世界最大、氷山の町イルリサット
■1.早朝から
ゆうべは12時過ぎに寝たのに、6時には目が覚め外を見る。まだ夜だ。星がたくさん見えるがオーロラは出ない。持参したカフェオレ、豚キムチスープ、ココアを飲み7:30、まだ外は暗いが朝だ。昨夜10時と今朝6時にホテル内の無料インターネットでメールチェック。なんと日本語が読める!こんなにyahooBBにして良かった!と思うことはない。親しい人を中心にメールのやりとり。見えたよ!と報告ができたらどんなに素晴らしいことか!ずっと外を眺めたり、時々外に出てチェックしてを相変わらず繰り返す。今日は、折角のグリーンランド。ここでしかできないことをしよう!氷山クルーズと犬ぞり体験だ!おっ、昨日の頭痛が消えている。佐竹さん(つつぷらぷら東北編参照)に絵葉書を出す。絵葉書が1枚10K(200円)で切手が7K(140円)。う〜ん、物価の判断がしにくいなあ〜。
■2.氷山クルーズ
これはとてつもなく良かった!びっくりすることばかりの2時間だった。小さな漁船程度の大きさの船は、英語の達者なキャプテンと観光客は私だけだ。およそ2時間のクルーズ。イルリサットは世界最大の氷山(60km)があり、さらに次々と氷山を生み出す内陸河川から海に注ぎだす地点にあるため、1年中いや永久に氷山が産出される土地なのだ。係留されていたところから15分で氷山の手前に着く。氷山は白くなく青い。青くなく白い。すごい。白さ、飾りのない美しさが目の前にそして四方に広がっている。
海中に漂っている氷山のかけらをすくって、船上で割る。割ると「すっ」と雲母のごとくきれいに剥がれる。これが層で、年を経て圧縮されているのだ。一口サイズにして氷山のかけらを口に含む。キャプテンいわく、5000年前のピュアウォーターだそうだ。海水も何も混じっていないそうだ。ん?本当に水だ!何の疑いもなく水だ!いや、水、とは真に水だ!エッ、水ってこんなに水なの?何の混じりもなく「水」なのだ。あ〜、こんな自分でありたい。本物とはこういう事なのだ。
青い線が氷山に走っている。キャプテンに尋ねる。キャプテンは「クリスタル」と表現している。氷山が形成される年月の間、わずかなズレが生じることがあるそうだ。そのズレが、青い線になって現われる。「ちょっと待って」キャプテンは海中を再び何か探している。と、何か塊を発見して船上にすくった。氷山の一部であるが、先ほどのかけらと違って、完全に透明だ。透きとおっていてきれいだ。何という美しさだ。これは無色の美しさだ。氷山ではこれが線となって青く見えるのだそうだ。これを「青」というのだ。我が日本では「青はこれを藍よりとりて、藍よりも青し」ということわざがあるが、ここの青は輝かしい青なのだ!
キャプテンは観光客向けの氷山クルーズと、夏は写真を撮るなどの研究をしているそうだ。私が行った前の週に、若い日本人観光客が3人乗船したのだそうだが、英語がまるでわからなかったため、説明をしても聞いてもらえなかった、グリーンランドの素晴らしさは理解されなかった、と寂しそうに話をしていた。私も決して英語は上手ではないが、中学生英語くらいはわかったほうが楽しいだろうに。キャプテンは、20年前と比べて氷山も小さくなった、という。氷山を見ているだけで、地球が暖かくなり、氷山の高さが随分低くなったことがわかるようだ。観測によると1940年代では-45℃が2ヶ月続いたそうだ。ちなみに今日は-5℃くらい。近代化や便利さが、美しさや真の姿を消しているとすれば、すなわち、破壊しているのだ。もう本物を見ることができなくなる。
■3.犬ぞり
最初は気乗りしなかった。本当に遊びに来ているみたいで。しかも、ただ、犬にひかれるだけのようで。が、なんというアドベンチャーだ。どんな遊園地のアトラクションも犬ぞりにかなうはずがない!十数頭のグリーンランド犬に、ガイドのイヌイット(グリーンランド人)と私が乗れる大きめなそりが引っ張られる。事前にグリーンランド犬はどう猛なため、犬の前で寝そべると食べられるよ、と言われ、少々怖かった。イヌイットは英語が話せないので、これもまた心配だったけど。雪原を走る。山のほうへ向かっている。とうぜんながら、道ではない。氷原を走る。山道はそんなに急ではないが、ゴツゴツした山肌を抜ける。道なき道を風をきって滑走している。急な登りでは犬もあきらめ半分になるのでガイドが後ろから走りながら押す。息をゼイゼイさせながら。そりが岩にガツンガツンあたる。とにかく気を許せない。気を抜くと転んでしまいそうになる。決して気楽ではないけど、そこが楽しい。スピードがあがれば冷たくそして寒くなる。防寒具のフードをし、チャックを口元まで締めたくなる。そうそう、グリーンランド仕様の防寒具と防寒シューズは、今日一日分、エージェントのシルバーが無料で貸してくれた。自分で用意してきたジャケット程度では凍え死んでしまうって。
下り坂や氷原では、犬が雪を蹴って進むため、サングラスが必要だ。カーブや岩地では両手で必死になってひもを持つ。岩にそりがぶつかれば身体のバランスも両手も足の踏ん張りも必要だ。犬は主人には従順だが、いつも同じではない。時に休もうとし、時にサボり、時に仲間からはずれ、時にひもにからまり、自分で解決している。主人(ガイド)は、犬に対して家族、というよりは召使いという感じで接している。あくまで仕事なんだな〜。今日1日で、フィジーに出かけた1週間に完全に勝った。グリーンランド圧勝!
■4.相変わらずアクシデント
夜7時、オーロラ今日こそ見られるかな、と楽しみにしていたら雪が降ってきた。ホテルから見える町のあかりも全く見えない。ダメだ。メールをする。俊介に女の子が誕生したそうだ。おめでとう。明日は朝一番で移動だ。荷物の整理をして寝よう。
ん?ない!(午後10:30)。サングラスとカメラケースが!そうだ、シルバーに借りたウォームジャケットの中だ!電話だ!ん?電話はどうすればかけられるんだ?電話番号はどうすればいい?そうだ、もらった名刺だ!モバイル(携帯)だ!夜だけど大丈夫かな?
「ハロー、夜遅くごめん、実はジャケットにサングラスとケースを忘れたんだ!どうしたらいい?」
「大丈夫だ、明日の朝は何時に出発だ?」
「ホテルを8時に出る予定だけど」
「ノープロブレム、朝までに届けるよ」
「シルバー、ありがとう」
ふ〜ひと安心。パッキングして寝よう。オーロラは完全にダメだ。