台湾をぷらぷら 2

 

ヨガに初挑戦

 私の宿泊している「Wホテル」は、とても素晴らしいホテルだ。部屋は大型液晶テレビが270度回転する面に組まれて、ベッドからもビジネステーブルからも見ることが出来る(回転できるのを知ったのは3日目だったけど)。無線LAN、有線LANはもちろん無料使い放題、果物が毎日サービス、バスルームはグリーンランドの時に宿泊したヒルトン・コペンハーゲンエアポートよりも広く、バスタブから夜景も見れるしお風呂の中にも液晶テレビがついている、といった具合の高級ホテルだ。先日、宿泊した日本のビジネスホテルは、ここのトイレ2個分くらいしかなかったなあ。ホテルのプール、サウナ、フィットネスクラブの利用料金はすべて無料。しかも、毎日2回開かれるエアロビなどのクラスも宿泊者サービスなのだ。

 17階からの眺めは格別だ

 そこで「Yogalates」と書いてある多功能團體教室(Groupe Exercise )に心ひかれて参加。やや不安だったのでスタッフに尋ねたが宿泊客はやはりタダだ。「Yogalates」は3段階のうち、一番低い「初心者レベル(Beginner)」と書かれていたので、らく〜なヨガの一種なんだろうな、と思って、非常に軽い気持ちでスタートした。よこしまな期待どおり27歳くらいの美人女性インストラクターと8人の女性参加者。美人インストラクターは台湾人でニックネームはメリッサと表記されている。参加者のほとんどは、ホテルの宿泊客ではなく近所に住むクラスの常連のようだ。挨拶もそこそこにスタートしていきなり、普通のエアロビクスから始まった。5分、10分と徐々に強度があがり、自然と心拍数も高くなる。股関節を中心としたエアロビクスが増えてくる。全身から大粒の汗がしたたり落ちてきた25分過ぎに、股関節や体幹を中心としたヨガポーズ(ストレッチング風)に移行する。筋肉が悲鳴をあげる。関節がギシギシしてくる。美人インストラクター・メリッサが時々巡回しながらチェックしてくれて、私の手や腰の位置を修正して(触って)くれるが、「いやん嬉しい〜」だとか「オー、ハッピー!」だとかの感情はおきない。身体がギリギリのところだ。さらに大粒の汗がボタボタ流れ落ちる。(もうやめてしまおうか。)まわりの女性は、汗をかいているものの、私ほどボタボタでない。(あー早く終わってくれ!)45分過ぎ、次第に大腿後部や腹筋のヨガ(エクササイズ?)に移行。動きが少ないので、汗は引き始めるが、とにかくしつこいくらいにひとつの動作がゆっくりで長い。私は悲しいくらいに何も出来なくなってくる。ようやく最後の5分くらいのところでリラックスした動きになって、私は普通の人に戻る事ができた。終了後、メリッサから片言の英語で「どこからきたの?」と聞かれて、「日本」と答えた。「中国語は話せる?」と聞かれたので、「ノー」と答えたら、「そう、私は中国語しか話せないの、今日はありがとう」と笑顔で握手されて突然会話が終わった。あ〜、中国語が話せたらもう少し会話が弾んだのに。あんた、英語が話せるじゃん!なのに、、、、、、すぐ強烈な筋肉痛が右腰を襲ってきた。以後、3日間はこの筋肉痛と付き合うことになった。あーヨガった。

 

珍しく女性との出会い

  ホテルから見える大通りの向かいに、かなりの台数が出入りしているバスターミナルがあったので、バス路線さえわかれば私が目指すところまでタクシーではなくバスで行けるのではないか、と考えた。目標地点まで距離にして20キロ程度、タクシーだと日本円で1000円くらいだろうと言われたけど、それでもバスの方が安いだろうし、いろいろなことが見聞きできて楽しそうだから、迷わずバスでの移動を選んだ。バスターミナルに行ってチケット窓口に行った。ダメだろうな、と思いつつも、窓口で英語、日本語とも通用しないのを確認した。そして目的地の「台湾省體育棒球場」と書いた紙を見せた。即座におねえさんから「31門」とメモされた。なじみの深い「31」と書かれたゲートにいくと、男性の係がいたので、私は同じように「台湾省體育棒球場」と書かれた紙を見せた。すると、「××××」。普通は言葉がわからなくても会話の雰囲気でイエス、ノーくらいはわかろうもんだが、この人は何を言ってるのか全然わからない。隣にいた別の係に見せても「××××」。とわからない言葉の繰り返しだ。このことを「ちんぷんかんぷん」というのだ。

(おいおい、どうなったんだよ!行けるのか?行けないのか?)

 困り果てていたら、後ろから可愛い20歳過ぎくらいの女の子が「Excuse me」と声をかけてくれた。

(おっ助かった!)

 どうやらその女性も私と同じ場所に行くらしかった。「一緒に行きましょうよ、バスは隣の30からで、あと5分くらいで出発するそうよ」と言ってくれたので喜んで後をついてバスに乗った。この子はダルビッシュが大好きなので、台北からわざわざ見に来たのだそうだ。お互い片言の英語だが、座席で会話が弾んだことは言うまでもない。

 ところで一般のバスは難しかった。何が難しいかというと、そもそも降りるバス停が一体どこなのかわからないし、さらには車内アナウンスもない。「次は●●です」なんて案内はないのだ。運賃がいくらかも、どこにも書いていない。もしひとりだったら、町の雰囲気で降りるしかなかったな。いや、私のことだから、運転手の隣でしつこく「ここか?ここか?」と聞いていただろう。

 この女性に「あれは○○よ」とガイドされるのは小さな幸せだった。私の人生(一人旅)の中でこんな状況はあっただろうか?いや、ない!バスには40分ほど乗った。日本と同じようにバスを降りる時にお金を払うのだが、この女性が「20元(約70円)よ」と教えてくれた。ひとりだったらこれまた運転手さんと会話にならず、きっと困ってたな。それにしても70円とは安い。バスから降りたらちょうど昼時だったので、お昼ごはんを一緒に食べようということになった。(あなたは救いの神だ。) 体育大学や中学、高校が近在する学生の町なので、屋台や安そうな飲食店がズラッと並んでいた。その女性があれやこれやと説明してくれて「何が食べたい?」と聞いたので私は「おいしいチャーハン」と答えた。数多くのチャーハンから、「総合炒飯」を選んで、注文してもらった。50元(約180円)。さらに台湾らしい飲み物をすすめられた。「珍珠○(女へんに乃)茶」20元(約70円)。ミルクティの一種だという。以前、台湾南部の高雄でココナッツ大王というココナッツミルクを毎日のように飲んだことがあったけど、同じか ?と聞いたところ、ココナッツではない、と言う。

(ではこれは何だ?)

   

 とりあえず飲んでみた。ストローが太い。確かにミルクティだが、グビグビ、っと小さな白玉が口に入ってきた。ん?餅か?女性も英語でなんというかわからないらしく答えに窮している。ナタデココ風だが。そこそこおいしかった。後からホテルに戻って調べたら、まさに台中発祥、台湾名物の「ロイヤルミルクティ 」で、白玉の正体はタピオカだった。道々、この女性の名前を聞いたが、10秒で忘れてしまった。人の名前を覚えるのは難しい。このあとしばらく一緒にいてとても仲良くはなったのだが、もちろん何か特別な事が起ころうはずもなかった。

 この貴重な経験のおかげで、帰りのバスはひとりで何の問題もなく20元で乗る事ができた。謝謝、謝謝!世の中、ほんとうに何とかなるんだよ。

 

台湾3

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