一度行ったら忘れられない「橋の会」


ロンドンに「橋の会」という日英交流サークルがあります。ここでニヤッとされた方はおそらく経験済みの方ですね。ちなみに、私はこの会の良し悪しをどうこう言っているわけでは決してなく、感じたままを書いているだけです。

1998年にロンドンに住んでいた頃、あの一日中どよーんとした天気の中、退屈な仕事が終わったあとにできる何かしら面白いことはないかと探していました。で、見つけたのが「橋の会」。橋好きの私としては単に名前に魅力を感じたというのも、なきにしもあらずですが。ま、暇だし、イギリス人の知り合いも少ないし、英語の練習にひとつ覗いてみるかと思ったのです。地下鉄ホルボーン駅から歩いて数分のところにある一見して冴えないパブの薄暗い2階がその場所でした。定かではありませんが、部屋の貸しきり代として何ポンドか払ったかもしれません。主催しているのは年配と言うか、ご老人の男性でした。

適当にビールを半パイント買って、開いてる席につき、全体を見回すとそこにいるのは冴えないイギリス人男性と若い日本人女性数人でした。その瞬間、「あ、失敗した」と思ったのですが、まあ、わざわざここまでやってきたんだし、ビールを飲んでしまうまでいてもいいかと座っていました。適当に話に加わりながらたいした興味も見せず、フンフンと相槌を打ちつつビールを飲んでいると正面に座っていた若い男性が私に興味を示してきました。「まずいっ。」と思ったので私はポーカーフェイスをキープして何とかかわそうと試みましたが、そんなこと彼はお構いなし。(鈍感)

どこで覚えたんだか誰が教えたんだか、「キレイ」とか、「ステキナクチビル」とか、ろくに日本語で挨拶も出来ないくせに、そんなんだけやたらと知ってる(と言うか、小さなノートにメモってる)のです。こっちは、もう鳥肌が立って、別の話題に持っていこうと「仕事は何をしてるの?」と聞くと、「失業してるんだ。」そうな。(ホープレス)

面白かったのは、ここにいた日本人女性は私の隣りに座っていたフリーのライター、翻訳者の女性も含めて、自立をしてロンドンに住んでいる人が多かったことです。一方、イギリス人男性たちはというと、例の男性のごとく、失業手当をもらいながら暇を持て余し、日本人女性との出会いを求めてこんなところに来る。もちろん全員がとは言いません。

私は、この強烈な体験以来、二度とこの会には行ってませんが、もしこの会が現在も存在しているならばそれは、毎週同じイギリス人男性がいて、毎回、新しい日本人女性がやってきているのだと思います。

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