あなたの記憶があなたを欺く
「脳によって捻じ曲げられる記憶」
Live Science 2014年11月5日より引用しました。
http://www.livescience.com/48451-how-your-memory-deceives-you.html

映画やテレビドラマなどで、
『偽の記憶』を植えつけられる
というストーリーがあります。
ですが、フィクションに限らずとも
実際の日常生活でも、このような
現象は存在するといわれます。
見たり聞いたりして得られた情報は、
時には、脳によって 捻じ曲げられ
『偽の記憶』として 脳に残される
ことが判明しました。

カリフォルニア大学 准教授
シャーリー・ベルコウィッツ氏は、
「我々は 誰しも 『偽の記憶』を
作り上げている。老若男女問わず、
知能の高い低いにかかわらず、
例外無く起きている」
といわれます。
また 別の研究によれば、
「経験・体験した全ての記憶を
詳細に記憶できる特殊な能力
『自分史記憶』を持った人でさえ、
『偽の記憶』を作り上げている
ケースがある」
ことが判明しています。
『自分史記憶』の能力を持つ人でさえ
見ていないものを まるで見たように
記憶している傾向があるといわれます。

『偽の記憶』を信じる人は、
『偽の記憶』に感情移入することで
『偽の記憶』を真実であるかのように
思い込む可能性があるとされます。
その理由として 多くの人は、
「脳はビデオテープのようなもの」
といった勘違いをしているのが
原因とされます。
ですが、脳はビデオテープでなく
人間が記憶を紐解く時に、
脳は小さなヒントを元にして
過去の記憶を"再構築"します。
その"再構築"する過程の中で、
別の新しい記憶を作り上げて
しまいがちになります。
"過去の記憶を保持したい"
という人間本来の願望があります。
ですが、実際に起きた事実について
きめ細かな事柄を イチイチ
思い出すのも面倒臭いです。
曖昧で不確かであっても、なんとなく
思い浮かぶ記憶を、絶対だと信じて
しまいます。
その結果、『偽の記憶』であっても、
それが『真実』であるかのように
思い込んでしまうと指摘されます。
さらに、『偽の記憶』 は断片的な
一部分だけでなく、その「全て」を
作り上げてしまうこともあるそうです。
このような、大規模な記憶の改ざん
ですら、脳は容易に書き替えてしまう
といわれます。

人間は、起こった出来事を キチンと
整理して、筋の通ったストーリーとして
記憶しようとします。
ですから、筋が通っていない『事実』は
無意識に、歪めたり 無視したりします。
ストーリーを重視するあまり、『真実』が
ないがしろにされます。
そして、何回も 記憶を蘇らすごとに、
どんどん 改ざん します。
事実とは全く異なる 『創作話』 に
変わってしまいます。
自分にとって 都合の良いように
『ストーリー』を修正し、素敵な物語に
変えてしまいます。
事実を曲げてでも、多くの聞き手に
アピールすることを重視します。

『集団の判断』が、個人的意見と
食い違っているような場合、
人間は 『集団の判断』 を信頼する
傾向にあります。
多くの人達に共有された 『ストーリー』は
一個人の記憶など ないがしろにし、
さらに 信頼できないものにしてしまう
ことも有り得るかもしれません。
テレビCMなどの商業広告は、
個人の記憶を捻じ曲げてでも
『集団の判断』を優先させようとします。

2001年9月11日の「鮮明な記憶 9.11」
について 調査が行われました。
悲劇的なテロ事件の数日後に、
心理学者が多くの体験者にインタビューを
行い、個人の記憶を追跡調査されました。
その結果、
1年後には 事件の詳細の37%が
最初の叙述から変化してました。
3年後には、その数字が 50%
近くに達しました。
数10年後には、記憶のほとんどが
フィクションになっているといわれます。
物語は、よりエンターテインメントで
よりドラマチックなものになったりします。
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