ピクシーズのデビュー・ミニアルバムです。
恐らく単独では国内盤化されたことがないと思うのですが、後の1stフル・アルバム『Surfer Rosa』にカップリング(CD盤のみ)されているので、ファンの誰もが音源として所有していると思います。しかし、このお得なカップリングが災いしてか、どうも単独で『Come
On Pilgrim』が評価されて語られているのはあまり耳にしないですね。まるで『Surfer Rosa』の一部の様に扱われてしまっているからでしょう。ですが僕がピクシーズのレコードの中で一番好きなのは、断然この『Come
On Pilgrim』なのです。
言わばデモ音源集から切り出された、厳選の8トラック。その全てに当時のピクシーズの個性と勢いが宿っていて、捨て曲ナシで知られる彼らのキャリアにおいても別格のオーラを今なお放ち続けています。その異端たる個性はあたかもクラシックとなることを拒絶する様です。
1曲目に泣きの『Caribou』を持ってくる辺り、一筋縄でいかないバンドのスタートとしては上々です。ライブでは常に主役となる『Vamos』。得意のスペイン語の響きが無国籍っぽさを演出する『Isla
de Encanta』。エンディングが個性的な『Ed Is Dead』。シングル向きな“カッコイイ系”ロックの『The Holiday Song』。チャールズのアコギにジョーイのレスポールが加わった瞬間がスリリングな『Nimrod's
Son』。ポスト・パンク的な軽やかなギターと、サビでのハードな展開とのギャップが素晴らしい『I've Been Tired』。実にクライマックスらしい、感動的な展開を見せる『Levitate
Me』。この8トラックは、そのままピクシーズのベスト10に丸ごと送り込みたいほど、例外なく大好きです。プロデューサーもスティーヴ・アルビニでなくゲイリー・スミスですし、『Surfer
Rosa』とは別物として聴くことをぜひオススメいたします。 (Mar 2006) |