31.恋愛依存 相手を引きとめておく方法
愛情飢餓の強い人は、なんとしても相手を自分のもとにひきとめておこうとする。
代表的な支配は次の5つだ。
- 力を見せつける
- 「弱さ」で支配する
- ひたすら尽くす
- 罪悪感を抱かせる
- 嫉妬させる
1.力を見せつける
ある意味で、これはもっとも正直なやりかただ。
自分の欲求を満たすために相手をストレ−トに支配しようとする。
その基本的な姿勢は
「おれの言う通りにしろ。さもないと・・・」
であり、究極的な「さもないと」は「おまえを捨てるぞ」である。
これは自分が相手を必要としている以 上に相手は自分を必要としていると信じている者がとりやすい態度だ。
ここで大事なのは、この男性が「力づく」という大人の力を使ったからといって心のなかに依 存欲求がなかったわけではないという点だ。
力を見せつけられた側はおじけづいて抗議などでぎず、相手の愛情欲求の大きさには気づかない ことが多い。
実際、はたから見ると、力を行使している側は自信たっぷりのように見える。
たしかにそういう場合もあるだろう。
だが、夫婦カウンセリングをしていると、そうではないケ−ス によく出会う。
服従してきたほうがついにがまんできなくなって「もうたくさん」と言うと、いばっていたほうが文字通りひざまづいて「行かないでくれ」と哀願するのだ。
2.「弱さ」で支配する
「私は弱くて、たよりなくて、どうしようもない。あなたがいないと壊れてしまう。
だから、あなたは私の面倒をみなくてはいけない。私がしてほしいことをして、私の踏み台にならなくてはいけない。いつでも私のそばにはべっていなくてはてけない」
−弱さのメッセ−ジである。
こういう人は弱さを振りかざすことによって相手を操り、相手より優位に立とうとする。
だが、必ずしも相手との関係に満足しているわけではなく、心のどこかでは相手と別れたいと思っていることさえある。
それはなぜか?
第一の理由は、相手が不機嫌になってはているからだ。
いつも 保護者の役をさせられてうんざりしているのだ。
第二の理由は、この作戦の代価が高すぎるということだ。
たとえ相手が喜んで保護者になってくれたとしても、そのためには自分が常に弱くて無能な人間でいなくてはならないからだ。
3.ひたすら尽くす
だれかが一貫して自分を愛してくれるという確信がなかった。
それで、相手に拒絶されるのが怖くてひたすら尽くしてしまうのだ。
あなたは相手の役に立つ不可欠な存在になることによって、相手が自分から離れないようにして いるのではないだろうか。
それならこう自問しなくてはならない。
「ほんとうに私にできることは尽くすことだけなのだろうか。そういうやり方を私はどこで覚えたのだろうか?
この役割を演じることで私は自分の欲求を否認し、自分の尊厳を冒涜していない だろうか?」
そして、なりよりも重要な問いはこれだ。
「いつでもいそいそと要望に応じる奉仕人の役を降りて、たとえ自分が役に立たなくても尊厳され愛されるかどうか、見捨てられないかどうか見きわめる勇気が私にはあるのだろうか?」
4.罪悪感を抱かせる
体への直接の暴力を除けば、罪悪感を抱かせるほど効果的に人を操作できる方法はない。
親が子どものしつけに罪悪感を使うと。子どもは成人後に罪悪感で人を操ったり人に操られたり しやすくなる。
子ども時母親は、「私の言うとおりにすれば愛してあげるけれど、言う通りにしないと愛してあげない」という、幼児にとっては致命的なメッセ−ジに、こう付け加えたのである。
「あなたが私の言うとおりにしないとつらくてしかたがない。私を苦しめるあなたは身勝手な悪 い子だ」
こういうメッセ−ジは子どもの自我の土台にシロアリを増殖させる。
恋愛や夫婦関係でも、さまざまなかたちで罪悪感が利用される。
つらそうな顔つき、ため息、涙、沈黙など、はっきり言葉で表現されないことも多い。
もちろん言葉にされる場合もある。相手に 罪悪感を抱かせるというのは、ひとつずつ並べてみるとひどく陳腐な嫌味のように聞こえる。
だ が、実際の状況では相手に致命傷を追わせることができる。
メッセ−ジが一貫して特定の相手に向けられると、
「私は良くてあなたは悪い。私は被害者であ なたは加害者だ。あなたは私を傷つけたのだから、私に優しくする義務がある」
というモチ−フ ができあがる。
5.嫉妬させる
嫉妬の感情を持たない人などめったにいない。嫉妬は二種類の不安に基づいている。
ひとつは相手を失うのではないかという不安だ。
これはさまざな欲求をおびやかすが、とくに愛情飢餓レベルの欲求には大きな打撃を与える。このレベルでは、対象の喪失は破局を意味する。
もうひとつは、自分には価値がないのではないかという不安だ。
もし、パ−トナ−がほかの人と深い仲になったら、その人の方が自分より優れているに違いないと思ってしまう。
自分には難点があるから、パ−トナ−はその人に興味を持ったのだと考える。子どものころからの劣等感や兄 弟姉妹との競争意識が前面に出てくるのだ。
もし、あなたのパ−トナ−がこの弱点を知っているなら、彼(または彼女)はあなたに嫉妬させ ることであなたとの関係を強めたり、自分の株をあげることができる。また、あなたのほうも相手の嫉妬を利用して相手を自分のもとに引きとめておくことができる。
しかし、嫉妬を刺激することは効果的であるが危険な操作だ。
嫉妬は良好な愛情関係に役立つ感情とは正反対の感情を喚 起するからだ。すなわち、信頼ではなく不信を、優しさではなく怒りを、好意ではなく敵意を、安らぎではなく苦悩を呼び起こすのだ。
嫉妬していることと愛していることを履き違えないことが大切だ。
出典 ラブ・アディクションと回復のレッスン
ハワ−ド・M・ハルパ−ン著 学陽書房
