平成14年4月、スウェーデン食品庁が、炭水化物を多く含む食材を高温で加熱して製造した食品(たとえばポテトチップス、フライドポテト、ビスケットなど)に、 アクリルアミドという化学物質が高濃度に含まれていると世界ではじめて発表しました。これはストックホルム大学との共同研究で明らかになったもので、加熱しない生の食材や蒸してつくる食品にはアクリルアミドが見つからないことから、高温加熱によりアクリルアミドが生成すると考えられます。 アクリルアミドは発ガン性をもつのではないかと考えられている物質です。
スウェーデンと同様の結果がイギリス*、ノルウェー*、スイス*、アメリカ* などからも報告されています。 アクリルアミド の存在が報告されたのがポテトチップスやフライドポテトなど、日常的に口にする食品であることや、 アクリルアミド 濃度が飲料水の基準値に比べて高いことなどから、世界中で大きな関心を呼んでいます。しかし、揚げたり焼いたりしてつくった食品に高濃度の アクリルアミド が含まれているという報告をしたものの、これらの政府機関は、消費者が食事内容を変えたり、調理方法を変えるように薦めてはいません。
世界保健機関(WHO)は、6月25日から27日まで、スイスのジュネーブで専門家会議を開催し、食品中の アクリルアミド に関する情報を収集するとともに、今後の対処方針を検討しました。この専門家会議は、食品中の アクリルアミド が健康に関する重要な問題になりうることを確認しましたが、健康に対する影響を評価するにはさらにデータを収集・作成する必要があると言っています。また加熱のし過ぎを避けること、バランスの良い食事をとること、食品中の アクリルアミド の減らし方を探ることなどを勧告しました。それと同時に、食中毒を防ぐため、肉や肉製品などの食品は十分に加熱して食べないといけないとも述べています。
アクリルアミド は容易に 重合 して固まる性質があり、地下工事の際の土壌凝固材、漏水防止剤などとして使用される化学物質です。以前からその使用にかかわる環境安全性や、職業的健康影響、水質基準についての研究調査はされてきました。しかし、どのような食品にどの程度含まれているのか、ヒトが食品中から毎日どの程度摂取しているのか、その摂取が本当にヒトの健康に悪影響を及ぼしているのかなどについては、ほとんどデータがありません。また、どうしたら食品中の アクリルアミド の生成を最小限に抑えられるかについては、現在のところデータがありません。
食品総合研究所では、食品を扱う専門機関として アクリルアミド
の分析を行うとともに、今後、安全性や分析法、調理加工法と アクリルアミドの生成などについて、海外や国内の情報を幅広く収集・解析する予定です。そして、それらの情報をインターネットなどを通じて、消費者や加工業者及び関連団体などに広く提供していくことにしています。なお、この情報公開は食品総合研究所の責任において行うものであり、科学的で客観的なデータに基づくことを前提としています。
2002/ 7/25
食品総合研究所の取り組み
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TITLE:食品中のアクリルアミドについて
DATE:2002/09/30 23:15
URL:http://aa.iacfc.affrc.go.jp/