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じおじおのロンドンレポ - 番外編 New York


28 June, 2002

★番外編−じおじおのNYレポ

イギリスがワールドカップで盛り上がり始めた6月半ば、1週間休暇を取って全くワールドカップには関心のない国−アメリカ・ニューヨークへ行って来ました。前回NYを訪ねたのは約5年前。ちょうどイギリスではダイアナ妃が交通事故でなくなったすぐ後の9月でした。それ以来何が変わったかなんて、やはりあのワールドトレードセンターがなくなったのが大きな違いなのでしょうが、それよりも何よりも、私自身の考え方/モノの見方が大きく5年前とは変化しているはず・・・何を感じるか知るのも今回の旅の大きな目的だったかもしれません。だからこのレポートは、ロンドン在住日本人としての私見です。

ニューヨークに着いてまず思った事。全てが巨大。人、車、高層ビル。空港からエクスプレスバス(マンハッタンまで片道13ドル。これは約40ドルかかるイエローキャブよりもオトクで早い−少人数の旅ならお薦めです)で高速を走っていると、周りにいる普通車はイギリス車の2倍近いし、トレーラーなどは車体の下にもう1台車が入りそうなくらいタイヤがでかい。ロンドンだったらきっと道路沿いの建物をなぎ倒しながら走ることになるでしょうね。その建物はと言えばニューヨークの場合このトレーラーが当たっても跳ね返してしまいそうな迫力があります。私があまりにもこぢんまりしたロンドンの建物に慣れてしまったせいもあるのかもしれませんが・・・。

ホテルでテレビのチャンネルを変えていると頻繁に遭遇するのがスペイン語のテレビ局でした。ご存じの通りスペイン語はアメリカの第2言語ですが、スペイン語圏であるラテンアメリカ諸国からの移民が、ニューヨークにもかなり多く住んでいるようです。私が入国した翌日−9日はプエルトリコのお祭りだったらしく、ホテルから出るとプエルトリコの国旗をデザインしたTシャツ、ランニング、タンクトップ、ハチマキを身に付けた体格のよいヒスパニック系の人々で溢れていました。マンハッタンの五番街は普段は高級デパートやブランドショップで洗練された雰囲気ですが、お祭りの日にパレードが行われるのもこの通りで、この日ばかりはなんというか、言葉は悪いですが『ギャングスター達に占領された』感が拭えませんでした。箱乗り状態でクラクションを鳴らしながら走る車、ラジカセを肩に担ぎ、大音量でジェニファー・ロペスをかけながら通り過ぎる若者達・・・。渡米早々に見たマンハッタンがこの人垣だったため、マンハッタンもヒスパニック人口が随分増えたなあ・・・とちょっと恐れをなしていたのですが、翌日はその面影もなく五番街はやはり五年前の五番街でした。彼らは普段、ブロンクス、ブルックリンなどの郊外に多く住むようです。

アメリカ人はこのワールドカップフィーバーの最中もマイク・タイソンがレノックス・ルイスのチャンピオンベルトを奪えるか、とか、タイガー・ウッズがアメリカンカップでタイトルをとれるかとかに興味を持ち、テレビではヤンキーズとメッツの試合やNBAファイナルの話題ばかり・・・。W杯でアメリカが勝ち進んでいても知らない人のなんと多い事か。サッカー中継をしているのは案の定スペイン語のテレビ局。「ゴォ−ーーーーー−ル!!」と「ナカータ」いう言葉以外何を言っているのかよくわからないまま日本・ベルギー戦を観戦していました。

今回、NY観光はほとんどしませんでした。友達に会い、ロシア系のデリに行き、アイリッシュパブでギネスを飲み、日本人向けのスーパーに行きロンドンのそれ以上の日本食品の品揃えと安さに驚き、思わず「オタフク焼そばソース」を買い・・・。物価は大都市ニューヨークと言えども、全ての物価が高いロンドンに比べれば安いものは安く、それに何よりも量が多い。何を頼んでもヤマモリ状態でサーブされるので常に満腹でした。食べ物の食べる量は明らかにイギリス人よりも多いように思います。イギリスのおじさんのビール太り、という感じではなく、NYには骨も太そうで全てが大きい人が多かったように思います。

安いと言えばニューヨークの交通機関。ロンドンと同様、地下鉄とバスで共通に使えるチケットがあるのですが、これがニューヨーク内であればどこまで行っても1回1.5ドル。友人の家のあるクイーンズ(マンハッタンから東に川を越えた地域)へも、私の利用したJFK空港へも同じ料金で行けます。1週間使える『メトロカード』が17ドルなので、同様のモノ(それもロンドン中心のみ)が19ポンド(1ポンドは約1.4ドル)であるロンドンと比べると馬鹿みたいに安い。もちろん帰りはJFK空港までこれを利用せずにはいられませんでした。

ニューヨークはロンドンと似ているところが多い、という話をよく聞きます。世界の金融の中心地であり、アートやファッション、音楽の中心地。若い人がいろんな国から集まる一方、貧しい国からの移民も多い。犯罪率の高さなどいろんな問題を抱えながらも多くの人を魅了し、年間を通して観光客が絶たない都市・・・。でも私にとってはやなりロンドンの方が居心地が良く思いました。それはきっと、アメリカ英語がしゃべれない、聞き取れない、という根本的な問題もあるのでしょう(今回イギリス英語との違いを改めて実感しました)。でも、島国日本で育った自分にとってはアメリカはやはり何につけても巨大過ぎ、自分の居場所を見つけるのに苦労しそう・・・。9月11日のテロ事件以来何かしらダメージを受けたに違いありませんが、やはりこの国の強大さは五年前とさして変わっていなかったように思います。そしてロンドンがいかにこぢんまりしてるかを改めて確認した旅でした。ヒースロー空港に降り立ち、チューブ(地下鉄)に乗り、イギリス英語を聞くとほっとした次第です。物価が高くても、地下鉄がすぐに止まっても、やはりここがよい、と思うのは、私も立派にイギリス人的になった証拠でしょうか・・・。


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