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内臓脂肪ネーミングとメタボリックシンドローム 高槻社会保険健康管理センター 徳永勝人 |
メタボリック教室も今日で100回となる。メタボリックシンドロームの基本となる「内臓脂肪」という言葉は1980年5月に私が創った日本語で、それまでは「皮下脂肪」という言葉しかなかった。ハニカミ王子も鈍感力も、言葉は全て誰かが創っている。 2007年12月3日、インターネットのヤフー検索サイト数「内臓脂肪」は185万件となり、「皮下脂肪」の161万件を越えていた。2年前のヤフー検索サイト数は皮下脂肪が100万件、内臓脂肪が10万件で、内臓脂肪が皮下脂肪を抜くことはないと思っていた。 2006年5月16日の厚生労働省の発表で、あっという間に検索数が18倍になった。本屋に並ぶタイトルも、内臓脂肪の方が皮下脂肪より多くなっている。 内臓脂肪は、腹部臍の高さのCTスキャン像を(1)皮下脂肪、(2)骨・筋、(3)内臓、(4)内臓脂肪の4つに分けて測定したことから始まる。1980年2月大阪大学にCTスキャンが導入され、5月肥満女性患者のCT像で、腹腔内に皮下脂肪と同じ濃度の場所があることから内臓脂肪の測定を開始した。 CTスキャンは当時貴重品で、CT装置で直接面積を測定することができなかった。CTフィルムをブルーコピーに焼き、ブルーコピーを普通の白黒コピーにした。CT像のコピーの皮膚のラインをハサミで切り、腹部総断面の重量@を微量天秤で測定した。 次いで腹筋の外側のラインを切り中の重量を測定A、腹筋の内側のラインを切り中の重量Bを測定、腹腔内の腸管など脂肪の濃度でない部分を切り取って残りの重量Cを測定した。@−Aを皮下脂肪、A−Bを筋+骨、B−Cを内臓、Cを内臓に対し「内臓脂肪」と名付けた。それぞれの重量から面積を算出した。 垂井清一郎先生に「内臓脂肪より、もっとスマートな言葉はないのか」と言われたことがある。カナダではディープファット(深部脂肪)、欧州では腹腔内脂肪と呼ばれている。 石川勝憲先生、首藤弘史先生達から引き継いだ肥満研究を、藤岡滋典君、下村伊一郎君、前田和久君らに引き継ぎ、船橋徹君、中村正君、木原進士君らに引き継がれている。 100回はあっという間だった。書くために外に出る。書くことで新しい自分探しをすることができた。白鷺が用水路の餌を求めて戻ってきた。高槻に3度目の冬が来た。(2007,12,6) |
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