2003年6月5日(木)あのいまいましい事件は起きた。私が日本の体育施設管理者を嫌いになった大きな原因のひとつがここ にある。新宿駅からわずか2駅、小田急線参宮橋駅から徒歩5分ほどの素晴らしいロケーションに、「独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター」がある。東京オリンピック(1963年)で選手村と して使われた施設で、数年前大幅に改修され、宿泊、研修、会議、体育館 と素晴らしく近代的な作りの公共施設だ。
初夏の日差しの中、私は新潟県のある学校の依頼で、青少年セ ンターにおいて講習をすることになっていた。スポーツ実技指導なので 、このとき青少年センター内にある「多目的広場」で運動処方を教えていた。 「多目的広場」とは、体育館や会議室などのように事前予約をする必要はなく、当時のルールでは口頭で使用する旨を伝えれば、センター利用者は使用することができた。もちろんこの広場は、みんなで健康作りのために使用しましょう、とうたっていた。付け加えるなら、この新潟の学校は、生徒・職員全員がこのセンターで宿泊をし、大会議室も講義用で予約・利用をしていた。備え付けの体育館にしても使いたかったが、先に予約が入っていて使えなかっ たため仕方なく多目的広場を使用したのだ。前年(2002年)にも全く同じ状況であり、この時は、青少年センターから気持ち良く使用させてもらって、「いい施設だね」とみな満足したも のだった。
午前9時からスタートした私は、10時頃学校の先生から突然講習の中止を命じられた。何が起きたのか、まったくわからなかった。3度目の説明でわかった。どうやら開始早々にセンターの職員から学校の関係者(利用責任者)に注意があったというのだ。
センター 「ここで運動をしてもらっては困ります」
先生 「昨年までは良かったんですよ」
センター 「いえ、使ってはダメだ、と新しい上司(Wさん)が言うので」
学校 「去年まで良かったのに、だめになった根拠は あるんですか?」
センター 「いえ、例えば緊急時に避難する場所がなくなるかもしれませんし、散歩している方が簡単な体操 ができなくなるかもしれないので、というのが理由なんです が」
学校 「それは、多目的広場では運動をするな、というセン ターの方針なんですか?」
センター 「上司がダメ、というので 」
そのまま私は一方的に仕事を中断され、実技をこの場所で行うこと は一切できなくなりました。こんなバカな話を皆さんはどう思いますか?センターの言い分である「災害が起きた緊急時」にそのまま平気な顔して運動するマヌケはいませんよ。散歩している人が体操するスペースは、東京の一等地であるにもかかわらず、とてもきれいで広いセンター内にあり余るほど残ってますよ。(ここに行ってみてください。)オリンピックを記念して残された青少年育成のための施設が、スポーツの正しさを一生懸命広めようと頑張っている、しかもお金を出 して宿泊も食事もして利用している青少年団体に対して、「誰も使っ ていない広い場所を使うな」というんですから。
独立行政法人ですから、このどこ かの省庁から転属されて課長になった名前を言いたいくらい腹が立つWさん、そしてこの理不尽なことに反論もできない、そして謝罪ひとつできない職員の旧態依然としたお役所体質。自分がオーナーではないのに、「この施設は俺たちが使わせてやってるんだ」という姿勢がはっきりと見えているんですよ。これでは日本のスポーツや教育が良くなるはずないでしょ う。教育やスポーツが悪いのは、あなたたちのあり方のせいですよ。アメリカで、ヨーロッパで、世界中でこの話をしてみてください。私の知り合いの外国コーチに話したら、「そんなことありえないよ」といって笑って誰も信じてくれませんでした。「使ってくれてありがとう、もっと便宜を図るからね」からスタートしてるんですから。日本の恥ですよ。 日本の道徳はどうなっているんですか?あ〜なさけない。もちろん、勘違いしてほしくないのは、施設管理者の中でも素晴らしい方はたくさんいる、ということです。利用ができない場合でも、きちんとスジが通っているのです。それにしても私は、このことを決して忘れません。私の人生で最も不愉快な出来事のひとつです。
→前に戻る