| Disk Review Site HAND IN GLOVE*** |
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| since 2006/01/15 |
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| Speak Like A Child | |
| Herbie Hancock | |
| 1968/US 【Blue Note】 | |
| ハービー・ハンコックが「ブルーノート」在籍時代に残した人気作品です。 友人が撮影したというジャケット写真に触発されたハービーが、そこからイメージを膨らませて、遂にはアルバム・コンセプトである「子供の様な無垢」に辿り着きます。そんな無垢さ・純真さを表現するという試みは大成功。この奇跡的なまでに美しい演奏の数々に繋がったわけです。 ロマンチックでムードがあって、それでいて何とも知的な音楽は、あるルールに則って形作られたと考えられます。それは、ハービー以外はソロをとらないということです。要するにハービーがここで表現したかったのは、ソリストの個人技が際立つ華やかさではなく、アレンジやアンサンブルの美しさだったのでしょう(とは言え、決してプレイヤーの個性が蔑ろにされているわけではありません。例えばロン・カーターのベースひとつをとってみても、つい耳で追ってしまうほど素晴らしいフレーズの連続です)。こうしたコンセプトから導き出されたであろうホーン・セクションの組み合わせ、すなわちフリューゲル・ホルン、ベース・トロンボーン、アルト・フルートという激シブな選択が何ともユニークで、しかもアルバム全体に落ち着きと高級感とを与えていることは特筆すべきでしょう。 タイトル・トラック及び、『Riot』の素晴らしさは、至宝のレベルです。 (Jan 2006) ( →その他のHerbie Hancockレビューページ) |
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| Inner Urge | |
| Joe Henderson | |
| 1964/US 【Blue Note】 | |
| テナー・サクソフォニスト、ジョー・ヘンダーソンが「ブルーノート」時代に残した傑作。 別項でも書かせて頂きましたが、ジョーは個人的に最も好きなテナー・マンの一人です。彼がマッコイ・タイナー(p)、ボブ・クランショウ(b)、エルヴィン・ジョーンズ(d)とのカルテット構成にてレコーディングした1ホーン物でして、つまりは否が応でもコルトレーン作品を彷彿とさせる宿命を持ったアルバムなのです。しかもマッコイとエルヴィンは本作収録の数日後に、あの『A Love Supreme』をレコーディングしており、そのミュージシャン・シップが最高に研ぎ澄まされていた時代の作品であったとも言えるわけですね。この2人(これまた個人的に最も好きなピアニストとドラマーです)がフォロー・アップするジョー・ヘンダーソンの作品の出来が悪いハズもありませんが、唯一の懸念材料は、コルトレ−ン作品との無意味な比較によって本来の芸術性を見損ねてしまうこと。しかし多くのモーダル・ジャズ・ファンによる近年の『Inner Urge』評は実に高く(あるいはクラブ・ジャズ世代にも絶大な人気を誇ります)、既に巨人の影はいい意味で払拭できているとも言えそうです。 冒頭を飾るタイトル曲『Inner Urge』の出だしから、もうカッコ良すぎです!そこにはダークな空気が流れ、張り詰めたテンションが屈指の実力を誇る才人4人の拮抗を保ちます。その後マッコイとエルヴィンが相変わらずの鋭い感性を注ぎ込んだソロを聴かせてくれますが、ベースのボブも肉厚かつセンス抜群のフレーズで見せ場を作っており、まったく引けをとりません。スパニッシュ・モードの名曲『El Barrio』もタイトル・トラック同様ジョーのオリジナル。時折感情的なブロウが唸りますが、全体の質感はあくまでクール。ジャケット・デザイン(コチラもダーク&クールで非常に人気があります)を具現化したようなサウンドが魅力です。 当時の彼のアルバムは優れたものばかりですが、頭ひとつ抜けていると思しき『Inner Urge』が僕は一番好きです。 (Aug 2010) ( →その他のJoe Hendersonレビューページ) |
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| Sama Layuca | |
| McCoy Tyner | |
| 1974/US 【Milestone】 | |
| 「インパルス!」「ブルーノート」で“超”が付くほどの名盤を数々リリースしてきたマッコイ・タイナー。彼の作品は大好きなものばかりなのですが、「マイルストーン」時代で特に好きなアルバムのひとつが、この『Sama
Layuca』です。 ゲイリー・バーツ(as)、ボビー・ハッチャーソン(vib、marimba)、エイゾー・ローレンス(ss、ts)といった魅力的な顔ぶれが揃い、熱を帯びた名演を繰り広げています。本作の特徴として、無国籍というかエキゾチックというか、とにかくアフリカやアメリカを飛び出したムードに溢れている点が挙げられると思いますが、その演出上特に重要な役割を果たしているのが、ボビーのマリンバでしょうね。そもそも楽器が持つ温度感がヴァイブとマリンバでは大きく違うワケですが、それを上手に使い分けるボビーの知的さに惹かれます。また、『Desert Cry』におけるホーン・セクションのエスニックなアレンジも見逃せません。 もうひとつ、アルバムの特徴と言えそうなのが、『Sama Layuca』や『La Cubana』に顕著なドライヴ感です。マッコイのピアノを中心としたリフ的なプレイが生み出すグルーヴがいかにも70年代的で、本当にカッコイイ!クラブ世代やロック・ファンは特に注目のトラックと言えるでしょう。一方で、例えば『Above The Rainbow』ではマッコイとボビーという2つの“知”がコラボレーションしていて、奥の深さを感じさせるのです。 全体的に、いわゆる「ガッツのある音」でレコーディングされているところも好きです。 (Jul 2008) ( →その他のMcCoy Tynerレビューページ) |
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