マニュピレ−タ−について
「マニュピレ−タ−」この言葉をご存知ですが?
フランスの心理療法家、イザベル・ナザル=アガによりますと、常に人を心理的に支配しようとする人のことであって、自己愛の強い人格ということです。
カップル、夫婦においてもマニュピレ−タ−を恋人、配偶者に持ちますと、マニュピレ−タ−の強い支配欲の犠牲になりかねません。
それではイザベル・ナザル=アガによるマニュピレ−タ−の特徴を箇条書きであげます。
この特徴のうちパ−トナ−が10以上の項目にあてはまりますと、パ−トナ−はマニュピレ−タ−である可能性があるということです。
- 家族の絆や友情、愛情、職業的良心などを楯に取って、他の人々に罪悪感を抱かせる。
- 他の人々に、常に完璧でなくてはならず、決して意見を変えてはならいと思わせる。 また、あらゆることを知っていなければならず、要求や質問にすぐに答えなければならないと思わせる。
- 自分の欲求を満たすために、他の人々の道徳的な信条(礼儀正さ、ヒュ−マニズム、連帯責任、反人種差別主義、善良、寛容など)を利用する。
- 他の人々の性質、能力、人格を疑う。批判し、けなし、裁く。
- 嫉妬する。それも他人に対してだけでなく、自分の子供や配偶者に対しても嫉妬する。
- 私たちに気に入られようと、お世辞を言ったり、プレゼントをしたり、ちょっとした世話を焼いたりする。
- 他の人の同情を引くために、犠牲者であるふりをする
(病気を大げさに言う、周囲の状況の難しさを協調する、過労だと言う、など) - 自分の責任を他の人々に押しつける。
- 自分の要求、感情、意見などをはっきり伝えない。
- 曖昧な答えをすることが多い。
- 会話の途中で、主題を全く違うものに変えてしまう。
- 対話や会合を避ける。
- 人や物を介してメツセ−ジを伝える
(直接言うかわりに電話で言う、メモを残しておく、など) - 自分の要求を隠すために、一見論理的な理由を持ち出す。
- 人のことをゆがめて解釈する。
- 自分に対する批判を認めようとせず、明白な事実も否定する。
- 暗に、あるいはあからさまに脅す。
- 自分の影響力を強くするために不和の種をまき、疑いを生じさせ、人々を仲違いさせようとする。カップルの仲を裂くことさえある。
- 相手の状況によって、意見、態度、感情などを変える。
- 嘘をつく。
- 他の人々の無知につけ込んで、自分のことを優れていると思わせる。
- 自己中心的である。
- 言うことは論理的で筋が通っているが、その態度や行動や生き方は、それとは正反対のものである
- しばしば、ぎりぎりの時になってから、頼みごとをしたり、命令したり、他の人々に行動させたりする。
- 他の人々の権利や要求、欲求を考慮しない。
- 他の人々に要求に対して(口では関心のあるように言っていても)無関心である。
- まわりの人々に不安や不自由さを感じさせる。
- 他の人々に、自分の意思ではしないようなことをさせる。
- 自分の目的を達成する能力があるが、そのために他の人を犠牲にする。
- その場にいない時でも、絶えず人々の議論の的になる。
さらに、マニュピレ−タ−について記述のまとめをすると次のようになります。
マニュピレ−タ−はダブルバインドの名人である。
ダブルバインドとは2つの相反するメッセ−ジが込められた矛盾したコミュニケ−ションのことで、片方のメッセ−ジにしたがうと、もう片方のメッセ−ジに背くことになる。
また、マニュピレ−タ−は常に批判している。
その批判が遠まわしに行われることもあれば、あからさまに行われることもある。
マニュピレ−タ−はあなたを直接批判したり、人を介して批判する。
自分の精神が生き延びるためには、他人の価値を下げることが欠かせないようである。
また、しばしば犠牲者を装ったり、問題を解決することが自分の手に余る場合には、自分の責任を放棄する。
いずれにしても、人の価値を落としてて優越感に浸るやっかいな人なのです。
出典 こころの暴力 夫婦という密室で
−支配されないための11章−
イザベル・ナザル=アガ著 紀伊國屋書店
