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肥満児教育とメタボリックシンドローム |
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平成18年12月21日文部科学省は平成18年度学校保健統計調査で、子供の肥満の増加に歯止めがかからないと公表した。小児肥満はそのまま成人肥満に移行する可能性が高いので、日本においてメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が益々増加することが危惧される。 海外でも肥満児の増加は深刻で、オーストラリアのメルボルンでは学校内の売店や自動販売機での砂糖を含んだ炭酸飲料の販売を禁止し、低カロリーの飲料や果物、野菜をおくようにしている。ニューヨークでも同様に学校には高カロリー飲料を置かず、低カロリー飲料にしている。 教育学博士の沖原豊元広島大学学長は著書「心の教育・日本教育の再生」の中で、「子供には学ぶ権利、遊ぶ権利、寝る権利とともに叱られる権利がある。親や教師は子供を叱る義務がある」と記している。南カリフォルニア大学のJ・ドプソン教授は、その著書「勇気を持ってしつけよ」の中で、若い世代を許容的な教育で育成した結果、大きな不幸をもたらすことになったと主張している。 肥満児を持つ親は子供が脂っこいものや甘いものばかり食べすぎるなど食生活の乱れがあったり、家の中でテレビゲームばかりして体を動かしていなければ、当然叱らなくてはならない。教師は肥満児が他の児童が残した給食を食べようとしていたら「このまま肥満がつづくと将来、糖尿病、高脂血症、高血圧など起こし、メタボリックシンドロームになりやすい」と諭し、叱らなくてはならない。その都度叱らないと、その子供は善悪のけじめがつかなくなる。 教育者は食育、体育を通して肥満児が健康な体になるよう指導し、よりよい未来に導く必要がある。長年、学校での肥満児対策を行ってきたが、効果があった例を挙げておく。奈良県S町のある小学校では、校長先生が全児童に毎朝朝礼時グラウンドを周ることを課し、肥満児が激減した。また、大阪府のI市では、保健の先生が熱心に肥満児対策をされた学校で肥満児が減少した。教育者の自覚と熱意が肥満児を減少させると考える。(2006.12.26) |
| 徳永勝人センター長 (とくなが かつと) 医学博士 |
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| 内臓脂肪型肥満の発見者 標準体重(kg) =身長(m)X身長(m)X22 の考案者として知られる |
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1968年 広島県立庄原格致高等学校卒業 1974年 大阪大学医学部卒業 大阪大学第2内科入局 1983年 米国 南カリファルニア大学 大阪大学医学部 第2内科講師, 市立伊丹病院内科部長を経て 2005年 高槻社会保険健康管理センター センター長就任 日本動脈硬化学会評議員 日本糖尿病学会評議員 日本肥満学会 肥満症診断基準検討委員会委員 NHK「きょうの健康」での 講師を務める。 「臨床栄養」2007年1月号 目でみる臨床栄養学 メタボリックシンドローム |