徹底比較、デス1対バーチャコップ2(SS)

 制作者自身が「特殊な作品」と位置づけるデス1。その特徴を語るには、シューティングゲームという同じジャンルで同じセガサターンという土俵で、しかも発売時期まで1996年と同じセガ2研の正統派の名作、バーチャコップ2(SS)との比較も一つの有効な方法です。幸いバーチャコップ2も最近のサターンソフト値下がりの嵐により980円で入手できたので、これまた中古が980円で店頭に並んでいたバーチャガン、もとい、クリムゾンとあわせて購入し2か月ほど遊んでみました。デスクリムゾン1専門サイトを立ち上げるまでデス様に惚れ込んだ自分が特殊な作品に対しやや甘めの評価を下す可能性もありますが、両者をできるだけ多面的に、公平な目で見てゲームとしてどっちが勝っているか比較した結果を以下に報告します(この項2001年4月記載)。

* 取り扱い説明書とパッケージのデザイン

* デザイン的にはバーチャコップ2の勝ち。デス1は全体に絵が少なく、ゲーム本編の画像の使い回しも多い。

* 取り扱い説明

* バーチャコップ2の説明は特に問題はない。デス1は銃の説明で手段と目的の混同が見られわかりにくい。せっかくの便利な続き機能についての説明も一言もない。バーチャコップ2の勝ち。

* オープニング

*  グラフィクスは圧倒的にバーチャコップ2の勝ち。デス様を2年以上遊んだ自分にはバーチャコップ2のオープニングは衝撃的と言ってもいいくらいの美しさだった。宝石店を荒し回るギャング達とそれを迎え撃つ警官達との激しい銃撃戦の俯瞰(ふかん)映像やカーアクションの画像はドリキャスやPS2等の最新鋭機に比べるとやや粒子の荒さこそ目立つものの素晴らしい。バーチャコップであるレイジ、スマーティー、ジャネットの三人が躍動しその心の動きまで感じさせるトゥルーモーションはさらに美しく、バーチャコップシリーズからデス様に移行した人が最初に受けた笑撃がいかにすごいものであったかは十分想像できる。これを見た私メディカル越後は心の中で呟いた。「サターンもやればできるじゃないか!」(失礼)。だがあれだけのものをCGで実現するには相当の知恵と力と資金が必要だし、役者を使って実写でやろうとしたらさらに途方もない金がかかることだろう。一方、デスのオープニングは人物が登場しないとは言え、実写映像と緊迫感を演出する音楽の両者の相乗効果で、見る者を独自の世界に引き込んでいく力を持っている。そしてデス1が明らかに勝っているのはセリフ。バーチャコップ2はオープニングにほとんどセリフらしいセリフが無く、本編やボス戦の冒頭にネイティブスピーカーによると思われる英語が数カ所入るが、「いかにもアメリカ」という雰囲気を出しているだけ。デス1のオープニングをあらためて見ると我々日本人の心に響き、そして残るのは結局日本語のセリフしかないことを実感する。うまく説明できないが「頑張ってるぞー!」という心を揺さぶるやりとりを一人で語り上げたせいじろう氏とシナリオライター(真鍋社長?)の功績は大きい。総合して勝負は引き分け。

* 照準設定

*  デス1の照準設定は一回しかできず、しかもその設定が正しかったかどうかを確かめるすべがない。パッドでも照準設定ができてしまう、という奇怪な機能もいただけない。またゲーム開始前にステージ1のボスを気楽に登場させてしまうネタバレもどうかと思う。その点バーチャコップ2は好きな回数撃てるし、その設定で的を撃つと命中した箇所にいくつでも弾痕がつくので設定の正しさを確認できる。勝負はバーチャコップ2の勝ち。

* オプション

* これは圧倒的にバーチャコップ2の勝ち。難易度、クレジット数、ライフ数、当たり判定の大きさ、サイト表示の有無、オートリロード等実にこまかくオプションで設定できるようになっていて親切この上ない。デス様の「オプション--ステレオ、モノラル」というとんでもない簡単さとは大違い。ただそれだけに同じスコアであってもどういう設定で出たものなのか、いちいち説明しないと他のプレイヤーとの比較ができない、という贅沢すぎる欠点もある。とはいえこれらの機能を駆使すれば、どんな初心者も必ず最後まで行けるであろうこの親切さは大したもので、この項は文句無く勝ち。

* ステージ選択画面

* ステージ選択画面は画面に表示される犯罪の舞台となる場所の景色がカードで表示されそれに弾を命中させると他のカードが吹っ飛ぶという派手な演出のバーチャコップ2の勝ち。デス1のは地味すぎる。

* ステージ構成

* バーチャコップ2は3ステージ(ファイルと呼ぶ)、デス1も3ステージからなりどちらもひとつのステージは2つから3つのシーンで構成されている。ステージの構成は両者とも同じ様だが、デス1が同じステージでも各シーンに特に話の関連が特に見られないのに対し、バーチャコップ2はボス戦も含め一連のものであり物語性がある。だがそれだけに一つのステージに10分間近くかかりやや長すぎる。しかも大ボスは3ステージ通しプレイの後でないと出現しないから、大ボスを倒したい人は30分近く頑張らなければならないことになり大変不便だ。面飛ばし裏技があるかも知れないが少なくとも自分にはわからなかった。その点デス1は続き機能を活用すれば前に遊んだシーンからクレジット数もそのままで遊ぶことができるので、短時間で特定のシーンのみ集中して遊ぶことができる。たとえばデスビスノス戦のみを集中して遊ぶようなことも可能だ。この優れた続き機能はインターネット上のスコアアタックの盛り上がりに大いに寄与したものと思われる。デスの勝ち。

* 銃の機能

*  バーチャコップ2の銃は6連発式リボルバーと特定の場所で敵を倒すことによって出現するマシンガンの2種類だけで、デス様に比べいかにも工夫が足りない。一方デス1は御承知の通り銃進化が売り物の一つでありさまざまな試みがなされている。ただ進化によって得られる機能はほとんどが役に立たないものであること、説明書の絵及び記載と実際の進化銃の形状と機能との矛盾、銃発射時の音声に関わる二つのバグの存在等により結果的に消化不良となってしまった。以上を総合して勝負は引き分け。

* 主人公のやられサイン

*  デス1は御存知、越前やられボイスであり、バーチャは目の前のゴーグルにビシッとひびが入る。もちろん印象に残るのは越前ボイスの方だ。熱が入ってくると越前のセリフとプレイヤーであるメディカル越後がシンクロしてきて青こうもりなどの強敵に対し「やりやがったな!」、「この野郎!」、「くそー!」という気持ちになってくる。ゲーム界でのスタニスラフスキー(ロシアの劇作家、代表的な著作「俳優修行」)システムともいうべきデス1の勝ち。

* 撃ち込み

* バーチャコップ2はひとつの敵に最高で3発しか当たらない。敵毎に特定の場所を、場合によっては二ヶ所を決まった順番で撃てば、敵が画面からスクロールアウトするまで撃ち込みが可能であるという綿密なシステムのデス1の圧勝。どのアーマーボーグがどの場所を撃つかと打ち込めるかは一種の謎解きであり、その楽しさはやった人でなければわからないかも。

* 連続プレイが可能か

*  操作性が関係するところだが意外にもこれはデス1の勝ち。今回この比較レビューを書くにあたってバーチャコップ2もデフォルト設定で3ステージともクリアしてみたが、バーチャガンは結構重く特に自分のように腕力や持久力が無い人間は銃を空中に把持した姿勢で標的にねらいを付け引き金を引く、そして時々銃を画面外にむけて引き金を引きリロードする、という操作の繰り返しが疲れる。前述の通り1つのステージにかかる時間が長いこともあって、連続して遊んだ場合3回目を越えたあたりから集中力が下がりミスも多くなってくる。これはデス1でクリムゾンを使った場合も同じ事だが、デス様の場合はパッドで遊ぶことができるのが大きい。パッドなら一時間の連続プレイでも、右親指が痛くなるくらいで特に他の症状が生ずることはない。バーチャコップ2はパッドの移動速度を上げるためにボタンを押す必要がありデス1のように自由自在にカーソルを扱うのはとても無理と思う。また、バーチャコップ2は絵がリアルすぎるためか、視点異動が激しいせいか長時間遊ぶと乗り物酔いに似た症状が生じ、少し気持ちが悪くなってくる。首、肩、上腕、前腕の凝りとあわせるとVDT症候群(Video (or Visual ) Display Terminal s Syndrome、VDTとキーボードを用いた作業に伴う激しい視線の移動や上肢の反復作業に起因し、目の疲れ、首、腕、肩、指の凝りや痛み、しびれ等を生ずる症候群)といってもいい症状であり、仕事でコンピューターを使う機会の多い自分にはつらく、ファイル2以降はほとんどこのページを書くため義務感でプレイした(義務感でプレイというのも言葉としては変ですが)。パッドで激しい撃ち込みをしているといい汗をかき、適度な有酸素運動になっていると思う、スポーツとしての側面すらあるデス1の勝ち。

* ヒーロー

*  これも容貌は圧倒的にバーチャコップ2の勝ち。バーチャコップ2もオープニングやエンディングのCGでは一瞬やや間抜けな顔になることもあるが、デス1の、顔が崩れ髪型すら定かではないコンバット越前に比べるとかなり勝っている。ただキャラクターの設定に無理こそないが、それだけに取説を読み本編を一通り遊んだ後もあまり頭に残らないバーチャのキャラクターに比べ、好物が焼きビーフン、女性の扱いは苦手、冒険心旺盛な一匹狼、正義感は平均以上等、その曲者ぶりが妙に印象に残るのはコンバット越前の方。総合して勝負はデス1の勝ち。

* ザコ敵

*  バーチャコップ2の主な敵キャラクターは兵士と黒装束のスパイ、手榴弾を投げるランニングシャツ姿の男、待ち伏せしてまさかりを振り下ろしてくる男、以上4種類のザコ敵と、ボスが三種類だ。いずれも絵は美しく動きもきわめてなめらか、かつ自然でデス1に比べ圧倒的に優れている。画面外から転がり出て銃を構える、振り向いた先に待ちかまえていていきなりまさかりを振り下ろす、物陰から上半身だけ出して手榴弾を投げてくるなど、攻撃パターンは多彩。やられポーズも頭を撃たれて体ごと後方に飛ばされる、手を撃たれて銃を落とす、足を撃たれてうずくまる、建物の上層階、ヘリコプター等高い場所から崩れ落ちる等数パターンが用意されている。特にいいのがジャスティスショット!これは犯人を殺さずに銃だけたたき落として裁きを法に委ねる、という意味と思うがこれが見事に決まったときは快感だ。だが、いいのはここまで。所詮敵は全て悪意を持って攻撃をしかけることしか考えていない、しかも当然のことながら人間だけであり何回か遊ぶと見飽きてくる。なまじ姿がリアルなだけに、同じのが次から次にわらわらと湧いてくる有り様は非現実的に感じる。敵をサイトがついた順番に全部倒さなければならない、というのもゲームを単調にしている。その点デス1のクリーチャー達は攻撃しないで通り過ぎて行くだけという奴がいたり、攻撃の猶予時間も場所毎に極端に違ったり、理不尽だが変化に富んでいる。動きこそ単純だが、常人の想像を絶する姿も簡単に見飽きることはなく、非現実的と言うより超現実的というべきか、全体にどこかとぼけたいい味を出していると思う。以上、ゲーム性を重視して勝負はデス1の勝ち。

* 民間人

* シューティングゲームにはお約束の民間人だが、デス様は御存知白装束の男佐藤と謎の動物標本むささびだ。こいつらはメトロノーム様の運動かスライド移動、尻尾をパタパタさせる運動等の単純な動きしかできない。バーチャコップ2の民間人は服も普通に近いし、犯人と同じタイミングで物陰から両手を上げて出てきてしまう、四つん這いで逃げる、そばをこわごわ通り過ぎる、電車内で居眠りしている、犯人に羽交い締めにされている、デート中の男女(ベンチに並んで腰掛けてるだけデス)など動きや表情が多彩で、絵的には文句無くバーチャの勝ちだ。だがデス様には必殺のやられ声「オーノー」がある。聞くものの体力を一気に奪う笑劇力でこの項は引き分け。

* ボス

* ボスそのものの映像や動きの出来はバーチャコップの勝ち。手強さという点ではややバーチャコップ2がデス1より強く、特にファイル2のエアロダイバーズは飛び回る数多くの蝿にキンチョールをかけるイメージの戦いで適度に苦労した。ファイル3のボスはやや弱すぎるが壊れシーンの表現はデスに比べ丁寧だ。一方、デス1は絵的には弱いがボスの行動パターンはいろいろ考えてある。しかし、どっちのゲームも肝心の魅力や遊び甲斐という点ではやや本編のキャラクターに比べ決め手を欠き引き分け。

* 背景

* これは圧倒的にバーチャの勝ち。町並みや建物内部、調度品等をポリゴンで美しく正確に表現している。特に豪華客船内の客室、厨房やキャバレー、プール等を再現したファイル2はたいしたもの。それに比べデス1の場合は(以下省略)

* サイトの形

* 敵に狙われたサインとして画面上にあらわれるサイトの形はデス1は四角でバーチャコップ2は丸。好みにもよるだろうが銃の照準として現実的なのはバーチャコップ2の方だろう。野球のストライクゾーンでもあるまいに四角というのはいかがなものか。バーチャコップ2の勝ち。

* エンディング

* デス1はもの悲しい音楽が響く中、スタッフロールと数枚の静止画がうつるだけ。バーチャコップ2の方はCG動画にスタッフロールがかぶる。バーチャコップ2の方がはるかに手がこんだものだが、やはりオープニングのトゥルーモーションを見た後では明らかに絵が落ちる。登場するバーチャコップ達の表情が真面目なだけに取り説の絵とは似てもにつかぬ不細工な顔やぎこちない歩き方に思わず笑ってしまう。せっかくだからエンディングもトゥルーモーションにする、というわけにはいかなかったのか。音楽も特に印象に残るものではない。そもそもバーチャコップ2はエンディングにたどり着く頃には、労働ともいうべき単純作業の繰り返しとVDT症候群のためプレイが楽しくなくなっているので、デス1の時のような涙が出るほどの達成感はない。勝負はデス1の圧勝。

* ハイスコア画面

*  背景の色と数字の色が似ていてやや見にくいという欠点があるがネームエントリーが不要なこと、日付・時刻の自動記録機能の2点で圧倒的にデス1の勝ち。大部分のプレイヤーは自分以外がハイスコアを記録することのない個人専用のサターンで遊んでいるだろうから、まれに他人が遊んでハイスコアを残した場合でも日付と時刻、スコアを見れば誰のスコアかはほとんどの場合一目瞭然のはずである。バーチャコップ2はアーケード機であればこそ必要な機能をそのまま家庭用ゲーム機に持ち込んでしまった。バーチャコップ2のスタッフは自室で一人黙々と遊びハイスコアを出して、いちいちネームエントリーしなければならない面倒くささ、あるいは画面にずらりと並んだ自分だけのスコアを見た際にプレイヤーが感ずる空しさに気づかなかったのだろうか。

* 音楽

* バーチャコップ2は曲の数も少なく印象に残るものはほとんど無い。これはデス1の圧勝。

* バグ

*  バーチャコップ2も全くバグが無いわけではないようだが(コンティーニュー後にカンカンカンカンという音が鳴り続けることが一回あった。あえて命名すれば「踏み切りバグ」)、デス様に比べはるかに種類は少ない模様で発生頻度も低い。バーチャコップ2の勝ち。

* 価格

*  これはバーチャコップ2の勝ち。自分はこの二つのゲームを980円という全く同価格で買ったわけだが、市場価格は今の所バーチャコップ2が圧倒的に安い。ゲームとして買う分には安い方がいいに決まっている。

* 入手の容易さ 

*  これも今の所バーチャコップ2の勝ち。デス様がいくら遊べるゲームでも現実に入手できないことには話にならない。特に大都市以外ではいくらお金を積んでも店頭では入手が難しい状態であり、重版の出回りに期待したい。

* 自慢できるか

*  前項の裏返しだが今の所デス様の勝ち。バーチャコップ2を持っていても何の自慢にならない。

* webサイト

* これも圧倒的にデス様の勝ち。最近リンクが切れているサイトが増えつつあるものの、デス様には精神汚染度に応じた愉快なサイトが多く用意されており、一日や二日では到底全部見ることはできない。

* 楽しいか

*  以上全ての要素の総合になると思うが遊んで楽しいか、一度遊んだ後もう一度遊びたくなるか、というゲームにとって最も重要な点はデス様の勝ち。これは個人の嗜好で左右されるところだが、少なくとも自分にとって楽しいのはデス様だ。

* 総合評価

* 単純に以上各項目毎の勝敗数を集計するとデス様の12勝10敗4分けとなる。いい勝負だがおおざっぱに言うと絵のバーチャコップ2、ゲーム性と音と操作性のデス様といったところか。結局総合するとデス様の勝ち。(出来レース?)

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