緑のカーテン植物
手間のかからない植物を
緑のカーテンにされる人が
増えました。
ゴーヤ、アサガオ以外にも、
緑のカーテンに適した植物は
たくさんあります。
カーテン状にするには、ネットを
張ったり、土の乾燥防止のため
ワラを敷くなど準備が必要です。
また、ツルがネットに絡むように
誘引したり、大きく育つように
枝の付け根から出る小さい芽を
摘むなどの面倒な手間が
少なくありません。
ですが、9月になれば葉は変色し
イエローカーテンになりますので、
放置しておくわけにもいかず
ネットに絡まったツルをはがす
作業も大変です。

「果物トケイソウ」
パッションフルーツという名前で
知られていますが、ゴーヤより
幹が固く太いのが特徴です。
成長すると、10mくらいにまで
大きくなり、葉も大きく
目隠しに十分です。
比較的病害虫にも強く、冬には
枝を1〜3m程に刈りこんで
小さな鉢に植え替えて室内で
冬越しします。
翌春、暖かくなったらプランターに
植え替えれば、花や実を付けます。

「ノアサガオ(宿根アサガオ)」
沖縄の海岸沿いなどで見かけます。
アサガオは一年草で、寒くなれば
枯れてしまい、翌年も芽を出すことは
ありません。
ですが、ノアサガオは冬の寒い時期に
枯れても、宿根草で根は生きていて、
翌春に温かくなれば再び芽を出します。

「デプラデニア」
ツルが良く伸び、比較的病害虫に強く、
冬には短く刈り込んで室内に入れます。
翌年も大きく生育させるために、
苗のつぼみを 摘みます。
花を咲かせるには、多くのエネルギーが
必要になり、そのエネルギーを根や葉の
生育の方に振り分かるためです。

10数年前の お話です。
ある取引先から依頼があり、
「都会の街中公園で、
緑の屋根を作りたいから、
手を貸して欲しい」
と言われました。
緑の屋根?
緑の葉っぱで、ドームのような
屋根を作って、真夏の日差しを
遮る『木陰計画』でした。
地方自治体の都市公園担当者の
お話しだと、以前に甲子園球場の
ツタのようなイメージで葉を覆わせる
みたいな試作されたのですが、
上手くいかなったみたいです。
公園の地面はコンクリートで、
土壌がなく、大型プランターに
植えなければなりません。
ですが、ツタはツル状樹木で、
成長速度が遅いので途中で
枯れてしまったみたいです。
冬は木陰は要りませんから、
夏だけの計画に切り替えられ
お風呂の浴槽くらいの大型の
プランターに一年草の植物
を植えて、
「横幅4メートル 長さ10メートル
高さ3メートルの緑のトンネルを
作れないか?」
と言われました。
いろいろ考えた挙句、
「ひょうたんを植えたら
いかがでしょうか?」
と答えました。

「ひょうたん」も いろいろな種類が
ありますが 『千成ひょうたん』に
決めました。
豊臣秀吉のシンボルマークとして
有名です。
一つの苗から1000個の実が成る
と言う由来です。
大きく生長し、できるだけ長く
成り続けた方が良いと判断して、
『千成ひょうたん』に決めました。
いろいろな文献を漁って、
どのような仕組みで植えれば
良いのか? 模索検討しました。
と言うのも、大地の土壌に直接
植え込むのなら簡単ですが、
大型といっても プランターです。
プランターの中に入れる培養土は、
どのような種類の資材を使って
調合すれば良いのか?
元肥料は、どのような要素比率で
配合すれば良いのか?
いろいろ調べました。
最大の心配は、ひょうたんのツルが
垂直で何メートルまで登る(生育)ことが
出来るのか?
と言うことでした。
高さ 3メートルのドームですから、
その高さまでツルは上昇するだろうか?
プランターの下にコンクリートブロックを
置いて 30cmほど底上げし、プランターの
高さと合計して、地面より80cm高くすれば
2m20cmの高さまでツルが伸びれば
大丈夫と思いました。
植物は栄養を細胞から細胞へと循環し、
最先端の成長点まで送り込んますが、
垂直の高さは、とても大切な課題でした。
それがどうしても分からなくて、
困っていました。
プランターのような閉鎖された土壌空間に
植えた『千成ひょうたん』は、どのくらいの
高さまで ツルを伸ばすことができるのか?
とても心配でした。
なんとか無事に、『千成ひょうたん』は
どんどんツルを伸ばして上昇し、緑の
葉っぱがドーム全体を覆うようになりました。

緑の屋根ができて、花が咲き、その後に
小さな実をつけ、少しずつ実は大きくなり、
ひょうたんになりました。
都会の人も珍しそうに 『千成ひょうたん』を
見られて、プロジェクトは成功しました。
ですが、突然 都市公園担当者から
電話があり、
「突然 枯れ始めた」と言われました。
現地に出向いて調べましたが、
ツルは根元から腐っているみたいでした。
『千成ひょうたん』は頑丈な植物で、
やすやすと枯れるなんてことはない
のですが、どうやら 『根腐れ』を
起こしてるようでした。
根っこが何らかの影響で
腐っているみたいでした。
掘り起こして観察しますと、確かに
根が腐っていました。
でも、原因はすぐ分かりました。
プランターの中に、ジュースの
ペットボトルが置いてありました。
誰かが飲み残したジュースを
プランターの中に捨てたのでしょう。

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