サイトができるに至った経緯

 思い起こせば、日本語版(邦訳と表記することもあります)1巻の発売当初から、翻訳に対する疑問あるいは不満の声はありました。誤訳、本の世界に入り込むのを邪魔してしまう奇妙に古臭い感覚の日本語文法的な面での違和感など。
 原作が長くなるにつれ、スムーズに読みづらい日本語版は「つまらない、途中で飽きた」と投げ出す人も増え、それは作品(原作)が冗漫になっているせいなのだと思われもしました。

 疑問や不満の声は、巻を追うごとに高まっていたにもかかわらず、多くの人が「こうなったら、がんばって原書を読もう」という方向に流れたためか、きちんとした形で表に出ることは少なかったように思われます。
 ただし巨大掲示板ではハリー・ポッター珍訳スレッドが立っていたほどで、決して鎮静化していたわけではありませんでした。

 日本未発売の6巻を原書で読んだ人たちが集うスレッド(ハリポタネタバレスレ)でも、5巻までの誤訳珍訳についての書き込みは慢性的に続いている状況でしたが、そんな時、6巻のタイトルが「ハリー・ポッターと混血のプリンス」(原題:HARRY POTTER AND THE HALF-BLOOD PRINCE )から「ハリー・ポッターと謎のプリンス」に変更になったとのニュースが飛び込んできました。
 「謎のプリンス!まるで幼児向けの漫画だ」という猛反発の意見が続出し、そのうちに「“俺様”をはじめ、訳語が幼稚。ストーリーは面白いのに、恥ずかしくて大人に勧められない」、「だから日本ではいつまでも子供向けの本扱いなんだ。原作は全く違う」、「日本語がおかしくて大人にも子供にも理解できない部分がたくさんある」、「日本語で、本物のハリポタが読みたい」という声が上がり、翻訳についての意見や疑問を扱う別スレッドが独立しました。

 そのスレッドが立ってみたら、出るわ出るわの誤訳珍訳の指摘。英語が堪能な人からの書き込みに対しては、それを読んで「そのシーンの意味を誤解していた」「そこの意味が初めてわかった、ありがとう!」と驚く日本語版読者の声も続出しました。

 高額な本を購入しても、文章が疑問だらけで、インターネットでやっと疑問が解決する。こんなことでいいはずがありません。ここは日本。日本語版できちんと読めるのが当然です。改訂版を出してほしい。原作から乖離した、脚色版ハリー・ポッターではなく、作者ローリングが作り上げている世界を、もっとリアルに感じたいのです。

 指摘がある程度まとまったら、出版元(静山社)にきちんと申し入れようじゃないか。英国の版元にも「日本のファンがこんな運動をしている」と伝えようじゃないか。そのためには、スレッドを書き込みを整理して、サイトに残そうじゃないか。「ロード・オブ・ザ・リング(原作:指輪物語)」の映画字幕だって、ファンの力で改訂されたんだ。ハリポタファンも頑張ろうよ!

 まとめサイトや、この玄関サイトを作っている個人が発起人なのではありません。大きな流れ、うねりが、これを作ったのです。

 ここを入り口とするサイトは、こんな経緯で生まれました。


 top