第1回シンポジウムのアピ−ル



「ハケの山」の保全と公有地化を要望するアピール

 埼玉県朝霞市朝志ケ丘の通称「ハケの山」は、現在残っているだけでも5万m2を超える、県南部有数の広大な平地林です。この林は多種多様な樹種からなり、都会地にありながら野鳥・昆虫・小型動物など多くの生き物が生活しています。地域の市民が散策やジョギングなどで憩い、子供たちが自然の中で思いきり飛び回れる遊び場として、この「ハケの山」は地域の住民にも長い間親しまれてきました。
 ところが、この土地の大半を所有する地権者の相続が昨年発生し、「ハケの山」のおよそ半分にあたる2万5千m2あまりが開発の危機にさらされています。私たちもその事態に対して、地権者にお願いして樹木の植生調査をし、相続税に苦慮する地権者への配慮もしながら、朝霞市に対して善処をお願いしてきました。朝霞市は公有地拡大法に基づき当該地を全面的に買収すべく地権者との協議に入りましたが、残念ながらギリギリの所で、マンション業者が朝霞市の買収額をはるかに上回る高額を提示し、9月にこの業者へ所有権が移転してしまいました。
 すでに朝霞市は現在、業者とのマンション建設における事前交渉に入っています。しかし、私たちはこれであきらめるわけにはいきません。このハケの山周辺に住む地域の市民はもちろん、この雑木林に棲む多くの生き物たちは、ほんのひとにぎりの人たちが推し進めている樹木伐採やマンション建設計画など、まったく知らぬまま、今までどおりの静かな生活をおくっています。
 そもそも歴史ある雑木林は、一部の人たちの責任であがなえるものではありません。その形成の経緯を考えても、現時点での所有者である不動産業者が、雑木林の存続を支配することはまさに自然への冒涜です。たとえ、私有地であっても、緑地の保護・保全は朝霞市でも緊急の課題です。「ハケの山」は、埼玉県南部にのこる貴重な平地林として、朝霞市民はもとより埼玉県民の宝です。この地を次代の子どもたちに残す責務が私たち大人にはあるのではないでしょうか。朝霞市はこの「ハケの山」を買収するという当初の強い意志を簡単に捨てることなく、埼玉県への協力要請をするべきと考えます。また、埼玉県は主導的な立場で、朝霞市とともにこの「ハケの山」の保護・保全のために協力していただきたいと思います。
 私たちは市民の貴重な財産として、この「ハケの山」保護・保全を本集会で強くアピールします。
2001年11月11日


朝霞市 雑木林を守るシンポジウム参加者 一同