自己表現欲求 (その2)

自己表現欲求 (その1) の続きです。

「相手は 何を聞いて欲しいのか?」
質問する前に、相手の欲求を確かめておく
ことが大切です。

事前に、相手を学習し 理解していたのか?

それが できなければ、
相手との意思疎通は上手くいかなかったりします。





たとえば、「どうせアイツは たいしたことない」
相手を見下し 否定的に接すれば
肝心なポイントを聴き逃したりします。

逆に、
「立派な肩書ある人だから、
 さぞかし 中身も充実しているはず」
と思い込んで聞いたりします。

ですが、得るものが 何もない場合があります。





また、 一生懸命に聞こうと努力しても
自身の読解力不足のため、
相手が 何を言ってるのか?
イマイチ 理解できない場合があります。

哲学者のサルトルは、
「授業中に一生懸命に聞いてるように
 見える学生は、必ずしも、その内容を
 理解してない。
 なぜなら、彼らのエネルギーは
 『聞いている』 というポーズをつくることに
 集中してるからである」





多種多様な情報を聞いても、蓄積保存すべき"土台"が
未完成で 知的思考力も未熟であれば、
相手の言葉が難しく聞こえます。

「 はい! はい! 」
と言うだけになってしまいます。

ですが、このような "知ったかぶり" の返事は、
とんでもない誤解が生じる 恐れがあります。

一つ間違えば、取り返しのつかない結末に
なりかねません。





また、「おかしいな?」と疑問を感じても
質問せずに スルーすることがあります。

「おかしい?」 と気づくのですが
それに対する質問ができません。

理由は、
「シャイである」
「タイミングが掴めない」
「要点がまとまらない」
などがあります。





とりわけ 日本人は、
『質問すれば、相手を非難していると
 受け取られるのではないか?』
と恐れを抱きやすい性格です。

質問すること自体が 苦手で、
特に、相手が目上の先輩であれば なおさらです。

そんな場合は、
「1点だけなんですが 質問してかまいませんか」
と前置きして 質問すると 気が楽になります。






相手と充分協議し合意したのに
不協和音を増幅してしまうケースが
おうおうにしてあります。

相手と協議する時に 「使用した言葉」を
お互いが キッチリ 認識できていることが
大前提になります。

ですが、それが難しい と思ったりします。

協議し対話する時に使用する語句の
『真の意味』
を自分と相手は同じ意味の言葉として
理解していることが大切で、それを、
お互いが 確かめる必要があります。

あるいは、使ってる言葉を 間違った意味で
理解しないようにしなければなりません。

どのような文字言語で話せば、
言いたいことが相手に伝えられるか?

お互いに 考慮しながら 協議しなければなりません。

ですが、そのような手間をかけるのは
とても面倒で、あえて 質問しようとしません。

相手を尊重し お互いに配慮しようと気を配るあまり、
言葉の理解度を、相手に確かめる行為は
相手に対する "無礼" な態度となりかねず、
とても難しいと考えたりします。

たとえば、
「情けは人のためならず」 
という諺があります。

本来の意味は、
『他の人に対して情けを掛けておけば、巡り巡って 
 いずれ自分に 良い報いが返ってくる』
という言葉です。

ですが、
「人に情けを掛けてやることは、その人ためにならない」
このように解釈される人が多くおられます。

平成22年度 「国語に関する世論調査」では
50%が間違った解釈されています。

その間違いに気がついても、相手に向かって
間違いを指摘するのは とても勇気が要ります。

相手を尊重し、お互いに気を配り、
コミュニケーションを大事にしようとするがゆえに
相手に "間違い" を指摘できなくなった
と言えばいいかもしれません。


※ご参考 (間違って使われやすい言葉)

確信犯
 (正)思想信条、政治的信念に基づき、
   悪いことでないと意識して行う犯罪
 (誤)悪いことだと分かっていて行う犯罪

御前(おまえ)
 (正)身分の高い人を直接に指すことを
    避けて使うときの言葉
 (誤)同等か以下の相手を指す言葉

あっけらかん
 (正)事の意外さに驚いて、ポカンと口を
    開けて、ぼんやりしている様子
 (誤)あきれるほど、平然としてる様子

奇特な人
 (正)心がけが優れていて感心する人
 (誤)変な行動を行う人

失笑
 (正)笑いをこらえることができず吹き出す
 (誤)冷たく笑う

憮然(ぶぜん)
 (正)失望して、ぼんやりしている様子
 (誤)怒りで腹をたてている様子

海千山千
 (正)様々な経験を積み、世間の表裏を
   知り尽くして、ズル賢いこと
 (誤)多くの経験を積んでいること


日本語は難しいです。


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