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| 快楽にふけるカレーニナ夫人
| コミック版アンナ・カレーニナが発売(2/16) 【モスクワ=石川陽平】新興財閥の美しい夫人が若き伯爵と不倫の関係に。許されぬ愛の苦しみから逃れるため、快楽にふけり、最後は麻薬におぼれて自殺する――。
L・トルストイ原作の大作「アンナ・カレーニナ」のコミック版が昨年12月に発売され、話題を呼んでいる。
舞台は帝政ロシアの貴族社会ではなく、拝金主義が横行する現代のロシア。筋立ての骨格は原作から得ているものの、黄色の新型フォルクスワーゲンを乗り回すカレーニナ夫人や、派手な服を着てレストランですしを注文する登場人物たちは、ソ連崩壊後の混乱に乗じて大もうけをした「新ロシア人」と称される金満家の姿そのものだ。
出版した創作グループの中心人物、メテリツァさんは「ちょっとした遊び心で作りました」と笑う。新ロシア人に、自分たちの姿が投影された漫画を読んでもらいたかったのだという。「だから値段も(高価なものが好きな新ロシア人が買いたいと思うように)ロシアでは法外な約600ルーブル(1ルーブル=約4円)」。モスクワの街をわが物顔でのし歩く新ロシア人への強烈な皮肉だ。
学会からは「漫画の表紙にトルストイ原作と書いたのは許せない」とさっそく苦情が来たそうだが、初版4000部の売れ行きは上々。今夏にはA・プーシキンの名作「スペードの女王」を同じくコミック版として出版する計画だ。
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