米英軍機、イラクを空爆・ブッシュ政権発足後初 【バーレーン16日=山田剛】イラク国営テレビは16日、同国上空を監視飛行していた米英軍機が同日午後8時50分(日本時間17日午前2時50分)ごろ、バグダッドを空爆したと伝えた。米英軍による本格的な対イラク攻撃は今年1月のブッシュ米政権発足以来始めて。クウェート市からの報道によると西側の軍事関係者は同日「過去数週間、監視飛行の軍用機に対するイラク側の対空砲火が激化しており自衛のために防空指令施設を攻撃した」と語った。
バグダッドからの報道によると、同市内では攻撃開始の少し前から空襲警報のサイレンが鳴り響き、次いでイラク軍が夜空に対空砲火を放ったほか数発の大きな爆発音が聞こえたという。
米英両国は1991年からイラク政府によるイスラム教シーア派住民などへの攻撃防止を目的にイラク領内の北緯36度以北と同33度以南でイラク機に対する飛行禁止空域を設定。トルコやサウジアラビアなどの軍事基地を拠点に同空域で連日監視飛行を続けている。イラクは飛行禁止空域設定が国連安保理決議を経ていないとしてこれを認めていない。
米英軍機は98年12月、イラクによる大量破壊兵器査察の受け入れ拒否を安保理決議違反としてバグダッドはじめイラク各地を四夜連続で爆撃。その後もイラク上空を監視飛行中の軍用機が地上からの攻撃を受けたとして軍事施設などを頻繁に攻撃している。イラク政府発表によると攻撃により民間人を含む300人以上が死亡し約1000人が負傷した。
イラクのフセイン政権は湾岸危機勃発から10年以上に及ぶ国連経済制裁にもかかわらず体制に大きな揺らぎは見えず、昨年秋以降アラブや欧州各国が国連制裁を無視する形で相次ぎ航空機を乗り入れバグダッドに訪問団を派遣。駐イラク大使館を再開するなど関係改善に取り組んでいる。
フセイン大統領は今年1月、発作を起こして入院したとの報道が流れたが、1月17日の湾岸戦争開戦十周年記念日に放映した国民向けテレビ演説では「イラクはアラブの敵に勝利した」と宣言。「イスラエルを向こう半年間毎日攻撃することができる」と発言するなど米国や国連を挑発していた。
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