≪松本克実と小笠原齋による俳優術研究の実践報告≫
■■■俳優術研究会■■■
俳優には継続的な基礎訓練が必要です。
スポーツや踊りで、基礎をやり続けないものなど、ありません。
俳優だって、
公演や撮影、現場を踏み続けるだけでは基礎は疎かになります。
野球選手は野球の試合だけをやっているでしょうか?
走ったり、投げたり、ストレッチしたり…
オフの時の心身調整の大切さは、
例えば、大リーグのイチロー選手を見てもわかります。
バレエやダンスも、公演の振り付けだけをやっているなんて聞いたことがありません。
芝居の場合、
小劇場には小劇場なりの、
商業演劇には商業演劇なりの、
それぞれの理にかなった訓練のやり方があります。
しかし、「公演(興行)」は、「上演」をすることが目的であって、
かならずしも、俳優の質的な向上が目的ではありません。
大きな劇団には、大抵、養成機関があります。
プロダクションや、その他にも、さまざまな養成機関があります。
各養成機関は、長い伝統や経験をもとに、優秀な俳優を生み出しています。
でも、劇団やプロダクションは、
それぞれの「欲しい人材」を育成するのを目的として、
自らの養成機関を作っているのであって、
やっぱり、かならずしも、俳優の質的な向上が目的ではありませんよね。
俳優のための専門学校や、大学もあります。
各学校は経験豊富な講師が指導にあたり、
俳優に必要とされる基礎を教えてくれます。
卒業までの間、俳優の「たまご」は訓練を積み重ね、
優秀な俳優へと成長していきます。
しかし、もちろん、卒業後の基礎訓練は本人達の自己管理が中心となります。
当然、養成の期間が終了すれば、現場に出ることになります。
また、
養成機関・専門学校・大学には、
来るべき実践の場に向けて、発表公演があります。
発表公演は、俳優の「たまご」に多くの経験を与えてくれます。
しかし残念なことに、
その期間は、基礎を続けるのが難しい状況が生れることもしばしばあります。
そして現場に出た俳優は、
現場に出ている以上、
基礎を訓練する時間は、なかなか取りづらくなります。
さて、
野球の場合、リトルリーグは試合ばかりしているでしょうか?
俳優の場合、スタート間もない時点で、
基礎訓練を続けるのが難しくなってしまう状況があるのではないでしょうか?
そして、
俳優を続けている人にとって、
基礎訓練を続けるのは、
更に難しい状況にあるのではないでしょうか?
日常的に基礎訓練を続けるということは、
よりよい身(心)体状態を維持・調整し、
自身の身(心)体能力を開発・発見することに他なりません。
もし、
基礎訓練を続けなくても良い仕事が出来るのであれば、
基礎訓練を続ければ
更に良い仕事を創り上げることが出来るのではないでしょうか?
この現状を考え、
わたし達は『俳優術研究会』を発足しました。

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