烏龍茶と小龍包

烏龍茶で大成功

 

 台湾と言えば、お茶の国。お茶、烏龍茶、コーヒー、紅茶ととにかくお茶を飲む習慣が日本よりも多く、見かけるお店の数もずっと多い。 そのお店の種類も豊富だけれど、台中の中でも有名な、日本で言う喫茶店をさらに品良くした感じのお茶屋さんに行きました。台中市の中心にある「有為草堂」。 古い木造の建物と池を囲んだ作りは、町中であることを忘れさせるくらい穏やかな風情を醸し出す。 1階はお客さんが多かったので、私と連れはゆっくりと時間を楽しめるよう2階の人気(ひとけ)の少ない静かなテーブルに着く。メニューには数種類の烏龍茶やお菓子が並んでいる。私「お茶の種類でどう違うのですか?」お姉さん「高い山の良い銘柄のお茶は、香りが素晴らしいです」私「そんなに違うの?」お姉さん「はい、一番良いものは世界で一番香りの良い最高級の烏龍茶です」

  こんな機会もめったにない事なので、希少価値が高く最も値段の高い「杉林渓」を選ぶ。このお店はコップ一杯の値段ではなく、一筒のお茶ごとに値段が設定されている。二人で450元(約1500円)。 お姉さんが「お茶の入れ方をご存知ですか?」と日本語で聞いてきたので、私たちは即座に「いいえ」と正直に答えた。正しく美味しい飲み方を教えてもらおう!

 さてそれから数分たち、木の机の上にお茶の道具が用意され、小さな火鉢にやかんが乗せられた。 私たちの五感はお姉さんの行動全てに傾けられた。その一連の仕草は、私たちの期待を裏切らなかった。それぞれが小さい道具の品の良さ、烏龍茶を急須に入れる量、道具を温めること、最初の出したお茶を捨てることや理由、お湯を入れる時間、小さな細長い湯のみにお茶を入れる、すぐに移し替える、、、、、、、ようやく烏龍茶にありつけた。が最初にお姉さんに言われたのが、「どうぞ香りを楽しんでくだ さい」。「ん?」空っぽの小さな細長い湯のみのにおいをかぐ。

 「お〜」 ビックリだ!なんとも香しい(かぐわしい)!はっきりと、かつ 、しっかりと感じられるにおいだ。あ〜これが本当の烏龍茶か!色は黄色がかっている。茶色ではないぞ?さて、初めて飲む。あたたかく、ほっとする味だ。苦みのかけらもない。あ〜これが本当の烏龍茶か!お姉さんが2杯目は10秒ほど長くお茶をだすと教えてくれた。これまたうまい !烏龍茶は香りがすべてだ、と初めて知った。そして私たちは烏龍茶の入れ方と飲み方にひどく感心をもったのだ。お茶は味だけではダメだぞ。

   

 

小龍包は大失敗

 

 台湾と言えば、小龍包。日本で台湾のツアーを探すと、ほとん どのツアーが「台北3日間35000円!小龍包付きツアー」といった感じだ。

 かつて、横浜高島屋で食べて驚くほどおいしかった「ティンデファ ン」。ここの小龍包は衝撃的だった。ひとつひとつがアツアツでふんわりして、 プワーッと味が広がって。一緒に食べた森口陽登美さんもひと きわ驚いて幸せそうな顔をしていた。その味、喜びは忘れられない。横浜から5年近くがたち、私はその感動をさらに高めるべく、台北にある「ティンデファン本店」にきたのだ。かつて、小龍包を評価されてなんと世界のレストラン・ベスト10に入った名店だ。

 台北からタクシーでおよそ10分。まだ11時前 だというのに人がいっぱいだった。私は食通であるWさんの予定を強引に変更させて、ドキドキワクワクしながら入店した。期待は大きくなる一方だ。狭い店内には、テーブルの数より多いんじゃないかというくらいミニスカートの女性従業員がいた。2階のテーブルに着く。さっそくメニューが運ばれてきた。もちろん注文は、小龍包10個入りを2つだ。ついてにエビシューマイも注文をした。注文をしてから5分ほどして、世界一おいしいことで有名な小龍包を口にした。  

 「ん?」Wさんと顔を合わせた。「ん?」。

 アツアツで、、 、、、?

 ふんわりして、、、、?

 プワー、、、、、っと  

しないじゃない!食通のWさんが「これ世界一ですか?」と私に畳み掛けてきた。次の小龍包を食べる。  

 フニャっとしてる。

 ベチョっという感じ。

 ちょっと冷めかけ。

 口の中でイヤな味が残る。

まわりのテーブルには日本人観光客が多い。みな誰もが大騒ぎして小龍包を食べている。ビールもドンドン運ばれている。Wさんはも とより、私の口数も一気に減っていった。追加の注文など、とても考えられなかった。食通のWさんは、全部食べなかった。こんなまずいものは食べられません、言わんばかりの残し方だった。私はとりあえずここまできたんだから、という意地があった分、そして私が来たい、と言った手前、10個全部食べた。エビシュウマイもちゃんと食べた。店を出てからWさんにこう言われた。「平岩さんから勧められて失敗したのは久しぶりですねえ、あんまり記憶にないですよね」 。コメントも腹立たしいこと百倍だ。帰国してから、何回も何回も笑いながらこの話をするから、なお悔しい。

 

 大失敗。 「ティンディファン」から台北国際空港までのタクシーは、W さんに対しあまりに申し訳なくて私が支払った。残ったのは「 ケッ!」という低俗的で品性の欠片もない思いだけだった。成田空港から帰国途中、私は森口陽登美さんにこのイラダチをぶつけ、メールした。

 「クソー、台北の本店は最低だ!」

 

 

 

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