腹囲測定部位とメタボリックシンドローム

高槻社会保険健康管理センター     徳永勝人  

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 石川県金沢市
21世紀美術館で「内臓脂肪型肥満の発見からメタボリックシンドロームへ」の講演をした。糖尿病患者さんを専門にしている開業医の先生から、メタボリックシンドロームの診断基準にある腹囲測定部位について聞かれた。

「腹囲測定で臍の垂れ下がっている人は、腸骨上縁と肋骨下縁の中点を測定するとなっているが、太っている人も臍の高さでの腹囲を測定した方がよいのではないか。1000人近く腹囲を測定したが、臍が垂れ下がった人では、臍の高さで測定した腹囲の方が中点で測定した腹囲より血糖とよく相関した」と言われた。

現場の臨床を専門にしている人の鋭い指摘である。2005年4月から、内科学会など8学会で決めた診断基準と腹囲測定方法を用いて講演をしている。疑ったことはなかった。私が委員をしている2000年の肥満症診断基準では、単に「臍周囲径」となっていたが、2005年のメタボリックシンドローム診断基準では「ウエスト周囲径は臍レベルで測定する。臍が下方に偏位している場合は肋骨下縁と上腸骨棘の中点の高さで測定する」が加わっている。

太って臍が垂れ下がると、代謝異常は悪化するだろう。しかし、臍周辺の脂肪は下がって、中点での脂肪は減少し、中点での腹囲は縮小するかもしれない。全ての人の腹囲は臍の高さで測定する方がいいのかもしれない。私は30年間臍の高さで腹囲を測定している。

2000年に日本肥満学会で肥満症診断基準を作成した時に、腹囲は臍の高さと決まった。私が肥満研究をやり始めた1978年頃、日本での腹囲測定は臍の高さでされていた。腹部CTスキャンも臍の高さで行っている。内臓脂肪面積も腹囲も臍レベルのデータが最も多く、腹囲測定も臍レベルと決まった。1997年のWHO(世界保健機関)の腹囲測定部位は腸骨上縁と肋骨下縁の中点となっている。ダブルスタンダードがあると都合のよい値を使う可能性がある。

長野県のある健康センターでは2007年3月8日から5月11日まで、保健師さんと受診者自身による臍上腹囲の測定を同時に行い比較されている。男性301人での自己測定と保健師さんの測定では2cm以内の差の人が137人(46%)、5cm以内が254人(84.4%)となっている。女性は261人検討され、2cm以内が79人(30.3%)、5cm以内が160人(61.3%)となっている。自己測定で5cmを越える差が出た人が男性では15.6%、女性では38.7%いる。女性では5人に2人は5cmを越す差があり、自己測定の値の方が低い人が多い。

一番重要なことは同じ部位、同じ人が測定することだ。腹囲が増したか減ったかが最も重要なことだ。一定の部位で測定し、少しでも腹囲が減少するよう努めればよい。2007,7,3


徳永センター長ホームページ

  徳永勝人先生の
    メタボリック教室

徳永勝人センター長
(とくなが かつと)
医学博士

内臓脂肪型肥満の発見者,
標準体重(kg)
=身長(m)X身長(m)X22
の考案者として知られる

1968年
広島県立庄原格致高等学校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業
大阪大学第2内科入局
1983年
米国 南カリファルニア大学研究員
大阪大学医学部 第2内科講師,
市立伊丹病院内科部長を経て
2005年
高槻社会保険健康管理センター
センター長就任

日本肥満学会
肥満症診断基準検討委員会委員
肥満症治療ガイドライン作成委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
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