夫婦関係の崩壊
日本の離婚件数は明らかに増加の一途をたどっている。
月別件数をみると1995年からは3月に離婚するカップルが多いことが明確に分かる。
3月の離婚件数の割合は、どの年次においても9%から10%以上で、他の月よりも1〜3%程度多くなっている。
大学生を対象とした失恋も3月に多かった。
異動や転勤などの関係のためであろうか、年度の節目には男女の関係に区切りをつけやすいかもしれない。
また、家庭裁判所が扱った離婚について夫と妻の申し立ての動機の統計によると、妻のほうの割合が高いものをみると、「暴力を振るう」「精神的に虐待する」「生活費を渡さない」がある。
妻は夫による身体的・精神的な暴力や生活苦から離婚を申し立てることが多いといえそうである。
他に「異性関係」「酒を飲みすぎる」「家族を捨てて省みない」なども妻からの申立てが多いといえるかもしれない。
一方、夫のほうは、「性格が合わない」が6割で妻の4割との差がある。
他に妻よりも割合が高いものとしては、「家族親族との折り合いが悪い」「同居に応じない」がある。夫は対人関係の調和がうまくいかないことから離婚を申し立てる傾向があるのかもしれない。
もう1つ注目してほしいのは、申立て総数の差である。
夫が18990件であるのに対して、妻からの申し立てては49306件とじつに2.6倍もの数となっている。
ただし、これは申立てであるので、最終的に婚姻継続となったり申立てが却下されたりして、実際に離婚にいたったのは合わせて26605件であった。
同じ年の離婚件数は人口動態調査によると283854件であった。
家庭裁判所に申し立てられた事件のうち実際の離婚数は、1割にも達していないので、ここから全体を描き出すのは無理があるにせよ、妻のほうが夫よりも離婚の申立てをする傾向が高いことから、別れたいと切り出すのは女性であるといえそうである。
和田 実 編著
男と女の対人心理学 北大路書房
