広がる「夫婦別室」適度な距離が人
収納やひき戸で寝室をゆるやかに分ける「夫婦別寝」「夫婦別床」と呼ばれるスタイルが広がっている。
互いの生活時間や体感温度の差を克服できるだけでなく、付かず離れずの「適度な距離感」を保てるのが人気の理由だ。
「異床同夢」が円満秘訣とばかりに、住宅メ−カ−も「別寝」提案ら本腰を入れ始めた。
「夫婦の寝室を分けたい」。東京ガスモデリングの天方幸子リフォ−ムデザイン研究所長はここ数年、こんな相談を頻繁に受けるようになった。
目立つのは子供が独立して部屋が余った中高年夫婦。
生活のズレ、夫のいびきや体臭、体温の違い・・・など事情はさまざまだが、妻から切り出すケ−スが大半だ。
夫の定年で夫婦の一緒の時間が増えてストレスがたまり「寝室ぐらい別にして一息入れたい」との要望もあるという。
天方さんは「問題を抱えたまま無理に一緒に寝れば、無用ないさかいを起こす。仲良く暮らす知恵として前向きに『別寝』を選択する人が増えた」と話す。
中高年向けのマ−ケティングを手がけるシニアコミュニケ−ション(東京)が平成17年に行った調査によると、別室で寝る50代以上の夫婦は39.5%。「今後別室にしたい」(14.2%)を合わせると半数を超えた。三井のリフォ−ム・住生活研究所が昨年11月に発表した調査でも、30〜60代の既婚者の4人に1人が「別寝」希望だった。
〜中略〜
夫婦別寝の広がりについて、三井のリフォ−ム・住生活研究所の西田恭子所長は「家庭での女性の発言力が増し、もともと抱いていた別寝願望を抵抗なく口にできるようになった」と分析。
「少子化と晩婚化が進み、若い世代は一人で寝る経験が長い。適度な距離を求める傾向は今後も広がっていくのでは」と予測する。
『夫婦の家』(講談社)などの著書がある一級建築士の天野彰さんは「『別寝』が即離婚につながる欧米と違い、日本の夫婦関係は柔軟ということ。ただ、健康に不安がある高齢夫婦は、万一に備えて相手の気配が感じられるよう工夫してほしい」と念を押す。
MSN産経ニュ−スより
