昔の子供の生活、日本の民話・日本の方言、石見の民話・出雲の民話、他
昔の子供の生活
「古文書はこんなに面白い」(油井宏子、柏書房)の中で、山城国相楽郡上狛にある善正寺の寺子屋の規則が取り上げられています。時代は江戸時代中期、宝暦五年(1755)です。この本の趣旨はあくまで、古文書の読み方の解説であり、その例文としてこの寺子屋の規則が取り上げられているのですが、これがなかなか面白いので、少々長くなりますが、要約して紹介します。

『「この寺子屋で守らなければならないこと」
手習いで大切なことは、心穏やかに行儀正しくすることである。
すべてのことに素直におとなしく師匠を敬い、手本を大切にし、破れて書き損じた紙でも、トイレの紙として使ってはいけない。
朝早く寺に来て、まず机に座り、硯箱と文庫をあけ、手本と手習い双紙をきちんとそろえ、これまでに師匠から合格をもらった箇所の復習をしなさい。
今習ったばかりの手本は数回念を入れて稽古しなさい。
いったん帰宅して昼食をとり、また寺子屋に来たら、最初に朝方に勉強した書物を二、三回復習しなさい。忘れたり、しっかり理解できていないところがあれば、すぐに質問して解決しなさい。
毎晩自分の家に帰ったら、その日習った書物の復習をしなさい。忘れていることがあれば、そこに付箋をつけておいて、翌日寺に来たときに尋ねなさい。
読書を習うときには、師匠や兄弟子の前に行儀正しく座り、前の日に勉強した箇所を一、二回復習しなさい。はっきり理解できないところを、そのまま残しておいてはいけない。一か所でも忘れていることがあれば、なまけた罰としてその日の分を教わることはできない。
手本は、静かに読み、声は大きすぎず小さすぎないようにし、だらだらと読まないで、一言一言はっきり読みなさい。文庫や硯箱のふたなどをたたいて、拍子をとり、おおぜいで一度に読んではいけない。
清書をするときは、気持ちを落ち着かせて、念を入れて清書しなさい。早く終わらせてしまおうと大急ぎでいい加減に書たり、世間話をしながら上の空で書いてはいけない。
墨が薄かったり、いったん書いた字を消したり、止めたところからまた伸ばしてみたり、上からなぞったりしたものは清書とはいえない。
寺に着いてから、うるさく騒ぎ立てないようにしなさい。世間話や噂話をしたり、友達の悪口を言ったり、食事の話をしたりしてはいけない。特に寺に来客があって師匠が席をはずすときなど、流行している小唄を大声で歌ったりして、騒いではいけない。
戸や障子の開け閉めのときはひざまずくのが正しいやり方だが、腰を屈めて開け閉めてしてもよい。ただし、敷居や畳の縁を踏んではいけない。
他人の文庫や硯箱を、悪ふざけをして、勝手に開けてはいけない。一枚の紙・一本の筆・墨のかけらに至るまで、他人のものを盗んだものは、取り調べ、きびしく叱責する。
竹で弓をこしらえたり、古くなった筆の軸で吹き矢や紙鉄砲を作ってはいけない。
畳に墨をつけたり、水をひっくり返したり、障子を破ったりしてはいけない。
火の用心をこころがけなさい。席を外すときには、こたつなどの火に気をつけなさい。
寺子屋に来るときには、金貨銀貨はもちろん、一文の銭も持ってきてはいけない。帰り道で店に立ち寄って買い食いをしてはいけない。友達同士で金品の貸し借りをしたり、勝負事をしたり、売り買いをしてはいけない。
小刀や魚釣りの釣り針などの殺生に使う道具はもって来てはいけない
寺への往復の道では、石を投げたり水を掛けたり、相撲や殴り合いをしてはいけない。
草履や下駄、雪駄、ぽっくり、傘などを他人のものとまちがえないようにしなさい。
ほかの手習所に通っているこどもたちに往来で出会っても、自分の師匠を誉めて自慢し、相手の師匠の悪口を言ってはいけない。いい争いをしてはいけない。
友達は兄弟のようなものだから、普段から仲良くし、喧嘩や言い争いをしてはいけない。あだなで呼んだり、他人の癖をまねしたり、悪口を言ったりしてはいけない。子供らしくない遊びをしてはいけない。
夏の暑いころに水泳に行かないようにしなさい。
説法を聞きに寺社に参詣したり薬師参りをしたりするときは、大騒ぎしてはいけない。
普段から友達同士助け合い、あやふやな知識は尋ねあって教えあい、お互いに丁寧に親しい受け答えをしなさい。せっかく何年もかけて習得した能力や知識だから、忘れてしまはないように、手習いや読み書きはしっかりやりなさい』
どうですか。今の学校でも、そのまま使えるような決まりではありませんか。
「師匠を敬い、友達同士仲良くし、よく遊び、よく学び、しっかり復習をし、わからないところはそのままにしておかないで、聞いて確かめ、行儀正しく節度ある寺子屋生活を送りなさい」ということでしょう。昔も今も変わらない子供たちの生活があります。
寺子屋の絵を四つ用意しましたが、下の絵を見てください。
一人の子供は机の上に急に立ち上がって、おばけの格好をして師匠を驚かし、一人の子供は、机が倒れないようにしっかり机を抑えています。お化けの絵も用意しています。師匠はよほど驚いたのでしょう、びっくりして尻餅をついています。この師匠は刀をさしていますから、おさむらいでしょうが、相手が大人だったら、無礼討ちにでもしたんでしょうか。

皆さんご存知のように日本の民話や日本の方言のサイトやホームページはいろいろありますが、目に付いたものをとりあげてみました。
島根県石見地方の民話を取り上げたサイトには次のようなものがあります。
「広小路」(昔かっぷり石見の昔話・昔かっぷり石見の伝説)
島根県出雲地方の民話を取り上げたサイトには次のようなものがあります。
今まで紹介しました邑智郷の民話とは直接関係はありませんが、旧石見町に関連する興味あるホームページがありますので、紹介します。写真もたくさん掲載されており、旧石見町の歴史などを知るいい手がかりになります。