アフリカ大陸

地中海を渡り、アトラス山脈を越えて、初めてサハラ砂漠の地平線を
眺めた時、心が解き放たれるような開放感に包まれた。砂混じりの
乾いた風に吹かれて、もう憧れではなく現実にサハラに来ていることを
知って、涙が流れてきた。
そして、どこまでもどこまでも走っていけそうな気がした。
夜のサハラは宇宙に近く、あふれんばかりの星が煌いていた。
宇宙に押しつぶされそうな錯覚がしたくらい、自分の存在は小さなものだ。
地平線近くにあった南十字星は、南下するにつれて高度を上げてきた。
サハラ縦断は、怖さよりも感動の方が勝っていた。特に、未舗装路の区間
ではいつも、生物を拒絶する大地を踏みしめていたせいか、
自分は生きているんだ!という実感が強かった。後に都会の生活の中で、
自分は生きているのかどうか、わからないでいることに、気がついて
愕然とした。
サハラを越えると、湿度が出てくる。背の低い漢木帯から覆い被さるような
ジャングルへと移り変わる。ジャングルの未舗装路は、悲惨だ。雨後の
赤土の道は滑るやすく、直線でもハンドルを取られる。
また、大きくえぐられた箇所では、一人では脱出できないほどの泥地獄だ。
乾いたサハラが恋しくなったほど、毎日、乾かぬシャツを着て、泥と格闘
していた。
そんな中、多くの人達のお世話になったことは、忘れられない。通りがかり
の村では、どこでも大歓迎された。一杯の水から始まり、ジャングルでの
夕食はバナナか芋であった。村人と共に素手で食べながら、
「日本はヨーロッパのどの辺りだ?」なんて、質問が飛んできたりした。
長くてハードなラフロードであっても、広い大陸の中を少しずつ進み続けた。
海が近くなると、咳き込みたくなるくらいの湿度になる。波が幾重にも
押し寄せては、打ち砕かれる。果てまで走ってきて、開けた大洋に抜けると、
今までの思い出が昇華される。
しかしまた、終わりは始まりでもあり、新たな旅に向けてアクセルを開ける。
どこまでも、どこまでも・・・・・・・・・。
アフリカの写真・地図 サハラ縦断
サハラの暑さ マラリア対策
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