偉大なる最果ての島 グリーンランド旅行記 ★★★★★

プロローグ

 

■なぜグリーンランドへ行こうと思ったか

 

長い静養生活を送っている私に、11月上旬のある日嫁さんが突然こういった。「ひとりで海外に行ってのんびりしてきたら?」どうやら嫁さんは、私が住んでいたロサンゼルスあたりを指して、ゆっくりしたら気もまぎれるんじゃないかな、という発言だったようだ。しかし私は「海外?ん〜いいね〜。どうぜ行くなら、普通に行けない体験をしたいな」と考え、以前から興味のあったオーロラを見る、ということに絞って勝手に候補地を選んだ。

日本人が選ぶオーロラ観光は、ほとんどが晴天率の高いカナダのイエローナイフで、ここはパッケージもたくさんある。最初は私もここを有力候補にした。さらに、フィンランド、アイスランドなどオーロラで有名な土地を候補にした。さんざん調べるうちにいくつかのことがわかった。イエローナイフは、ほとんどの観光客が日本人である事実。アイスランドは雨が多いこと。フィンランドはオーロラ以外の観光が多くてじっくりとはできない。なんか、どれもイヤだな。急浮上したのが、行っても週に日本人が23人しかいかない、厳しい自然以外は何もない、という最果ての地・グリーンランドだ。何もない、ほとんどの人が知らない、ということに極めて興味をもった。自然の大きさを体験できるイルリサットと晴天率のとても高い(オーロラが見えやすい)カンゲルルスアークの2都市に宿泊するプランに決めた。グリーンランドと日本の時差はちょうど12時間。全く地球の反対で、ブラジルのリオデジャネイロと同じ時間なのだ。

パッケージを探すのは苦労しなかった。インターネットで検索した結果、グリーンランドを扱っているパッケージ(航空券と宿泊手配)の取扱い会社はJTB、日本トラベル、地球の歩き方、ゴールデンスカイトラベルの4社であった。ほかは、あてになりそうもない。また、どの会社も日程やホテルあるいはグレードなど、ほとんど同じ内容である。全てを個人でネットの最安値料金で調達する「自前大作戦」も選択肢のひとつにした。どうせ一人旅、そこそこの英語でも大丈夫だ。迷子になるなんて、絶対にない。さて、代理店。JTBは、大会社の安心料で高額であることは知っていたので、まず脱落。本当に20万円近く高かった。あとは見積り依頼を出す。ひとり料金は、ふたりが旅行する場合の料金よりも6-7万円も高いので、それも勘案する。諸々考慮の末、日本トラベルが最も安かったので決める。日本トラベルには、手配さえしてくれればそれでいい。ほかのサービスも何も期待していない。現地での楽しみ方は、現地のエージェントと直接交渉すればいい、という情報も手にしていたし、概ね何ができるかもサイトで見つけていた。グリーンランドの情報もすでにグリーンランド航空とグリーンランド旅行用のサイトで調査済みだった。それにしても、ひとりよりも2人の方がはるかに安いから、次回はひとりはやめよう。

 

 

■前日のドタバタ劇

 

今回のグリーンランド行程は、デンマークのコペンハーゲンを経由するためスカンジナビア航空とグリーンランド航空を利用する事となっていた。事前の調査で、グリーンランド航空というのは、世界で最も正規料金しか取り扱わないし、マイレージもつかない、そして荷物の重量制限が世界一厳しい(全部あわせて20キロ以内)ことで有名なのだ。とてもイヤなイメージがあったが、このグリーンランド航空に対するイメージは、後日すべて吹き飛ぶほど、私にとって世界で一番素晴らしい航空会社になる。

さて、旅行前日午後からパッキングを始めたのだが、−20度の世界に行こうとしている荷物だ。少々で済むわけがない。冬服以外は持っていかないのだが、それでも私のもっている大きいスーツケースと、機内持ち込みを合わせると、合計重量が30キロ近くになってしまう。コペンハーゲンで荷物を捨てろ、と言われたらかなわないので、結局、午後7時になって熊谷駅(車で10分)まで軽量中型スーツケースを買う事を決める。8000円の割りあいいい感じの軽量スーツケースを購入した。それでもスーツケースは、本体4.5キロ、中味11キロの合計約16キロと、手荷物ではパソコンや電圧器、細々としたものなど約7キロの合計23キロまでに減らすのが精一杯だった。「もういいや」と午後10時頃に決断をし、パッキングを終了させた。このドタバタ劇が、後の楽しさを演出してくれるとは思わなかった。

 

 

1)プロローグ・どうしてグリーンランドか?

2)移動;スカンジナビア航空とシベリア

3)ハプニング!コペンハーゲンの夜

4)いよいよグリーンランドへ

5)氷山と犬ぞりの町、イルリサット

6)誰にもできない、超・驚・体験!グリーンランド航空

7)オーロラの町、カンゲルルスアーク

8)氷の国グリーンランド

9)中世の街・コペンハーゲンとリトルマーメイド