・前橋・伊勢崎・桐生・足利・太田・ 小山・宇都宮・水戸・日立など、 既に或る程度の都市基盤と人口集中を有している中都市が成立している。 近年これらの諸都市において、市町村再編に伴い、 再開発計画に基づく区画整理が行われている。 北関東に新しい都市圏を設定する場合に、新首都計画の場合のように、 まったく何もない地域に新たな都市圏を設定して人口の集中を期待するよりは、 これらの諸都市のうちいくつかを連結する形で都市圏を設定して、 社会資本の整備を計画したほうが、 再開発費用が高くなったとしても政治的にも経済的にも満足度の高い結果が 得られると考えられる。 地域住民の住居移動が少なくて済み、区画設定に伴う新たな政争の発生を抑え、 既存の社会資本を或る程度利用できる。
北関東において都市雇用圏と算定される範囲の中心都市は、
右のとおりである。
都市雇用圏を新都市圏の要素とするのは、
通勤による定期的な鉄道利用人口が期待できるという理由による。 |
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| 都市雇用圏名称 都市雇用圏人口 (人口集中地区人口) | |00km
|鉄道有 | | |(00km) |鉄道無 | | 黒磯 85,713 (20,089) | \(13km) | ||||||||||
| -100,000 | 100,000- -150,000 | 150,000- -200,000 | 200,000- -300,000 | 300,000- | |
|22km | | 大田原 122,127 (13,989) | ||||||||
| 矢板 36,444 (11,588) | /(12km) \32km | |||||||||||||
| 沼田 86,121 (22,688) | \29km | 24km/
| 宇都宮 888,005 | \(19km) | ||||||||||
10km/
| 前橋 458,996 (204,541) | -(25km)- 16km/
| 桐生 185,540 (88,575) | \15km | 16km/
| 栃木 133,058 | |
|29km | | 真岡 107,175 (23,913) | ||||||
26km/
| 高崎 532,271 (171,141) | 13km\ -(19km)- | 伊勢崎 194,232 (68,656) | -(26km)- 8km/
| 足利 163,066 (94,700) | - 12km - | 佐野 145,194 (40,710) | 11km\ -(21km)- | 小山 245,698 (75,948) | /(26km)| 17km| | | 32km/
| 日立 377,592 (168,929) | ||
| 富岡 83,570 (13,832) | 20km\ | 太田 288,046 (82,866) | 12km\ | 館林 106,033 (37,913) | /14km | 16km\ | 下館 98,261 (12,929) | - 50km - \(33km)
| 水戸 660,683 (164,587) | \56km | ||||
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|34km | | つくば 土浦 555,178 | /52km | 鹿嶋 105,274 (15,264) | \29km
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| 水海道 81,145 (12,785) | /(20km) | 波崎 39,051 (10,925) | ||||||||||||
上の図から、より大規模な新都市圏の中核となりうる都市雇用圏は、 群馬県南部の前橋・高崎、栃木県の宇都宮、 そして茨城県沿岸部の土浦・水戸・日立、の3地域である。
まず茨城県沿岸部地域は、核となる都市雇用圏が互いに遠く離れており、 配置も直線状で、すべてJR東日本常磐線沿線である。 したがって、環状鉄道建設にはじまる新都心形成には向いておらず、 南北に長い沿岸先端産業地域に適している。 既に原子力発電所を擁し、 茨城百里空港・那珂湊・鹿島港、および成田空港に比較的近い点が有利である。
次に栃木県宇都宮都市圏、および近接する小山都市圏については、 周辺の中規模都市圏があまり大きくなく、 宇都宮と小山もJR東日本宇都宮線により直線状に連結されている。 したがって、宇都宮と小山を繋ぐ宇都宮線を軸とした都市帯、 或いは既に鉄道によって連結されている栃木を含めた三角地帯の核形成が、 可能性として考えられる。 特に宇都宮は単独で巨大な都市圏を形成しており、 この中核が徐々に拡大していく方向に開発を行うことは自然である。 後背には世界遺産日光が控え、 宇都宮・小山間には国分寺跡・薬師寺跡・茶臼山古墳などが散在しており、 北方には大谷磨崖仏も残っており、 栃木の古い街並み、および日光江戸村や温泉地にも恵まれていて、 文化都心としての存在感を前面に押し出すことが可能である。
これに対して群馬県南部の諸都市圏については、 前橋・高崎・太田を中心として、周囲にはそこそこの中規模都市圏があり、 配置も環状になっているので、 環状鉄道の運行による多核都心の形成が有利である。 この地域の特色としては、すでに東日本旅客鉄道、上毛鉄道、 東武鉄道によって、かなり密な鉄道交通網が形成されている点が挙げられる。 また、内陸に位置し、関東地方と北陸地方を結ぶ中継地点として要衝である。 反面、海洋沿岸部に最も遠く位置しているという点は無視することができない。 北関東全体から見ても、最も西南に位置しており、 距離があるため北関東全体との連絡と連携については困難が予想される。
群馬県南部諸都市の環状鉄道運行は、次の2通りが考えられる。
1. 高崎・前橋・伊勢崎環状鉄道
2. 伊勢崎・桐生・足利・太田環状鉄道
地域の特色の数々に留意しながら、
この2通りの計画について検討する。
都心部では定時制をかなりの精度で確保している鉄道交通網が重要な意義を持ち、 東京においては特に山手線が、その内外での地価・家賃相場・物価の差などで明確な境界線であり、円形循環線という形状からも都心部の交通の中心的な位置を占めている。 新都市圏の計画に当たっては、 山手線のような循環線の建設をひとつの検討課題としつつ、 それに相当する都市圏中心部の規模を決定する要素として、 山手線を参考とすることが重要である。
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都心部の都市配置を考えた場合、 山手線の建設が都市の形成よりも先行したという史実はあるにせよ、 東京・秋葉原・上野・池袋・新宿・原宿・渋谷・品川というように、 大きな商業都市が山手線の線上に形成されていることは注目に値する。 それらの駅が近郊鉄道の終着駅として大きな集客力を発揮しているのである。
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まず、伊勢崎・高崎間のJR両毛線の路線を借用する、 第二種鉄道事業を考える。 線路使用料は、第一種鉄道事業者との協議によるが、 JR東西線(12.5km)の線路使用料は年額138億円、 東北新幹線並行在来線 八戸・目時駅間(25.9km)の線路使用料試算は、 年額1億8000万円である。
次に、鉄道未設の高崎・伊勢崎間を考える。
地下鉄方式の場合、地下鉄の建設費用は高い。
東京地下鉄副都心線の建設費用は2500億円。
ミニ地下鉄として建設費用を抑えた都営大江戸線でも、
建設費用は、 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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