〜eden* They were only two, on the planet.〜
おやすみ、シオン…そしてありがとう   ブランド minori
ジャンル インタラクティブノベル
お値段 5800円
プレイ時間 10時間程度
原画 ちこたむ、KIMちー
シナリオ 鏡遊
媒体 DVD-R一枚
音声 フルボイス



折柴みそら(以下折)「エデンと聞いたらまず東のエデンを思い浮かべるんだよね」

  火龍(以下火)「ああ、ノイタミナのアレですね。ハチミツとクローバーの作者の」

折「え? 韓国ドラマの奴だよ?」

  火「あれはエデンの東! ジョン・スタインベックの小説とも違いますから!

〜eden* They were only two, on the planet.批評兼感想〜


折「どうも、グーグル検索で世界を見ようとしたら、今宵の月が見えなかった折柴みそらです」

  火「君に愛の言葉は届かないわけですね、わかります。どうも火龍です。普通にグーグル検索使うまで同じタイトルだと勘違いしていた貴方を大馬鹿です」

折「べ、別にわざと間違ったわけじゃないんだから(//)」

  火「わざとだと逆に困ります。さて、前置きが長くなりましたが今回はefで個人的購買メーカーに伸し上がったminoriさんの新作『eden* They were only two, on the planet.』の感想です。それでは相棒、感想をどうぞ」

折「一言で表すならすげぇ。二言であらわすならすげぇ、そしてありがとう

  火「誉めているのは分かりますが、一体何をそんなに凄いと思ったのかきっちりご説明頂きましょうか」

折「うむー。まずこの作品で凄いと思ったのは作品の濃密さ。ぶっちゃけeden*って総プレイ時間は10時間程度しかないんだよね。全部オートでじっくり読んでも15時間かからないと思う」

  火「それは短いですね。でもそれはボリュームの少なさであり、良い点ではないと思いますが?」

折「いやーそれがさ。こんなに短いのに物凄く感動したんだよね。短いんだけど、その全て…と言うのは少し大げさかもしれないけど、ほぼ全てのシーンがとても重要で濃密だった。クラナド、とかFateとか、物凄く長くて、その長さがあるからこそ感動するってのもあるけど、逆にこの少ない時間の中でこれだけの想いを乗せられるってのは本当に凄いと思う

  火「確かに、プレイ後の感情の揺らぎとプレイ時間が全然比例してないというか、もっと時間が経っていたようには感じましたね。とすると、この凄さの秘密の様なものがあると思いますが…なんだと思います?」

折「全てにおけるクオリティの高さ。ef - a fairy tale of the two. でも感じたけど全ての完成度が高い次元でまとまっているんだよね。シナリオ、音楽、声、背景、演出…この全てが折り重なって、edenという物語を描き出している、やっぱり こ れ は す ご い 」

  火「でもやっぱり短すぎるのはいただけませんねぇ。いくらなんでも総プレイ時間10時間かかるかどうかというのは…」

折「んーでもこれ以上何を追加するのか…? っていう話になるんだよね。あえて追加するなら追加ディスク的存在の『PLUS+MOSAIC』のシオンシナリオのような日常の話、二人が逃亡して榛名准尉が無双してあの場所に辿り着く過程を描く、少佐と姉さんの過去話…くらいしかないんだよ。前者はあった方が確実に良かったと思うけど、後者はなくて正解だったと思う。この作品で重要なのは戦闘シーンではなく『地球で最後の恋物語』なんだからさ」

  火「んーとなるとこれ以上議論の余地はありませんね。他に特筆すべき点はありますか?」

折「やっぱりOPを初めとした美麗なグラフィックは外せないだろう。相変わらずminoriのムービーや背景の美しさは他の追随を許さないね。神様仏様新海様。光の加減とか自然の美しさとか、本当に綺麗で細やかに描き込まれててびっくりしたよ」

  火「常にクライマックスと言うか、全てのシーンでイベント絵のような引き方を見せるあの手法。流石『インタラクティブノベル』と言ったところでしょうか。物語を見せる、もとい魅せる手法は最早minoriのお家芸と言っても過言ではないでしょう」

折「全くだね。よくminoriの演出を映画のような演出と聞くけど、これは最早minori演出って言ってもいいんじゃない? アニメにも映画にも小説にも出来ないminori独特の演出法だとおいらは思うね」

  火「まあ確かに、このプレイヤーを第三者の視点から魅せる演出は、他に類を見ないですね。それもこれもあの美しい背景があればこそ出来る手法です。やはりこの点minoriは素晴らしいですねぇ…」

折「素晴らしいと言えば音楽も相変わらず素晴らしかった。全編を通じて重要な場面で流されるOPのインストゥメンタルアレンジ『To the new world』はマジで神曲すぎる…!」

  火「作曲の人は天門という方らしいですね、アニメ版efの歌とかも凄く良かったですし、これからも期待が持てそうな作曲家さんです。それにしても…」

折「それにしても?」

  火「いや今回の批評全然けなしてないなぁと思いまして」

折「失敬な、おいらの批評はなるだけ良い点を見つけてそこをクローズアップすることを心がけていてだな」

  火「私は良い点だけでなく、欠点もきちんと書くべきと心がけておりますので。そういう点で言うなら今回は全然不満点とかないんですか? そんなことないでしょう? ほら、不満点も挙げてくださいよ」

折「そういわれてもなぁ…。この短さも絵のクオリティとか考えると、このお値段に抑えるため…と考えるとむしろプラスに働くし…。あえて言うならシナリオ…かな?

  火「その心は?」

折「やっぱり読めない展開は皆無なんだよね。驚きの展開! 衝撃の展開! っていうのはほとんどない。パケ絵にもいないキャラ紹介にもいない"奴"が入ってきた辺り少し『どうなるかな…?』と思ったけど、予定調和というか、彼と彼女の関係を再確認に重要なイベントだったし…」

  火「そういう意味では王道であり、ありきたりな話ということでしょうか」

折「その通り。結局これのefと同じで特に目新しい展開ってのはほとんど無いんだよね。OHPで見て、予想して、その通りの展開になった…。ここはちょっと不満かな。でも…なんだかそれでいい気がするんだよね、eden*って。むしろこの美しい終わり方こそがeden*らしくてとても良い。そう感じるおいらがいる」

  火「むぅ、本気で不満点がなさそうですね…。では今回のえちぃなシーンを分割してしまう手法についてはどう思いますか?」

折「えちぃ分割でも特に問題は無い。折的には本編の内容に修正がかかってえちぃシーンが挿入されるとばかり思っていたけど、本編のサイドストーリー的な存在であったのが逆に良かったね。エリカとか本編じゃあんなシチュ楽しめねーもん(笑)」

  火「ですねー、あれやってしまうと後々に色々な問題が発生しますからね(苦笑) でもシオンシナリオは本編に挿入しても全く違和感の無いエピソードだと思いますけど…」

折「だねぇ、アレは本編に入れてやるべきだった。えちぃシーンの部分なくても普通に本編のサービスシーンとして入っておくととても良かったと思う。おっと、ようやく不満点登場…といいたいところだけどやっぱり分割はいいと思うよ。まずえちぃシーンがどうでもいい人とか買わなくて済むし」

  火「なるほど、コストの削減と言う意味では凄く良かったですね。定価が6000円、私たちは予約特化の4980円で買えましたから、これはとてもお買い得だったかと」

折「そう考えると4980円でこれだけの感動を味わえたってのは本当に凄いことだと思う。さすがやりますねぇみのりさん!」

  火「みもりです!」

折「あってるでしょ?」

  火「はい、毎度恒例のこの掛け合いを決めたところでそろそろ締めに移りたいのですけど…。相棒としてはこの作品で一番印象に残ったシーンは何ですか?」

折「やっぱりラストシーンかな。上の方で予想できない展開は皆無、って書いたけど、この作品で『彼女の最後の願いを叶える』シーンを全部きっちり描いてくるとは思わなかった…。そこまで描くのかよ…もうやめて、折柴みそらのHPはゼロよ…」

  火「ではこの作品を一言で表すと?」











折「ようじょのために軍隊相手に無双するロリコンのお話

  火「いやそれ絶対違いますよねぇ!?

折「でもだいたいあってるでしょう?

  火「ひ、否定できない!?

折「と言うわけで、皆さんも是非ロリコン無双をお楽しみください。それではー♪」











  火「榛名准尉の名誉のためにいっておきますけど。別に彼はちょっと怖いけどロリコンとかじゃないですよ? 見た目幼女の娘を軍隊の重要研究施設から連れ出して、ちょっと軍隊相手に無双しつつ(←本編では描かれていません)、その幼女のおはようからおやすみまでお世話したりしてますけど、決してロリコンというわけでは…? ないです…? よ…?」

折「それフォローになってないから」

  火「とっぺんぱらりんぷぅ!」









シナリオ・テキスト――美しい惑星の、最後の恋物語―― 18点

少々ボリューム不足、先が読める目新しさのない展開などがマイナスか。

だがそれを補って余りある美しさがこの作品のシナリオだと思う。

予定された通りと言ってもいい結末へ歩き続ける二人をただ見守るだけというのは、とても切なく哀しく、優しい。

しかもその歩き続ける二人がとても楽しそうで、自分も楽しくて、たまに魅せる絶望への道筋が哀しくて…。

でもやっぱり、歩き続ける二人を見守ることしか出来ないのが、切なく哀しく、とても優しい。


重視されているのは登場人物の感情の機敏。

主人公である榛名亮の心情の変化は、声の優しさにすら溢れていて。

シオンが外の世界に出た後は、本当に楽しそうに描かれていて。

この感情の変化がさり気なく描かれていて、しっかり感情移入させてくれます。

テキストも特に難はなく、というか下地の文は基本的に主人公のモノローグなのでサクサクいけます。


ラストは素晴らしい読了感、さわやかな感動に心揺さぶられました。

二人の最後の恋物語、お勧めです。


音楽・ボイス――神曲、神演技揃い―― 20点

OPを筆頭に素晴らしい曲ばかり。

中でも『To the new world』は別格の良さで、流れるたびにじーんとくるようになってしまいました。


声優さんもメインの二人を筆頭に名演技ばかり。

このメインの二人の声色が本当によく演じられていて、素晴らしいと思います。

この二つに文句をつける心算はさらさらございませんです。


絵・ヴィジュアル――相変わらずのハイクオリティ―― 20点

通常のノベルゲームと違い、立ち絵を背景に直接書き込むような手法。

このためほぼ全編イベント絵を用いているような状況で、そのクオリティにかげりはありません。

死に行く惑星の美しい自然、可憐な女性たち、どれをとっても業界最高峰と言って過言じゃないでしょう。

中でもシオンのアップの絵は破壊力満点でした。ここに文句をつける心算は以下略。


システム・演出――口パクに違和感なし―― 18点

とても良いシステムでした。

特にバックログで戻る時、演出も一緒に再生されるシステムの軽快さにはビビりました。

システム面のユーザビリティは細かいところまで無いですが、その分シンプルで充分だったかと。


演出に関しても、ゆったりとした演出がとてもよかったです。

個人的には口パクがとても自然で違和感のない点に、少々驚かされました。

もうアニメ一歩手前、と言ってもいいでしょう。丁寧な演出が素晴らしかったです。


エ○――と言う名のPLUS+MOSAIC―― 75点

※本稿においては『eden* PLUS+MOSAIC』の批評も兼ねています。

『eden* PLUS+MOSAIC』と実験的に販売されたえちぃシーン分割商法。

特に問題はなかったと思いますが、本編の修正はほとんどなく追加ファンディスクのような存在でした。

ショートストーリーの中にヒロインとのえちぃなシーンがある。これがしっくりくると思います。

ただ本編の通りに行くと違和感ありまくりというか、これはありえないですよねぇ!?的な展開もありました。

しかし逆にシオンのエピソードは本編中に挿入されても違和感がなく、むしろ入れて欲しかったというのが本音です。

まあFD的な位置づけと考えるなら、丁度良かったと思います。


お勧めキャラクター

あえて稲葉少佐、にしようとした瞬間シオンの笑顔がフラッシュバックしたのでシオン。

研究所にいる時の物悲しげな表情、外に出た時の本当に楽しそうな表情、そしてラスト。

まさにeden*は彼女のため、そして彼のために作られた作品といっていいでしょう。

外形年齢はどう見てもちんまいですが、これでも実年齢は100歳オーバーだそうですが。


総評――最初で最後の恋物語――95点

すげぇ

プレイし終えた最初の感想はこれでした。この濃密な時間、さわやかな感動。

そして私が一番凄い、と思ったのは彼女の願いを叶えるシーン。minoriスタッフの本気を垣間見た気がします。

正直そこはぼかして描きたくなると思うのですが、そこをぼかさず描いたスタッフに敬礼ですね。


シナリオは短いものの、濃縮された感動物語はとても素晴らしかったです。

お値段の方もお手ごろですし、この惑星最後の恋物語。是非一度体感してみてください。



「もう少しだけ、私はこの雲と空の下にいたい」

瞳はどこまでも透き通った深みをたたえていた。

彼女のささやかな願いを――

俺は叶えよう。

そのために、俺はここにいるのだから。

Eden*本編より抜粋





シナリオ・テキスト: 18点 音楽・ボイス: 20点 絵・ヴィジュアル:20点 システム・演出:18点 エ○:75点(←)
特有スキル:美しい、最後の恋物語
総合得点:九十五点


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