2型糖尿病ワンポイントアドバイス 徳永 勝人先生
高槻社会保険健康管理センター       センター長 徳永勝人   
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 平成181118日京都国際会議場で行われた第43回日本糖尿病学会近畿地方会(葛谷英嗣会長)の表紙は竜安寺にある「吾唯足知」のつくばいが使われた。中心にある大きな孔を「口」の字にすると上が吾、右が唯、下が足、左が知となり「吾唯足るを知る」となる。これは禅の考えから出たもので、奧の深い言葉である。

日本において糖尿病はこの30年間で30倍と増加し、これは過食と運動不足によることは、まぎれもない事実である。糖尿病は、やせから肥満、インスリン分泌不全からインスリン抵抗性、細小血管症の病気から大血管症の病気に軸足が移ってきている。

200611WHO(世界保健機関)は2030年の世界の死因1位は虚血性心疾患、2位脳血管障害、3位エイズという予測を出しており、1位、2位の動脈硬化性疾患予防における糖代謝異常コントロールの意義は大きい。

人間にとって金銭欲、地位への欲などいろいろな欲がある。欲は人間にとって必要な物であるが、欲にはきりがなく欲が強すぎてもよくない。メタボリックシンドロームのキープレイヤーである内臓脂肪も欲と同じで、人間にとって生きていく上で必要ではあるが、内臓脂肪が過剰に蓄積すると糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化症など引き起こす。

糖尿病、メタボリックシンドロームの予防と治療は食べる量を減らし、運動することが必要である。しかし、人間の欲は強く、おいしそうな物があればお腹一杯まで食べ、少しでも楽をしようと自動車やエスカレーターに乗ろうとする。

動物では食欲の中枢である摂食中枢(視床下部外側野)を破壊することにより簡単に痩せさせられるが、人間ではそうもいかない。物が溢れる現代社会において、過剰な欲を減少させるのは容易ではない。糖尿病学会近畿地方会で使用された「吾唯足るを知る」は、糖尿病の大きな要因である欲(食欲など)を減らすという難しい課題に対する1つのヒントになるかもしれない。(2006.11.30)

徳永勝人センター長
(とくなが かつと)
医学博士
CTスキャンによる内臓脂肪の発見者,
標準体重(kg)
=身長(m)X身長(m)X22
の考案者として知られる

1968年
広島県立庄原格致高等学校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業
大阪大学第2内科入局
1983年
米国 南カリファルニア大学
糖尿病・臨床栄養科研究員
大阪大学医学部 第2内科講師,
市立伊丹病院内科部長を経て
2005年
高槻社会保険健康管理センター
センター長就任

日本糖尿病学会評議員
日本肥満学会
肥満症診断基準検討委員会委員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
「臨床栄養」2007年1月号
目でみる臨床栄養学
メタボリックシンドローム