記念すべきヨーロッパ単一通貨ユーロをこの手に!


Jan 2002

ユーロ札、コインの導入はまさにこの新しい通貨を実感する出来事でした。2002年からの導入直前の12月には、一般の人々にもユーロのスターターセットというパックが銀行で売り出されました。それより何ヶ月も前に金融機関、スーパーマーケットなどには本物のユーロが持ちこまれ、従業員たちが新しい通貨になれるようにと研修を実施し、少しずつ準備がなされました。すべて、2002年1月1日からの混乱を避け、スムーズに移行していくためです。

さすがドイツは私の予想通り、大した混乱もなくスムーズにスタートしたようです。12月31日にはマルク札が出ていたATM機も、年が明けてわずか40分後にはちゃんとピカピカのユーロ札が引き出せるようになっていた、当たり前だけれども素晴らしさに驚いたと私の上司が話していました。私も2日の午後に、ATM機から100ユーロをおろしました。50と20ユーロ札が1枚ずつ、10と5ユーロ札が2枚ずつ出てきました。ピンピンの新札ばかりです。それを持って近くのスーパーで買い物しましたが、ここでもスムーズにことは運んでいたようです。実は、ちょっと混乱を期待していたので、少々残念でした。おつりはこれまたピッカピカのユーロコインです。ドイツマルクで払ってもおつりは全てユーロで受け取ります。ああ、こうやって少しずつ手元からマルクが消えていくんだなと思いました。

しかし、小さな商店に行くと、マルクで払うとマルクでおつりをくれたりすることがあります。オフィシャルには、おつりは全てユーロでということになっているのですが、こういった小さな店ではユーロの手持ちが少ないので、つり銭がなくなると困るからと、マルクで払うとマルクでおつりが来たりするのです。彼らとしても、「うちを両替所代わりに使われても困る」ということでしょうか。

また、どこへ行っても10ペニヒ以下のコインは喜ばれません。こちらも早いとこマルクを一掃してしまいたいと、カフェなどでチップとしてこれら小額のコインを1マルクや2マルクコインと一緒にあげようとしたのですが、「これは寄付しなさい」と受け取ってもらえませんでした。商店や飲食店では、売上を計算するときに2つの通貨が混ざってただでさえ大変なのに、旧通貨のタダみたいな小さなコインなんか迷惑以外の何者でもないのでしょう。気持ちは分かります。

かと思えば、12月のうちに家中のコインを集めてきて「これ全部で40マルクあります」とレストランでの会計で使った失礼な客もいて、お店の人も仕方なく受け取ったという話も聞きました。そういうのは、銀行に持っていきなさい。

スムーズに行っているドイツでもやはり、いつもより列は長いし、待ち時間も長いし、レジの人も少々イラつき気味です。まあ、それもできるだけ早くユーロに移行しようと努めているからこそなのでしょう。実際、ドイツマルクを使うのが日々、気が引けてしまう雰囲気です。

そうしてやはり予想通りなのはイタリアです。もちろん混乱を招いているという意味です。ユーロ参加各国が3年間この日に向けてせっせと準備をしていたとき、彼らはいったい何をしていたのでしょうか。年が明けてもユーロが使えないレストランや店が多くあったり、高速道路の料金所で9キロもの渋滞が出来たり、さすがイタリア人です。

極めつけはこうです。いまだ現金社会のイタリアでは、新年に現金(ユーロ)が不足すると困るからと、人々は年末に大量の現金(リラ)をATM機から引き出したそうです。これまでヨーロッパ中がみんなして、早く、スムーズに新通貨へ切り替えようと頑張って来たというのに、彼らは最後の最後にどうしてこのようなことをするのでしょうか。ベルリンや、パリや、ブリュッセルでハッピーニューイヤー、ニューユーロ!と花火をあげて祝っているとき、イタリア人は手元に何百万リラという現金を持っていたのですから、いや、全く、恐れ入ります。

 

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