グリーンランド内陸部の氷河を行く、温暖化が進むと溶解して低地が沈むもとに立つ
■1.地球環境を知ろう
二酸化炭素の排出を世界各国が協調して抑制しよう、というのが京都議定書の主旨だ。それに基づいて我が家も太陽光発電にして地球環境の保全化に努めている。しかし、行政は30万円の補助金を出してkれたのはいいが、せっかく貢献している人に対し固定資産税の項目で毎年余分に税金を搾取している。日本というのはこのような国なのだ。
二酸化炭素が多く出されると地球温暖化が進む。すると海面に近い地域、例えば東京の下町一帯や港町、オランダやモルジブのような低地にある国々など水没する可能性が高くなるし、生態系に大きな変化をおよぼす。2005年のハリケーンで水没被害にあったニューオーリンズは記憶に新しい。直接の原因は氷が解けることだが、この地球上の氷の多くは南極や北極だ。しかし、これがある程度解けても甚大な被害にならないそうだ。問題はグリーンランド内陸の氷河(氷床)が解けることが地球を変化させるのだそうだ。
■2.閑話休題
前日の興奮さめやらぬまま、セットした7:30よりも早い7:00前に起きる。夜中にも一度起きて、窓の外に広がるオーロラを確認し、安心してまた寝た。起きた直後にもオーロラが出ていたが、さすがにもう薄くなっている。
今日は、内陸部の氷河に行くツアーだ。サファリも期待できる、という。適当に朝食をとって、シャワーのところで洗濯をして、荷物の整理をしすぐに部屋を出た。フロントにキーを預けようとしたら、その前に見知らぬ人に声をかけられた。「トキオ?」。ん?どうしてわかったんだ?顔に名前が書いてあるのか?この人は氷河ツアーを案内してくれるツアーガイドでピーターという名の現地人だった。9:00に一緒にツアーに行く、というドイツ人と合流。四輪駆動に乗り込んだ。
ひたすら原野を走る。道はくねくねしている。途中、Musk Ox(じゃこう牛)、白キツネなどを見かける。帰りにはトナカイもいたが、日本で想像する「サファリ」とは違い、最初は「エッ、どこにいるの?」というくらいよ〜く見ないと発見できないのだ。ピーターはハンターなので、荒地を運転しながら即座に見つける。この視力(まさに力だ)たるやスゴイ。雪の中で白キツネは全くわからなかった。これが本当のサファリなんだろうな。山岳地帯だ。湖も完全凍結している。12月だもんな。2時間進んだ。ここで降りろ、という。ジャリ道のちょっとあるスペースに車をおいた。「そこが氷河だよ。」
最初私は、氷河に行ってどうするんだ?ぐらいにしか思っていなかった。氷河をかなり甘く見ていた。しかもかなり寒い。
行って、驚いた!!本当に氷なんだ。氷で山が形成されているんだ。下はすべて氷なんだ。いつの間にか、私のまわりは全て氷の世界。少々雪が積もっているところがあって、その雪がなければとてもとても歩くことができない。簡易スパイクがあるスノーシューズを履いていたけど、まったくダメだ。ドイツ人は、なんと革靴だ!
氷原があり、氷河がある。小高いところへ行った。とてもきれいな景色だ。ずっと氷なのだから。
この氷で、オンザロックにする、と言ってたが良く分かる。砕いた氷を口に含む。おとといと同じPure water(純粋な水)だ。極めて寒いので、大きな氷を口に入れると唇がくっついてしまう。小さな氷はとてもおいしい。気温は-20から25度だ。
この透き通った山をして、氷河というのだ。360度、見渡す限り氷河なのだ。
とても勇敢な男がいた、という話題になった。植村直己の話だ。グリーンランドを犬ぞりで単独縦断した話だった。私も知っていたので、ひどく盛り上がった。ピーターは、ウエムラはモノスゴイ人だ、とほめちぎっていた。この氷河の中をたったひとりで数千キロを走破したのだから。自分の足で氷河に立つと、その偉大さが本当によくわかる。困難の連続だったことは容易に想像がつく。イヌイット(グリーンランド人)から日本人の名前がでて、素直にうれしかった。そのついでに、グリーンランドに永住している日本人がグリーンランドの一番北にいる、という話題にもなった。この人はイヌイットと全く同じ暮らしをしていて、ホッキョクグマやアザラシなどをつかまえる猟師だそうだ。ピーターは1,2回会った事があるといっていた。
■3.友達になる
ピーターとドイツ人と私の3人は、道中意気投合し、ツアーが終わってから、ピーターの家に招待された。このような経験はめったにないので、食事に呼ばれることにした。家はどんなんだろう?と思ったが、ヨーロッパ調の(あたりまえか)立派な3LDKの大きなアパート(マンション)だった。生活も、いたって普通のサラリーマン風だ。ピーターのハンターとしての腕前をパソコンの画面で見た。トド、75キロの魚(イヌイット語の魚名しかわからないので不明)、イッカク(クジラの一種)、トナカイなど。それにしても優雅な生活にパソコン生活だから、グリーンランドの猟師もあなどれない。
食事はトナカイのリブだ。甘く味付けてくれて、いや、これもビックリ、とてもおいしかった!
そしてドイツ人。タイに住んでいて、この人もビックリ。ものすごい旅の達人で、私と歳はあまりかわらないだろうに、世界のほとんどの地域に行ってるって!行ったことがないのは、中央アフリカ、アフガニスタン、イラク、フォーク諸島だけかな、だって。全部紛争地帯だよ。つわものだ。どこが一番良かった?と訊ねたところ、ブラジル、と即座に答えてくれた。コンピュータソフト会社の社長をしているこのドイツ人と友人になれただけでも収穫。私はまだまだ青いのだった。
■4.さあ、オーロラタイムだ
午後8:30。ドイツ人の友人に教えてもらった場所、すなわちホテルから10分ほど歩いた小高い丘にあがった。周囲は何もなく、よく見渡せる。45分間いた。カメラのセッティングをしていると、素晴らしいオーロラが次々と現れる。昨日よりもはっきりと映る。見える。
場所を変えず、オーロラの現れる方向にカメラの向きだけ調節するが、昨日よりも自分が落ち着いているので、より集中してながめることができた。カメラはもちろん撮るのだが、カメラには限界がある。
今日は南からと、東から、多くのオーロラが現れた。ちょうどこの丘からは正面だ。
ひとつひとつのオーロラが現れる時間も長かった。
カメラの充電がなくなったので、戻ることにした。
昨日は、最終的に10枚の写真を残したのだが、今日は26枚が残せた。特に最後の方は、複数のオーロラが大きく現われ、なんとも尊大だった。
戻りながら写真を写すことはできなかったが、まさに、オーロラが降ってくる、感じだった。
「あ〜オーロラが真上から降ってくる!」と感嘆の言葉がでてきた。
■5.また行きたくなった
そして、午後11:00すぎ。どうしても、またオーロラが見たくなり、丘にいった。(この気持ち、わかるかな〜)
何か、感じるもの、がない。しばらく様子をみるが、なんとなく小さなオーロラが東に現れるが、すぐに霧散する。2,3回それが起きたあと、完全に見えなくなる。空は晴れて星がよく見えている。
さっき、もう少し粘ればよかったかな、とも思ったが、すぐに、「いや、充分だよ。自然は寛容ではないんだ」と思う。
そう、自然は誰にでも平等であるが、寛容でない。
空に向かって、両手を合わせ感謝をし、大声で歌を何曲か歌い、セルフタイマーで記念撮影をして終わる。残念ながら、記念写真はボケボケだったが。
今日は12月何日だろうか?夜1:40。明日、あさってのコペンハーゲンに対する気持ちは残っていない。
全てがあふれてしまった。そのあふれる方向に対しての欲求と興奮をもつ。
■6.興奮して突然起きた
またまた突然、朝5:45に起きてしまった。夕べ寝たのは2:00だったのに。外に出て20分あまり、オーロラは現れなかった。真上は星空だったが、四方は雲がかかっていた。特別な感情は何もない。
矢野、おまえ、盗塁をしようと思って速くなりたいなんて甘いよ。速いスイングをしたいと思ってバットを振っていたら本当の速さは生まれないよ。
俊介、おまえ、人をだまして投げようなんて思うなよ。ボールをどうしようなんて思っているうちは甘いよ。自分が自由に動けたら、ボールはいつの間にか現われ、いつの間にか消えてゆく。そんな自然の中にあれ。純粋に動けば、結果はいつでもより美しくなる。ぶれれば人はがっかりするだけだ。
今ならよりまっすぐな心の高さで動けそうだ。いや私自身もっと純粋に進みたい、より成長したい。