ここでは服部研究室の研究内容を紹介します。


研究背景・目的

 キャビテーションは液相が気相に相変化する現象であり、沸騰現象と物理的に同じ現象です。流体機械をはじめ多くの産業機械で高性能化(軽量化・小型化・高速化・高圧化)が進みキャビテーションが発生しやすくなっています。キャビテーションは、性能低下騒音振動壊食の原因になります。壊食とは、キャビテーションによって部材に損傷を与えることを言います。これらをキャビテーションの4悪と言います。キャビテーションを発生させないような設計および運転がキャビテーションの4悪を防ぐことに最も効果的ですが、現在、キャビテーションの発生を抑制することは非常に困難な状況です。そのため、材料の耐壊食性の評価壊食に強い材料の開発壊食の予測などを求める必要性があります。
 本研究室は、1973年から現在もキャビテーションに関する様々な研究を行いデータを構築し続けています。本研究室では、材料の耐壊食性の評価壊食に強い材料の開発壊食の予測などの研究を行っています。


キャビテーションの発生事例

           
船のスクリューに発生したキャビテーション     壊食を受けたスクリューの表面形状

 上記の写真は、船のスクリューにおけるキャビテーションの発生と壊食をうけた表面形状です。左の写真でスクリューから気泡が出ています。これがキャビテーションと呼ばれるものです。右の写真の通り、スクリュー羽がボロボロになっています。これがキャビテーション壊食です。壊食を受けた材料表面はたこ壺状になります。船のスクリューだけでなく、ポンプ水車配管バルブH2ロケットのインデューサーポンプ原子炉の抽出水オリフィスなど、様々なところでキャビテーション壊食による材料損傷が見られます。


キャビテーションが起こるメカニズム

質量保存の法則(連続の式)

ベルヌーイの方程式

 作動流体が流れている配管にオリフィスが取り付けられている場合を考えてみましょう。オリフィスとは、作動流体の流量を測定するために取り付けられています。オリフィス手前の状態を1、オリフィス部の状態を2とすると、流体の圧力P速度Vは、図のようにP1V1P2V2となります。ここで、質量保存の法則(連続の式)が成り立っているので、状態2では流路の断面積Aが減少することでV2は増加します。さらに、ベルヌーイの方程式によってエネルギーが保存されると過程すると、状態1と状態2のエネルギーは等価になるので、P2は減少します。


  水のP−T線図

 上記の図は、キャビテーションの発生を水のP-T線図上に表したものです。圧力がP1からP2に減少するとキャビテーションが発生します。水は、1気圧100℃のとき、飽和蒸気圧線に達し沸騰しますが、キャビテーションの場合、水は圧力減少によって飽和蒸気圧線に達しキャビテーションが発生します。常温25度でもキャビテーションは発生します。


服部・前川研究室の研究分野


私たちの研究テーマ

平成21年度
銀めっき材料のキャビテーション壊食
流れ系における液体金属中のキャビテーション壊食に関する研究
各種表面被覆材料のキャビテーション壊食
液体衝撃エロージョンに対応した配管減肉評価法
気泡崩壊圧測定に基づくキャビテーション壊食予測法
各種表面被覆材料の耐キャビテーション壊食性
海塩ESCC損傷機構の解明に関する研究
回転円盤を用いた液滴衝撃エロージョンに関する研究