1993年秋の出来事です。いまだ日本のスポーツ行政は低いレベルを迷走していますが。東京・葛飾区スポーツセンターは、陸上競技場 や水泳場などを併設した総合運動場です。当時、施設は最新で 、とても清潔で素晴らしいところでした。当時、アメリカで修業を終えたばかりの私は、室内プールでウォーターエクササイズをするため訪れました。私は競技スポーツの基礎トレーニングの第一人者から仕込まれましたので、それを日本でも続けたかったのです。これをするために、上体が浮いたまま進む必要があったのでアメリカから持ち帰った「アクアジョガー」という腰に柔らかいスポンジで出来たベルト状のものを巻きます。プールにはいる前に注意書きを確認しました。
「目がねや時計はかけないでください」
「浮輪やフィンなど人に迷惑のかかる遊具は使用しないでく ださい」
「飛び込みは危険ですのでしないでください」 など、日本にありがちな、ネガティブセンテンスの塊です。
私がしようとしたことは、絶対に他人に迷惑がかからない(つまり浮輪とは違って、自分の脇からはみ出ない)し、私のする動きは、歩くか犬かきのようなものでしかありません。しかも、25m の室内プールには5人ほどしかいませんでした。プールに入って5分ほどたったところで、赤帽をかぶったお兄さん数人が集まって協議しています。やがて私のところにきて、
赤帽 「すみません、遊具は禁止なんです」
私「これは遊具ではなく、健康や運動能力改善に必要なものです」
赤帽「すみません、 わからないので一応プールからでて話をしてくれませんか?」
私「責任者はいるんですか?」
赤帽「館長がおります」
私「では、話をしましょう」
あ〜なんで誰に迷惑もかけてなくて、純粋にプールで楽しみたい私が、こんなことで中断させられるのかわからない。ひとまず着替えた後、応接室に通った私は、このプールの館長と直接対話。
私「遊具と人に迷惑のかからない補助具は違うんですよ」
館長「私どもには、よくわかりません」
私「これ(アクアジョガー)はアメリカで認められている安全に運動するための補助具です。私は一生懸命身体にとっていいことをしたい、と考えているだけですよ、健康を保つのは日本国憲法にも保障されているんですよ」
館長「すみません、この施設のルール以外はダメなんですよ」
私「ルールは臨機応変に対応するのが、社会通念ではないですか、ましてや世の中にプラスに対する方向を、よしいいだろう、というくらい の権限が館長にはおありでしょう?」
館長「いえ、この施設の ルールを決めたのは私ではないし、所詮私は役所の人間ですから、いま許可することはできないし、わかりません」
私「、、、そんなバカな!」
結局この会話を3度繰り返しました。水掛け論などで、帰りました。施設利用料を返してもらえば良かった、とあとで後悔。笑っちゃうでしょ!赤帽が「面白いのつけてますね!何ですか?教えてください」といえば、日本に競技用のウォーターエクササイズは私が広めますよ。館長が赤帽に向って「おい、楽しそうだぞ、今日は人数も少ないからちょっと一緒にやってみようよ」と言えば世の中は変化するんですよ。でこの時から12年、まだ日本はフィットネスクラブのアクアビクスや水中歩行程度しかやってないでしょ。バカらしいで すね。ものすごい目的と効果があるのに。こんな「責任とるのが嫌」館長がいる、といのはスポーツを理解していない証拠です。
ちなみに、2001年ヒゲ谷川と埼玉県熊谷市の室内プールに行って、アクアジョガーをつけてトレーニングしたら、何も言われず穏便に帰ってくることができました。