予算と販売展開
現実問題として金が無ければ何も出来ないのがビジネスの世界です。
そして金を管理するのがプロデューサーの仕事です。
プロデューサー入門も兼ねて金銭面について書きます。
開発予算
まず制作予算です。
制作予算の大半を占めるのが人件費、つまり開発スタッフにかかる費用です。
一人にいくらかかるかは場合と人によりますが、平均的な金額を考えてみましょう。
東京で30歳ぐらいの技術者の場合は年収500万円ぐらいが普通です。
(中小メーカーでは300万円以下の人もいるので、一概には言えませんが)
しかし、これはあくまでも個人の収入です。
実は会社は保険、退職金積み立てなど目に見えない金額を個人に払っています。
給料を払う為の法律的手続きなど事務処理にも金がかかります。
そして事務所代、水道光熱費など物理的な費用もかかります。
さらには仕事が空いた時の補填、新人の教育・管理費も確保しなければなりません。
それから開発機材も必要です。
パソコンは最近は低価格化してきたので、これは大きな負担ではありません。
プレステのプログラム開発機材は1台で約100万円します。
それから3Dグラフィックソフトは安くても30万円します。
2Dのフォトショップも10万円です。
こういった機材が人数に応じて必要です。
こうして計算すると給料の2倍ぐらい、つまり1000万円の経費がかかることになります。
中堅クラスのゲーム開発には10人で1年ぐらいが必要です。
スーファミの頃は10人なら大規模でしたが今では中規模です。
単純計算で1人/年で1000万円ならば10人で1億円です。
ファイナル・ファンタジーなどは100人ぐらいで作っているので、
計算するのも恐ろしい開発費がかかっています。
利益
次は利益です。ゲームソフトを一本売って、それが100%利益になるわけではありません。
まず小売店です。平均すると定価の60%ぐらいの価格で小売店に出荷しています。
そしてCDのプレス代金、マニュアルの印刷費、ケース代などが1枚で500円ぐらい
必要です。さらにプレステならばSCEにロイヤリティを払う必要があります。
こうして6000円のゲームソフトで単純な利益は2000円ぐらいになります。
ここから宣伝費、各種経費などを引くと開発に充当できる金額は1000円ぐらいです。
ということは開発費1億円の中堅クラスのゲームならば10万本売れないと
元が取れないことになります。ビジネスとしては非常に厳しいです。
ところで私は開発費1億円という予算にかかわったことはありません。
私が携わったプロジェクトの予算はその半分ぐらいです。
そうすると計算が合いません。色々と苦労している、と言うしかありませんね・・・
現実にパソコンのソフトなどは開発費2000万円ぐらいで作っていることもあります・・・
さらにマルチメディア系だと開発費が数100万円ということも・・・
輸出
輸出に成功すれば売れる本数を伸ばすことが出来ます。
単純に人口で比較するなら米国で売れば日本の2倍売れます。
ヨーロッパで売れば同じく2倍売れます。
単純に計算すれば日本だけの本数と合計すれば5倍の本数が売れるわけです。
アジア諸国も大きい市場ですが、著作権法が希薄、価格差などの問題があり、
正当なビジネスとしては、もう少し時間がかかりそうです。
まあ国によって好みがあるので、売れる本数は場合によります。
また生産、販売は現地の会社が行うので利益率は場合によります。
(現地生産なので、正確には「ライセンス生産」と言うのだと思う、たぶん)
当然ながら言語などは直さなければなりません。
このように国対応にする作業をローカライズと言います。
この作業は新規開発に比べれば短期間で出来るので、利益率の高い仕事です。
最近は世界規模で売れるゲームが多くなってきました。
ゲームの輸出、輸入の専門の会社すらあるぐらいです。
FF8が8等身キャラなのは米国で売るためと言われています。
移植
違うゲーム機種(プラットフォーム)への移植も売れる本数を伸ばす方法です。
少し前はプレステとサターンの移植が良くありました。
最近はパソコンからゲーム機への移植は良くあります。
これはパソコンの方が開発費、宣伝費が安く、ゲーム機の方が売上が大きいので、
先にパソコンで作ってヒットしたらばゲーム機へ移植という展開です。
またゲーム機からパソコンへの移植もあります。
これは米国ではゲーム機よりもパソコンの方が普及しているという事情もあります。
それから複数のゲーム機とパソコンの同時開発という場合もあります。
しかし複数のゲーム機を持っている人も多くいるので、どれだけ売れるかは場合によります。
実際の開発予算
新聞に載っていた2002年と2003年の実際の開発予算です。
全般的に減少傾向にありますが、何故かGBAのみが開発予算が増えています。
PS2
2002年 5900万円 2003年 3900万円
GC
2002年 7200万円 2003年 3800万円
XBOX
2002年 3500万円 2003年 2200万円
GBA
2002年 2500万円 2003年 3200万円
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