共働き
もし、男性にとって職業人として一人前であることがとても重要であるならば、女性にとっては妻や母として家庭的であるということが重要であろう。
このように考えると男性は仕事をアイディンティティとしているので女性よりも職場で燃えつきる率が高く、女性は家庭で燃えつきる率が高いと推測できる。
女性が家庭生活に燃えつきたとしたら、それは彼らが自分の思い描いていたものと現実が違ったためであろう。
しかし、仕事における燃えつきの状態の性差を調べた結果、予測に反して、女性のほうが燃えつき 状態がひどいことがわかった。
たとえば、仕事をしている男女95人を対象にした研究では、男性よりも女性のほうが4倍もひどい燃えつき状態にあると回答している。
このような研究結果はほかにも多数ある、また、職種による結果の違いも研究されている。
ところで、なぜ女性は男性よりも仕事での燃えつきが高いのだろえうか。
この理由は、仕事上でまた家庭で男女それぞれがもつ異なった期待やストレスによって説明することができる。
つまり、女 性が職場で燃えつきやすいのは男性よりも仕事と家庭との両立がむずかしいためである。
家庭と職場の双方からくる過大な要求が女性の最大のストレスとなる。多くの女性がそれらに答えようとする。
しかし、これにうまく対処することができず、葛藤状態に陥り多くの涙を流すことになるのだ。
共働きの夫婦にとってはお互いの仕事に割く時間と家庭に割く時間のやりくりをめぐる葛藤は避けられない。
時間は取り返しがつかないものであり、ふえることがないものだからだ。たとえばどんなにエネルギッシュで賢く、さまざまな能力をもった夫婦であっても、1日に24時間以上の時間をもつことはできない。
そのため、時間をめぐるこの葛藤を解決するための現実的な方法として、仕事や家庭で求められるものをそれぞれリストアップするという方法がある。
さらに、これを1から10までランクづけすることも重要だ。
また、お互いにそのリストを説明し合うこともたいせつである。ともに長い時間を過ごし、互いの ことはよくわかっているという夫婦でさえ、これをすることで驚くほどの結果を上げる。
この要求が現実的なものであるとお互いに自覚した時でさえ、検討を加えるうちに、何が重要であるかに気づき、もはやその要求が不必要だと思えるようになる。
また、別の場合には、その要求は過去には妥当であったとしても、いまでは必要ないと判断することもある。
家や仕事での要求を聞くとき、それらの要求を互いに説明し、みずから課した要求であることを認め、正直な態度で話し合うことが結婚と仕事のバランスをとるうえで最もたいせつな第一歩だ。
恋愛と結婚の燃えつきの心理
A・M・パインズ著 北大路書房
