4年ぶりの里帰りレポ その4: 里帰りの理由


24 March, 2002

里帰りの理由

たいそうなタイトルがついてしまったが、今回4年ぶりに帰ったのはなぜか、なぜ4年も帰らなかったかということである。帰らなかった理由は、「帰る理由が無かった」からである。今回初めて帰って、日本にそのまま置いてきていた私の大量の持ち物を処分してきた。これが、帰った理由。

去年、父から電話があり、「おまえの荷物はどうするんだ」と言われた。邪魔にならなければそのまま置いててもいいだろうと思ってそれまでほうっておいたのだが、そうもいかなくなった。一人暮しの父も歳を取ったので今の古くて大きな家を崩し、裏の小さな離れに住まいを移して身軽になりたいということだった。私も、今後のことを真面目に考えなくてはならなくなった。おそらくこのまま海外で暮らし続けるだろうということは、だいたい分かってはいたのだが、それを決断しなくてはならなかった。

これは、私にとってもちょうど良い時期であった。ロンドンに一年間住んでみて、残念だが「ここには住めない」と思たので、新しい土地を求めてそのままドイツに移りようやく3年経ったところだった。どこに行っても見知らぬ土地での生活というのは、最初は大変である。そうして、ようやく日本に帰れるだけの時間とお金の余裕も出来たところであった。もし、ドイツに来て一年しか経たない頃にそう言われていたらきっと困っていただろう。

生まれ育った日本が嫌いなわけではない。日本のパスポートを持っている限り入国審査では「お帰りなさい」と迎えられる。ドイツで納めている年金も日本に帰ったときに有効とみなされる(現在のところ)。完全に離れるわけではない。しかし、自分がどこに落ち着くのか、もしくは一生移動しつづけるかは、いつか決めなくてはならない。その生活スタイルに合わせて、どういう仕事をしていくかも少しずつ形にしていかなくてはならない。でなければ、いつまでも方向の定まらないまま、あっち行ったりこっち行ったりするだけで、何事にも身が入らない。そろそろ、決める時期でもあったし、決められる時期でもあった。

しかし、本当に全てを決定したわけでもない。決めない部分も残している。人生何が起こるか分からない、先が見えてしまったら面白くない。厄年も天中殺も過ぎたし、進むことしか考えてないからこんど里帰りするときはよっぽどの理由があるはずだ。

 

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