新規就農ブーム (その1)
20数年前、新規就農ブームが
日本各地で起こりました。
新規就農を希望される人達との
交流会に取り組んだ時期があり、
多くの希望者さんと関わりを持つ
ようになりました。

脱都会 脱サラして農業しながら
田舎暮らしを望む人達が、
各都道府県の『農業会議所』が
主催する新規就農説明会では
熱心に聞かれてました。
当時は バブル崩壊直後で、彼らが
そのような労働環境にあったのか、
あるいは 将来 起こり得るであろう
大リストラの予兆を察知され、早めに
新天地を求められたのかもしれません。
どの会場も盛況な賑わいでした。

そのように 『新規就農』という響きには
華々しい 過去の歴史があります。
当地域では 約12名の新規就農者さんが
新たに農業を始められました。
私が直接 携わった方は 3名ですが
立派な専業農家になっておられます。
ですが、それに至るまで 決して
平坦な道のりではありませんでした。
ココだけの話ですが、口に出して
言えないような紆余曲折もありました。
ココだけの話ですから
これ以上 書きません。

こうして全国規模で行われた
"国策型"の新規就農政策ですが、
「では、本当に成功したのか?」
と聞かれたら 迂闊な返事はできません。
「あの政策は成功だった」と言われるなら
それは末端関係者の努力の賜物で、
中央政府の国策が成功したとは
言い難いと思っています。
就農希望者さんを 実際に 受け入れよう
としても、そもそも "新規就農"という
『前例』 がなく、暗中模索で
五里霧中のスタートでした。

考えもしなかった問題が 次から次へ
立ちふさがり、一つ一つを手探りで
鋭意 検討 前向き努力しながら
その場しのぎ
と言えばいいのか、現実的対応で
解決してました。
細かなことですが、一民間人の私は
1円の特別報酬も貰えませんでした。
行政機関に新しい提案を出しても
「そんな前例なんか 見たことがない」
と突っ返されたりしました。
お役所は「前例踏襲」が基本ですから
簡単に却下され、とにかく上意下達で
一民間人の考えなど 見下すように、
絵に描いた理想論を述べられました。

「 おモチは 臼でついてこそ
食べられるモチなのに、
額縁に飾った絵に描いたモチを
中央政府から持参されても、
霞ヶ関だからと言って
コッチは霞を食う訳であるまいし、
理想論なんて指をくわえて
見るしかないでしょう!」
ツベコベ 言っても仕方ないから
これはこれと割り切って
無報酬 サービス残業、おまけに
自己負担と自己責任でやりました。

それでも、新規就農された方々の
努力の甲斐もあり、当地域でも
農業団地が形成されました。
地方自治体の首長さんから
「よくやった! 感動した!」
と褒められたりしました。
当時の私は 何故 新規就農に
取り組んだのか?
今から思えば、
新しい時代の閃きみたいな
見たこともない斬新さを感じた
と言えばいいかもしれません。
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