ロンドンより新鮮直送!

 じおじおのロンドンレポ 4


2 Feb., 2002

☆ロンドン・バスツアーはいかが?

ロンドンと言えば、真っ赤なダブルデッカーを思い出す人は多いでしょう。以前チューブ(地下鉄)のところでお話したように、私はバスのヘビーユーザー(?)です。最近は、日本で見るようなタイプのものも多く見かけますが、やはり主流はあの2階建てバス。街の中心に行く程、あの古い型のコロンとしたヤツが走っています。もちろん地下鉄と違い一般公道を走るバスを利用するようになって体験することと言えば・・・

ロンドンの道は総じてせまい。だいたい、1車線がバスの幅ちょうど、という感じです。それなのに年中どこかしら道路工事だのビルの改装だのをしているのです。何しろみんな自分のことしか考えないから、ビルダーたちも朝の通勤ラッシュのころから働き始めます。日本のように夜間に働け、とまでは言わないまでも、百歩譲ってせめて通勤ラッシュの時間は避けて欲しいものですが・・・。そういう迷惑を考えているのかいないのか(いる訳ない)、狭い道にトラックを止め、柱だの建築パーツを運び込み始めるのです。バスレーンも何のそのです。帰りは10分で通り抜けてしまう距離も、朝は30分。歩いた方が早いかも、と思ってしまいます。

バスルート上にたまに予期しない道路閉鎖などが発生することがあり、そのせいで通常のコースを変更して走ることがあります。以前、乗っていたバスが、なんと道に迷ったことがありました。これもロンドンの道に一方通行が多いせいもあるのですが、封鎖された道路を避けて入った道が行きたい道へと繋がらず、もと来た道へ戻ってしまったのです。バスの運ちゃんの計画性のなさに驚きますが、乗っている客は慣れたもので、"How  exciting" などと言いながら半分楽しんでいるような感もありました。私はこういう場面に遭遇するのが好きだったりします。なんというか、おおらかというかいい加減というか、イギリス人らしいというか・・・。

最近は前乗りの、いわゆるワンマンバスも増えました。でも、未だに多く残っている、運転手が隔離されている後乗りのバスに乗ると、このいい加減さをさらに感じることが出来ます。車掌さんがいるバスは、乗り込んでから車掌が回ってきて検札をするのが常ですが、どう考えても効率がいいとは思えない。常に客が入れ替わるので車掌の記憶力に委ねられています。乗り込む度にちゃんと切符をきりにくる車掌もいれば、結局一度も回ってこない、または1階だけチェックして2階には上がってこない車掌とか・・・。こんな効率の悪いやり方、あの古いダブルデッカーがなくなればきっと車掌制も消えるんだろうな、と思っていたのですが、最近、私の利用するワンマンタイプの2階建てバスに車掌が同乗するようになりました。理由は「一人よりも二人の方がよいから」(とポスターに書いてあったんです!)。きっとロンドンの雇用対策の一環だとは思うのですが、こんな理由があってよいものなのでしょうか? 疑問です・・・。

こんなことを書いていると、あまりいいところがないような気もしますが、何よりもやはりロンドンの街並を見れるというのがバスの醍醐味です。私が利用する11番というバスは、まさにツア−バスのようなルート。ビッグベンから、首相官邸前→トラファルガー広場→セントポール大聖堂→ロンドン証券取引所という具合です。夜のライトアップはやはりとても美しく、仕事の疲れを少しだけ取り除いてくれます。

それから、2階建てバスは人間の目線では見れないものが見れる。通りを歩いているとお店やカフェしか見えていなかったのが、バスの2階に上がると、その上には住まいがあったり、オフィスがあったり、学校があったり、と新たな発見があるのです。

Old Streetという通りが、シティの北側にあります。この通りの、ニュースエイジェント、フライドチキン屋、ケバブ屋と並んでいる建物の2階の壁に、素敵な落書きを発見しました。あのタランティーノ監督の代表作『パルプ・フィクション』の主役サミュエル・L・ジャクソンとジョン・トラボルタが黒いタイ、黒いスーツ姿で、銃の代わりにバナナを構えて立っている、というのがこの映画広告風落書きの内容です。しかしこれが、かなり巨大なくせに下の通りからは絶対に見えないちょっと奥まった場所にある。誰が何の為に描いたのかはわかりません。でも、きっとこのアーティスト(?)はバス利用者をターゲットにしてるんだ、と勝手に解釈しています。

こういううれしい発見があるから、たとえ時間通りに来なくても、目的地に着くのに倍の時間かかっても、運ちゃんが道に迷っても、今日もバスに乗ろう!と思うのです。

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