「Nimbus 9」というレーベルから1968年にリリースされた、ザ・ミューチュアル・アンダースタンディング唯一のアルバム作品です。
どちらかと言えば“企画物”色の強いグループ/アルバムであった為、おそらくあまり世に出回らなかったのでしょう。激レア盤として知られ、2005年にこうして待望のリイシューが果たされるまでは聴くことすら難しい存在でした。2005年と言えば、一時のソフト・ロック・ムーヴメントもとっくに落ち着いていた時代だったと思いますが、本作リイシューのニュースを機に再びソフト・ロック熱が再燃した方も多かったのではないでしょうか。実は僕もリイシュー盤を喜び勇んで購入したくちです。早速聴いてみれば、幻の名盤という謳い文句に偽りなし、完成度・エンターテイメント性ともにケチのつけようがないアルバムでした。美しくて高品位な男女混声コーラス&スキャットが、“ソフト・ロック映え”する名曲のカヴァーを中心に紡いでいきます。しかもベン・マクピーク、ジェリー・トス、ジミー・デイルといった、その筋では定評のある面々が仲良く(?)4曲ずつ手掛けたアレンジがまた素晴らしい。中でも『Pretty
People』や『Always True To You, Darling, In My Fashion』で愛らしいアレンジを施しているマクピークの仕事に感銘を受けました。もちろんデイルの『You
Fascinate Me So』や、トスの『Out Of This World』なんかのアレンジも大好きですけれど。
超スムースかつ作り手たちの体温が感じられる、これぞソフト・ロックの理想形とも言えそうな1枚です。 (Mar 2008) |