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1.ドラグの基礎知識
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一般的に使われている、フロントドラグスピニングリールを前提とします。通常のスピニングリールには、ドラグという糸出し機構が装備されています。
これは言わずもがな、予め設定した強さ以上の負荷が掛かったら糸を送り出し、ラインブレイク(糸切れ)を防ぐ機構です。
海の超大物専用の大型スピニングを除き、一般的な中〜小型スピニングにはフェルト製のドラグワッシャーと、
金属製のワッシャーの組み合わせでドラグを構成しています。
最近のルアー用スピニングでは、「シングルワッシャー」を採用しているものが多いです。
これはフェルトワッシャーを1枚だけ使用したドラグで、滑り出しの良さや微調整のしやすさを重視しています。
その代わり締め付け力が弱いので、最大ドラグ力はせいぜい3kg程度となります。「バス用」となっているリールにはこのタイプが多いです。
シングルワッシャーに対して「マルチワッシャー」のタイプもあります。
こちらはその名の通りフェルトワッシャーを複数枚使用し、最大ドラグ力が強化されていて、同サイズであれば1.5〜2倍程度の最大ドラグ力になっています。
しかしシングルワッシャーとは逆に、低テンション域での滑り出しや微調整が若干苦手です。
こちらはより太いラインに対応できるため、シーバス(スズキ)用やライトジギング用のリールに使われていることが多いです。
これらはどちらがいいとかではなく、用途によって使い分けるのがベストです。
魚が掛かって「ジィィィィーーーー!!」と鳴る・・・たまりませんよね。
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2.なぜこのチューンをするか
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1節で述べたように、シングルワッシャーとマルチワッシャーではドラグの特性が違います。
小型リールでマルチワッシャーのモデルも存在しますが、昨今のライトライン志向においてはちょっとミスマッチなのです。
例えば、ダイワ2500番のリール。2500番はマルチワッシャーの仕様です。
しかし、同じスプール径で2506という浅溝モデルも存在し、こちらはシングルワッシャーでライトライン対応となっています。
普通なら、スプールを買い換えないとドラグ特性の変更ができないわけです。
そこで最近はこんな商品も発売されています。
この商品はハイパートーナメントドラグ(マルチワッシャー)を、フィネストーナメントドラグ化(シングルワッシャー)し、
ついでにボールベアリングも追加してドラグ特性を改善しようというものです。詳しくは
ダイワHP(直リン)にて。
ここまで読めば大体分かるかと思いますが、
マルチワッシャーのリールのドラグを、"なんちゃってシングルワッシャー仕様"にしちゃおうというのが今回のお話です。
別に上の商品を買ってもいいんですよ。でもこのパーツ、リアル4コンセプトのスピニングリールにしか使えません。
当然、他社製スピニングなんてもってのほかです。
そこでこれから紹介する方法で"なんちゃってシングルワッシャー仕様"に改造します。
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3.改造工程
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まず、スプールを外します。
特筆すべきことはないですな。
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ドラグの中にあるスプリングを外します。
ピンセットで外しますが、飛ばさないように注意。。
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ワッシャーを全部外すとこのような順番になってます。
左が下、右が上のワッシャーです。仮に左からA〜Fとしましょう。
まず、Aがスプール本体と摩擦。
Bはメインシャフトに固定されていて、AとCと摩擦します。
Dはスプール本体に固定されていてスプールと一緒に回転し、CとEと摩擦します。
最後にEとFが摩擦しています。
言葉での説明では分かりにくいかもしれませんね。想像力をいっぱいに働かせてイメージしてみてください。
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このチューンの本題です。
ワッシャーを写真のような順番に組み換えます。
下から順に、フェルト2枚、スプール固定のワッシャー、フェルト、メインシャフト固定のワッシャー、ドラグラチェットの順番です。
この順番にすることで、実質1枚のフェルトワッシャーしか効いていない状態となり、
"なんちゃってシングルワッシャー仕様"になります。
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4.最後に
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組み上げたらとりあえず手で回してドラグの調子を見てみましょう。
以前よりも締め込む力が弱くなっていて、なおかつ低テンションの滑り出しも良くなっているはずです。
さらに、スプールのブレも少なくなっています。あとは実釣でその違いを感じてみてくださいね
この方法はマルチワッシャーのリールであれば同じように使えるし、
例に挙げたダイワにしたってフィネスドラグアダプターを買うメリットはベアリングの追加だけとなります。
まぁ、どうしてもベアリングを追加したい"ベアリング病"の人は買ったほうが精神衛生上いいのかもしれません。
実際そこまで差はないですけど。(2006.11.14)
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